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2024/1/27 今週の米国経済指標まとめ

⭕ 能登半島震災でお亡くなりになった方々へ心からお悔やみを、被災者の皆様へお見舞いを申し上げます。

 今週の出来事、ECB政策金利(1/25)、米国 10-12期実質GDP成長率(速報値)(1/25)、米国 個人消費支出PCE(1/26)、について簡単にまとめてみました。



① ECB政策金利 1/25

⭕ 1/25、ECB(欧州中央銀行)は米国と同じく、高水準の利率を維持する方向を決めた。

主要政策金利 4.50%
預金金利(下限) 4.00%
貸出金利(上限) 4.75%

⭕ とはいえ、米国とは全く経済状況が違い不況真っ只中で失業率も高く、GDPは前期比でマイナス成長に落ち込んでいる。日本とは全く逆の環境と言える。

 理事会は本日、ECBの3つの主要金利を据え置くことを決定しました。今回の発表は、中期的なインフレ見通しに関するこれまでの評価を概ね裏付けるものでした。エネルギー関連のベース効果が総合インフレ率に及ぼすベース効果は別として、基調的なインフレ率の低下傾向は続いており、過去の金利上昇は引き続き金融環境に強く波及しています。金融環境の逼迫が需要を減退させており、これがインフレを押し下げるのに役立っています。

理事会は、インフレ率が中期目標である2%に適時に戻ることを確実にすることを決意しています。理事会は、現在の評価に基づき、ECBの主要金利は、十分な期間維持されれば、この目標に大きく貢献する水準にあると考えています。理事会の今後の決定により、政策金利は必要な限り、十分に制限的な水準に設定されることが確実となるでしょう。


Monetary policy decisions
25 January 2024
The Governing Council today decided to keep the three key ECB interest rates unchanged. The incoming information has broadly confirmed its previous assessment of the medium-term inflation outlook. Aside from an energy-related upward base effect on headline inflation, the declining trend in underlying inflation has continued, and the past interest rate increases keep being transmitted forcefully into financing conditions. Tight financing conditions are dampening demand, and this is helping to push down inflation.
The Governing Council is determined to ensure that inflation returns to its 2% medium-term target in a timely manner. Based on its current assessment, the Governing Council considers that the key ECB interest rates are at levels that, maintained for a sufficiently long duration, will make a substantial contribution to this goal. The Governing Council’s future decisions will ensure that its policy rates will be set at sufficiently restrictive levels for as long as necessary.

出典元 European Central Bank

② 10-12月期GDP成長率 速報 1/25

⭕ 速報値、前期比+3.3%、(予想+2.0%)、年率+3.1%

 予想を上回る結果、個人消費が+2.8%(前期比)とリバウンド急回復し6四半期連続でプラス成長となった。景気後退のサイクルが完全に飛ばされた感触がする。

出典元 TRADING ECONOMICS



③ 12月 個人消費支出 PCE 1/26

⭕ PCEコアが前年同月比2.9%と2021年以来の低い伸びを記録。米国はインフレが落ち着きつつ、堅調な労働市場と好調な経済を維持している。

✅ PCEデフレーター 
●(前年同月比)結果 +2.6%  先月 +2.6%
●(指数先月比)結果 +0.2%

 コアPCEデフレーター(食品とエネ除く)
●(前年同月比)結果 +2.9%  先月 +3.2%
●(指数先月比)結果 +0.2%


出典元 TRADING ECONOMICS

 米国PCEデフレーターは、個人消費支出(PCE)の価格変動を測る指標で、米国のインフレ率を判断するためにFRBが重視しています。

 
PCE(Personal Consumption Expenditures)は個人が物やサービスに対してどれだけお金を支出したかを示す指標で、GDPの約55%以上の割合を占める重要な経済統計です。
 
 数値は名目個人消費支出を実質個人消費支出で割って算出されます。その数値の変化率がプラスであればインフレを示し、マイナスであればデフレを示します。CPIと比べて調査対象が広く、指数の計算方法も異なります。


④ 重要経済指標のおさらい

作成 ぼなんざ本舗研究所
作成 ぼなんざ本舗研究所

⑤ 政策金利予想  1/27


✅ 2024/1/31、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利決定に於いて、市場参加者の意見は「金利据え置きが96.9%」

★ 2024/3/20の会合で、「46.2%の市場参加者は利下げを観測」
(1/20の観測では46.3%)

★ 2024/5/1の会合で、「88.9%の市場参加者は利下げを観測」
(1/20の観測では84.8%)

出典元 CME FedWatch Tool



⑥ まとめ


⭕ 米国において、2023年は多くの人が予想した以上にインフレが減速した。金融引締めによる景気後退を回避しつつ、さらには利下げを控えており、米国株式市場にとっては絶好の環境と言えるのではないでしょうか。

⭕ NYDOW、S&P500指数が最高値を更新中、NASDAQも2年前の最高値を伺う展開。3指数とも1月をプラスで終える事が出来れば、今年の見通しは良いものとなりそうです。

 2023年同様に、指数に最も影響力のあるマグニフィセント・セブンがAIブームに乗ってさらに加速を始め、半導体関連銘柄も盛り上がっている。

★ASML好決算 週間ベースで約16%上昇と約1年ぶりの大幅高 1/24

オランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングは、昨年10-12月(第4四半期)の受注が前期から3倍増となった。最先端の極端紫外線(EUV)リソグラフィー装置の需要が急増した。
  24日の発表資料によれば、10-12月の受注予約は91億9000万ユーロ(約1兆4800億円)と、前四半期の26億ユーロから増えた。ブルームバーグが調査したアナリストの予想平均は36億ユーロだった。

出典元 Bloomberg 2024/1/24


⭕ 来週はマグニフィセント・セブンの決算ラッシュ
● AAPL 2/1
● AMZN 2/1
● GOOGL 1/30
● MSFT 1/30
● META  2/1


🔅 今週の債券利回り、為替、原油(前週比)1/27現在

★ 米国10年債利回り 4.139%(1/20 4.130%)⤴
★ 日本10年債利回り 0.705%(1/20 0.665%)⤴
★ 1ドル=148.144(1/20 148.135円)⤴
★ 原油(WTI)1バレル=78.23ドル(1/20 73.43ドル)⤴


🔅 今週の米国株主要3指数、日経平均 1/27現在

★ 
NYDOW 38,109 +0.65%(先週比)+1.06%(先月比)
★ S&P500 4,890 +1.06%(先週比)+2.25%(先月比)
★ NASDAQ 15,455 +0.96%(先週比)+2.39%(先月比)
★ 日経平均 35,751 ▲0.59%(先週比)+6.59%(先月比)

🔅 来週の米国経済指標

1/31 連邦公開市場委員会(FOMC)
2/1 ISM製造業景況感指数
2/1 米国 雇用統計


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