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2024/6/15 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 今週は、消費者物価指数CPI(6/12)、連邦公開市場委員会(6/12-13)、生産者物価指数PPI(6/13)、日銀政策金利決定会合(6/14)、について簡単にまとめてみました。



① 5月 消費者物価指数 CPI 6/12


⭕ 消費者物価指数(前年同月比)
総合 結果 3.3%(予想 3.4% 先月 3.4%)
コア 結果 3.4%(予想 3.5% 先月 3.6%)

出典元 TRADING ECONOMICS

🟡 総合、コアともに予想を下回った結果となりディスインフレのプロセスが進行していることに多くの人々に安心感を与えた。


② 連邦公開市場委員会(FOMC)6/12

⭕ ポイントを超簡単にまとめ

1.予想通り主要政策金利は据え置き(5.25-5.50%)

 7会合連続の据え置き、政策金利は高水準で維持
🟡 初志貫徹、利下げは急がない。

2.FRBメンバーの金利予測分布に変更

🟡市場は年内利下げ1回が折り込まれているが、FRBメンバーも正式に金利予測分布(ドットプロット)の意見変更を行った。
3回以上が10人 ➡ 1回以下が11人

 最近の指標をみると、経済活動は着実な拡大を続けています。雇用の増加は引き続き力強く、失業率は低いままです。インフレは過去1年間で緩和されましたが、依然として高止まりしています。ここ数カ月、欧州委員会の2%のインフレ目標に向けて、緩やかな進展が見られました。
 委員会は、長期的に2%の雇用率とインフレ率の最大化を目指している。委員会は、雇用とインフレの目標達成に対するリスクは、過去1年間でより良いバランスに向かって移動したと判断する。経済の先行きは不透明であり、委員会は引き続きインフレリスクに高い注意を払っている。
 その目標を支援するため、委員会はフェデラルファンド金利の誘導目標レンジを5.25%-5.50%に維持することを決定しました。委員会は、フェデラルファンド金利の誘導目標レンジの調整を検討するにあたり、今後のデータ、今後の見通し、リスクのバランスを慎重に評価します。委員会は、インフレ率が持続的に2%に向かって推移しているという確信が高まるまでは、目標レンジを引き下げることが適切ではないと予想しています。さらに、委員会は、財務省証券、政府機関債、政府機関向けモーゲージ担保証券の保有を引き続き削減します。委員会は、インフレ率を目標の2%に戻すことに強くコミットしている。
 金融政策の適切なスタンスを評価するに当たっては、委員会は、入ってくる情報が経済の見通しに及ぼす影響を引き続き注視する。委員会は、委員会の目標達成を阻害するリスクが顕在化した場合には、金融政策のスタンスを適切に調整する用意がある。委員会の評価は、労働市場の状況、インフレ圧力とインフレ期待、金融および国際情勢に関する指標を含む幅広い情報を考慮に入れます。
 金融政策措置に賛成票を投じたのは、議長のジェローム・H・パウエル氏でした。ジョンC.ウィリアムズ、副議長。トーマスI.バーキン;マイケル・S・バー;ラファエル・W・ボスティック;ミシェルW.ボウマン;リサ・D・クック;メアリーC.デイリー;フィリップN.ジェファーソン;アドリアナ・D・クーグラー;ロレッタ・J・メスター;とクリストファーJ.ウォーラー。

出典元 FRB FOMC声明 2024/6/12



③ 5月 生産者物価指数 PPI 6/13


⭕ 生産者物価指数 (前年同月比)
総合 結果 2.2%(予想 2.5% 先月2.2%)
コア 結果 2.3%(予想 2.5% 先月2.4%)

出典元 TRADING ECONOMICS

🟡 5月の米生産者物価指数(PPI)は前月比で予想外に低下。PPIはPCE価格指数の軌跡を決定付ける傾向があるため、今回の軟調なPPIは今月末に発表されるPCE価格指数にとって良い材料となった。


④ 日銀政策金利決定会合 6/14

⭕ ポイントを超簡単にまとめ

1.政策金利は据え置き(0.0-0.1%)

🟡 短期は緩和的金利を維持。無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう 促す。

2.毎月の長期国債購入減額を計画

🟡 月6兆円程度の購入ペースを、市場参加者の意見 も確認し、次回金融政策決定会合において、今後1~2年程度の具体的な減額計画 を決定する。
 国債の購入減額と償還に伴いバランスシートが縮小、量的引締めとなる。長期金利上昇に圧力がかかる。

日本銀行 当面の金融政策運営について 2024/6/14



⑤ 重要経済指標のおさらい

作成 ぼなんざ本舗研究所



⑥ 政策金利予想  6/15


🟡
 2024/7/31、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利決定において、市場参加者の意見は「金利据え置きが89.7%」【5.25-5.50】

🟡 利下げ観測【5.00-5.25】
★ 2024/9/18 「67.7%」
★ 2024/11/7 「80.5%」

出典元 CME FedWatch Tool
出典元 CME FedWatch Tool



⑦ まとめ

🟡 インフレ鈍化傾向に安心感と消費減退の不安感
 
今週のインフレ指標が予想を下振れた事により、多くの方々に安心感をもたらした。
 14日に発表された6月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は65.6と低下(市場予想72.1、前回69.1)、依然、物価の高止まりにより家計を圧迫する構図が続いている。

🟡 FOMC
 
FRBメンバーによる金利予測分布(ドットプロット)の意見変更があり、名実ともに年内1回が有力となった。

🟡 日銀政策金利決定会合

 金利据え置きと国債買入減額計画が次回会合となり、過度な期待を抱かれていた銀行株は軒並み下落、円安に振れる。

 また、円安対策の名目で早急の利上げ論者が各誌を騒がせていますが、実質GDPがマイナス成長中に利上げはやはり無理があるでしょう。(前期比▲0.5%、二次速報 6/10)



🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)6/15現在

★ 米国10年債利回り 4.221%(6/8 4.433%)
★ 日本10年債利回り 0.932%(6/8 0.970%)
★ 1ドル=157.415(6/8 156.734円)
★ 原油(WTI)1バレル=78.49ドル(6/8 75.38ドル)


🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 6/15現在

★ 
NYDOW 38,589 ▲0.54%(先週比)▲3.21%(先月比)
★ S&P500 5,431 +1.58%(先週比)+2.54%(先月比)
★ NASDAQ 17,693 +3.27%(先週比)+5.96%(先月比)
★ 日経平均 38,854 +0.44%(先週比)▲0.17%(先月比)

🔅 来週の経済指標
6/18 米国 小売売上高
6/21 S&P PMI 購買担当者景況感指数
6/21 日本 消費者物価指数



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