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縦列の散歩があったこと

1年前までは「散歩」が日常の中にあった。

実家にいた頃だったので、飼っていたトイプードルのポッキーくんを毎日、朝夕晩と家族で代わる代わる散歩させていたのだ。

↑天使のようなポッキーくん

この我が家のアイドル・ポッキーくんに首ったけの男がいた。

彼氏である。

ポッキーの写真を送ってあげれば、尊さのあまり泣いている絵文字を何個も連打して送ってきて、芸を披露する動画や、わたしが名前を呼ぶと駆け寄ってくる動画を見て、彼氏は何度も「可愛い😭」と言っていた。

間違いない、ポッキーは可愛いのである。
分かる。

↑私の枕で寝るポッキー

彼氏は犬に限らず、猫も好きだ。
YouTubeで犬の動画を見て悶えていたこともある。

そんな彼には唯一の、動物好きにはつらい問題点があった。

動物アレルギーなのである。
(めちゃくちゃ可哀想)

故に、好きな犬に触ることも出来ず、動画や写真を見ることしかできなかったのだ。
彼が、どれほど動物が好きなのかを知っていたわたしは、本当に彼のことが不憫になり、どうにかしてポッキーとふれあい〜こころの交流〜ができないかを考えた。

結果、わたしがポッキーの散歩をしている様子を隣で見たらいいのでは?
という考えに至り、即座に夕方の散歩に誘った。

彼氏は散歩を見るためだけに自転車を走らせてやってきた

リードを繋いで、うんち袋を持って散歩の準備は万端である。
いざゆかん!と自宅の扉を開けると、ワンワンッと元気に飛び出したポッキーが彼氏に飛びつきそうになった。

ポッキーはかなり人が(特に女性が)好きで、知らない人にも果敢に向かっていく。
なので、彼氏にも「飼い主さん!この人誰ですか〜っ?!ボク、初めて見る人だ!」と今にも言い出しそうな興奮の仕方で無邪気に飛びついていた。

焦ったのはわたしである。
衣類を着ているから、ある程度は大丈夫だと思うけど、彼氏は動物アレルギーでその昔、泥酔して友達の家で寝ていたら、友達宅の犬にべろんべろん舐められて居たらしく、寝起きは目が開かないほどパンパンに腫れ上がったという。

万が一にもそんなことになったら大変だと思い、「こら!ポッキーくん!」と軽めに叱責し、彼氏に少し離れて散歩を見てくれ……と頼んだ。

「うんちを取るという大役はきみに任せるよ」
と、いかにもらしく手提げバッグを持たせようとしたけれど、すぐに魂胆はバレてしまった。

彼氏は、ポッキーの散歩中、だいたい30分間くらいなにも知らない人が見れば「ストーカー?」と言われるくらいの距離感で、わたしたちの後ろから動画を撮ったり、前に回って写真を撮ったりしていた。
たまに「ポッキーくん〜♡」とポッキーの名前を呼んでいたが、散歩>人への興味であるポッキーにガン無視されていた。

それでも、嬉しそうにニコニコと笑う彼氏を見ると誘って良かったなと思った。

ほとんど横に並ぶことのない散歩だったけど、それも楽しかった。

以上、終わりです。

普段は文系院生として過ごしているため、学費や資料の購入に回します✩゜*⸜(ू ◜࿁◝ )