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『態度が悪い』のは、性格や障害の問題とは限らない

態度が悪い人って、けっこう出会いますが、それは性格的な問題や、精神的な問題を抱えているとは限らないよ。単に誤学習していたり、勘違いしてしまっているだけかもしれない。というお話し。

表面上現れている態度の中でも、相手に対して失礼な態度をとっている場合や、相手を攻撃しているような態度になってしまっている。そんな方にしばしば出会います。そして、そうした態度をとってしまい、相手を怒らせてしまうことも。

発達障害(ASD/ADHD)次男は、態度について、とてもよく怒られます。相手を怒らせてしまう。そんな態度をとってしまうのです。これまで、原因や対処法がイマイチ掴めずバトルになることもしばしば。

(゜-゜)うーん。どうしたものかなぁ。それが障害特性か?と言われるとそれは違うように見えました。態度が場にそぐわない。というのは、特性じゃない気がする。定形発達の人でもよく見られることだし、私にもままある。量の問題をそのまま特性ととらえてしまうには合点の行かないパターンが多すぎやしないか?

次男は、よくない態度はどういったものなのかの理解はできてる。しかし、マイナスな感情や怒りをコントロールすることは苦手。確かに苦手。だけど、表面上現れている、態度やコントロールが難しい感情=特性は❌間違ってると思う。それは、特性が絡んではいるけれど、直接の原因ではない。

先日、こんな事がありました。

国語の授業で名文を暗唱するという取り組みをしている4年生。奥の細道とか、寿限無とか、私と小鳥と鈴ととか、いろいろな文章を覚えていく。暗唱できたらクリア。という課題。

息子は長い文章を暗記する事が苦手でなかなか暗唱がクリアできず、私に助けを求めてきた。そうかそうか。それじゃ試しにいろいろやってみようってなわけで、暗唱のお手伝い。しかし、息子は私のサポートの仕方が気に入らず、どんどんと興奮、ただでさえ苦手で上手くいかないイライラも重なって、親子バトル勃発。嫌な感じの時間を過ごし、暗記もできないまま終わっていった。途中、私のやり方が自分に合わない事を理由にまくしたて、大騒ぎする息子はどこか遠い場所に行ってしまったかのようだった。

こんな感じのことはしょっちゅう起こる。定形発達の子どもだったとしても、まあそれなりにあると思う。だって子どもだもの。兄ちゃんにもそう言う時期はあったし、これからもあるだろう。

ん〜。あの感じはどこから来るのかなぁ。なんて考えながら、夜のウォーキングに出かけた私。歩きながら整理すると見えてきた。

息子が態度が悪くなってしまう理由は、人に対して万能感を持っているのでは?ということ。子どもたちにとって親や大人が万能であると感じてしまうのは、仕方のないこと。実際にこれまでの人生でそうだったのだから、そうなのだ!と確信しているか、そうであって欲しいと信じているはず。

思春期頃になれば、親や周囲の大人が万能ではないことに気が付いて、ある種の諦めのような悟りのような思いと共に、自分も大人へと成長していく。

ところが、親が何でも満たせてしまったり、そう錯覚させてしまったりすると、相手は自分の要求に答えてくれるものだと勘違いしてしまう。勘違いしたまま、要求に答えてくれない相手を非難したり、失礼な態度をとったり、ひどい時には脅したりしてしまうなんてことも。そんな大人に何度もであってきた。

お金持ちの子どもが何でも好きなように与えられて育ち、なに不自由なく与えられ続けても満足できずにキレている。みたいな現象はそこら中に転がっている。

胸騒ぎがした。息子にとって、私や他の大人、そして周りにいる子どもたちでさえ、万能な生きものとインストールされているような気がしてならなかった。彼はインストールされてしまうところがある。100⇄0思考でカッチリ決まってしまう。何事も、良い方向へ特性が出ることもあれば、まずいことになる場合もある。急いだ方が良さそうだわ。

