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ジュエリー製作者からみる、ダイヤモンドに関する不便な真実について

私たちの思うダイヤモンドは、美しくて高価なもの。そして、幸せを約束するものとしても使われる。婚約の時や、自分自身へのご褒美のためなどダイヤモンドの価値ほど幸せ度も上がるようにまで感じる。なぜ私たちはダイヤモンドを欲しがるのだろうか?

考えてみると、ダイヤモンドの価値は、「地球上一番硬い石」というところに過ぎない。しかしながら長い人類の歴史の中で様々な付加価値がつけられ、現代ではジュエリーブランドのマーケティングでその価値は支えられてるのではないだろうか。

転機になったこの映画

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ジュエリーブランドで働いていた頃、Blood Diamondという映画を偶然見たことがある。その時受けた衝撃は今でも忘れることができない。内容を簡単に説明すると、ダイヤモンドが採掘させる多くの国、南アフリカがこの映画の背景になっている。希少価値の高いダイヤモンドの需要は先進国で絶えず高まる中、多くのアフリカ住民は小さな子供から大人まで正当な対価ももらえず、採掘に動員される。利益が大きいダイヤモンドの取引資金は、ダークルートを通じ戦争のために使わる。人権はダイヤモンドより安い。愛しやまないこのジュエリーの向こう側にはたくさんの人の犠牲がある。たかがこの、「地球上一番硬い石」のためにだ。

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物づくりをするときに、その素材がどこからどうやって、私の手元に届いたのかまで考えて作ることはあまり多くなかった私にとって、その映画は大きなひらめきになった。手元にあったたくさんのジュエリー商品が、そこに留まってる美しいダイヤモンドたちが、実は紛争ダイヤモンドで誰かの死の対価でここにきてるのではないか?と不審な気分に覆われていた。

「紛争ダイヤモンドは、正当な政府を転覆させることを目的とする反政府軍によって起こされた紛争の資金源として用いられるダイヤモンド原石を意味する」(Kimberley Process Certification Scheme, Section Iより)

解決策はないのだろうか?

ジュエリーを作る者として、またジュエリーを消費する者として、この背景を知るのと知らないのと責任感は大きく変わると感じた。当時、会社で変えられることはあまりなかったけど、私が作る物は、少なからずどこからきた素材なのか分かっていたいと初めて思った。

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キンバリー・プロセスとは、参入国はダイヤモンド原石を取引する際、原産地証明書(キンバリー・プロセス証明書)の添付を義務付ける制度である、目的はダイヤモンドを紛争に資金として提供する可能性を減らすために導入された。

この「紛争ダイヤモンド」問題を解決するために生まれた「キンバリー・プロセス」が紛争ダイヤモンドではないということを証明する機関がある。現在は多くのジュエリーブランドが、このキンバリープロセス証明を付けたダイヤモンド商品を販売するようになった。しかし、「キンバリープロセス」の信頼性について疑いの声も見かける。突破口が見つけたと思いきやこれでもないのか。。

本当のコンフリクト(紛争)フリーダイヤモンドはどう見つければいいのだろう。続けて悩みたいところである。

とりあえず身近な物から「FAIR TRADE」ものにしていきたい

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そして、もう一つ、「FAIR TRADE」は結構耳にしたことがあるのではないか。コーヒーや、綿、ワインなど知っていたら心不便な生産・取引過程に向き合うこと。消費者はそれを意識して物を選ぶことで社会還元できる。サスティナブルな価値を優先し、自分が作るものや使うものは誰かを不幸にしてはならないという考え方で少し手間と費用がかかるにしてもその道を選ぶ人たちはきっとたくさんいる。

私も続けて「公正貿易」商品を扱うブランドや商品をポストしていきたいと思う。


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