ウォーキングから帰った私は、息子にクイズと大切な話しをすると言って、聞いてもらうことにした。←息子はこのパターンになると母ちゃんの長いお話しが、始まると分かっているので最初は嫌がります。なので、始めはクイズから。クイズと言っているのに、実際はあなたなら、どうする?というただの質問です。

ここは、スーパーマーケットです。あなたは、このお店に洗濯機を買いにやってきました。けれど、洗濯機はどこにも売っていません。

『あたりまえじゃん!スーパーマーケットじゃなくて、電気屋さんに行かなきゃダメだよ』

そうだね。スーパーマーケットには、そもそも洗濯機は売ってないものね。では、電気屋さんに行きました。電気屋さんにはたくさんの洗濯機が並んでいましたが、僕の欲しい洗濯機は売っていませんでした。

『じゃあ、洗濯機を買うのをやめる。で、コインランドリーに行くよ。だって洗濯機を買うために貯めたお金はあるんだし、洗濯ができればいいし、気に入らない洗濯機を買わなくてもコインランドリーで済ませる。ってなんでこんな事聞いてくるの?』

あなたは、お買い物の時にはそうやってお店に売っているものを把握したり、目的のものが無ければ別のお店を選択したり、全く別の方法を考え出したりできる。すばらしいね。では、つぎの問題。

あなたは、腕を骨折してしまいました、急いで病院に向かいます。向かった病院では、あなたの治療ができないと断られてしまいました。あなたはとても怒ります。痛くて痛くてたまらないのに、どうして診てもらえないんだ!と訴えても、ここでは無理です。別の病院へ行ってくださいと言われてしまいました。その病院は、耳鼻咽喉科でした。

『えー!何それ!きっも』

今のは、第三者の気持ちかもしれないね。耳鼻咽喉科の待合室で待っている人は、骨折した人が『治してくれ〜』と大騒ぎしていたら、あなたが今思ったようなことを感じるかもしれない。さっきの、スーパーマーケットで洗濯機を探している時に、『どうしてこの店には洗濯機が売って無いんだ〜』って店員さんに言っていたら、周りはそう思うかもしれない。骨折したのなら、耳鼻咽喉科じゃなくて、整形外科にいかないとダメだものね。

あなたは、買い物や病院選び、その他にも生活するときに様々な事を選択したり、変更したり、我慢したり、妥協したりしています。とても上手にやれるようになって成長しているね。

人に対しても同じことが言えます。相手は自分の要求を何でも解決できるわけではありません。相手が自分の要求とは違うことしかできない場合、お店と同じで、別の相手を探すとか、要求を変えるとか、相手の持っているもので妥協する、相手のやり方で我慢するといった必要が出てきます。自分の要求に答えてくれる相手の方法に文句を言ったり、無理なことを押し通したりはできません。

骨折してしまって、慌てて飛び込んだ病院が耳鼻咽喉科だったのなら、『あ!間違えました。すみません。近くの整形外科はどこにありますか?』と訪ねる事が、あなたにはできています。そういうスキルをちゃんと持っています。その場合に態度がどうとか言われてしまうことはありません。

宿題のサポートが気に入らないと叫んで興奮しているのは、スーパーマーケットで洗濯機が無いと騒いでいるのと同じです。骨折を治せと耳鼻咽喉科で叫んでいるのと同じです。

お店や病院でやらない態度は、お母さんでも他の誰でもやりません。態度が悪いと怒られてしまう理由はここにあります。

『俺ってそんなことしてんの?スーパーマーケットで洗濯機とか、骨折を耳鼻咽喉科とかマジでありえん…(゜-゜)ごめんなさい…』

君は今、色々なことを学んで試して失敗しながら成長している最中です。気を落とさずに、失敗からは学んで次に繋げていければそれでいい。お母さんはいつでもサポートします。けれど、お母さんは万能ではありません。何でもあなたの望む事ができるわけでもないし、気持ちを理解したりもできません。あなたの人生は、あなたしか生きられない事を忘れずに。一緒にやっていこうね。

ちゃんと届いたかなぁ…
いつか過去記事を振り返って、この時やっておいて良かったと言えるように、注意して見ていこう。

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