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社畜が骨折したら、引きこもりになった件。㉗~会社への経過報告は針のむしろ~

今回のお話は、

  • 初回のリハビリ終了後、職場へ自宅療養の延長を求める話。

  • 同時に、労災の重大さを思い知る話。

  • 職場から1ヶ月離れただけで浦島太郎状態になった話。

  • 2回目のリハビリと痛みのぶり返しに、復帰への焦りがつのる話。

になります。
前回同様、痛み耐性がない方、トラウマが発動しそうな方はご遠慮ください。それでも労災の重大さや、浦島太郎状態についてご覧になりたい方は、申し訳ありませんが、ちょっとだけ我慢をお願いします。

忠告はしましたよ?

大丈夫ですね?


初回のリハビリ終了後、すぐに自宅に帰ることはできませんでした。
労災の認定を受ける条件として、一定期間ごとに自分が何をしていたか、病院でどのような診断を受けたかといった生存報告を職場にする必要があったからです。

さらに、前回、1月26日に約束した社会保険料の納付(社畜が骨折したら、引きこもりになった件。⑬~労災で休職したら、口座残高が空っぽになりました~|のどか (note.com))があり、行かないという選択肢は、最初からありませんでした。

ですが、気が重い。
1ヶ月半休職しただけでも、職場に迷惑をかけたことへの後悔で胸が押しつぶされそうなのに、あと2週間で復帰できるのか微妙だなんて・・・・・・。
考えただけで、いつもより遅い足が止まりかけました。

それでも会社の門前に来た頃には、気持ちを立て直して、アポイントメントを取ることができました。それも、自分の詰所と上司のいる部署が隣同士だからこその気軽さがあったからだと思いますが、来客用のソファーに座らされたと同時に吹き飛んでしまいました。

用意された書類の多さを、何と表現したらいいのでしょうか。何百人もいる従業員の中で、たった1人が労災認定を受けるだけで、これだけの書類が必要になるなんて想定外です。

1枚1枚、ていねいに説明されましたが、右から左に流れた書類も少なからずありました。専門用語をかみ砕いて説明されたものの、基礎番号とか、勤続年数(月日まで正確に)とか、即答なんてとても無理で。
無知の知を痛感しながら、判を押すしかありませんでした。

一通り、書類にサインや印鑑を押した後、診断結果を説明しました。その際、骨がくっついていないことを知っていた骨折経験者の上司がいたので、疑われることなく納得していただけたうえに、三角巾がとれたことを喜んでもらえました。

その朗らかさがなければ、その場の空気は重くなっていたかもしれません。休業するということは、症状を回復させる身体的能力と、ストレスを軽減させる精神的耐性の両面が求められると実感しました。

それでも、私の職場は恵まれている方だと思います。逐一話を聞いてくださるし、疑問を投げかければ時間はかかっても答えてくれますから。
一方で、労災に協力的でなかったり、労災自体を認めなかったりと、従業員を守るべき職場とも闘う羽目になるケースもあるそうなので、何かオカシイと感じたら自分で調べる癖をつけておくことが大切だと思います。

そうして面談を終えて、自分の詰所に寄ったところ・・・・・・
浦島太郎状態になってしまいました。
時期的にダイヤ改正が近いため、そこに合わせて体制がいくつも変わっていたのです。少しできた話によると、復帰が決まったら事前説明会を開くつもりだったらしく、わざと知らせなかったとかはないのですが、堂々と張り出された要項を見るだけで、焦りがわいてきます。

そうでなくても、今までどおりの操作さえ危うい状態なのです。新しい体制を受け入れ、自分の中に組みこむことができるのか、不安でなりません。
でも、それは遠い未来の話。
復帰できる状態まで身体を治さなければ、スタートラインにさえ立てないのです。

私は、笑顔の中に自分の感情を押し込めると、話を雑談に戻しました。これ以上、今の自分では手が届かない話をしたくなかったからです。
ただ、ひとつだけ、強く決意して、
「次のリハビリからは全力で挑もう。痛いなんて言ってられない」
と、誓ったはずでしたが・・・・・・。

無理でした。
決意なんて木っ端みじんに散りました。
できたのは悲鳴を堪えるぐらいで、身体の反応は素直に痛みを訴えていたようで、理学療法士の先生によって途中でリハビリがマッサージに戻ってしまいました。

どうやら骨を固定する期間が他の人よりも長かったのが災いして、筋肉が硬直してしまったのはもちろん、動き方を忘れてしまったようです。
理学療法士の先生から「期間に関係なく起こりうることだから、焦らずに行きましょう」と優しく諭されましたが、2度目のタイムリミットまで2週間を切っているのに、「動かない腕が、僅かでも動く状態にする」までの最低限の目標さえクリアできそうにないなんて・・・・・・。

愕然としつつも、どうしようもありませんでした。
しかも、追い打ちをかけるように、リハビリの痛みのぶり返しがきて、その日の夜はほとんど眠れずに。

何をしているんだろう。
本当に復帰できるのだろうか?
と、悪いことばかりが頭の中で繰り返していました。

その状態に我慢できなくて、振り払うようにベッドから起き出し、近くに常備してあった飲み物を口にしたところ。
一瞬、気持ちがスッとしたと思ったら、布団から出た寒さで痛みが酷くなったので、肩のストレッチをして疼痛が和らいでいくのを待ちました。

しばらくすれば治ると頭では分かっているものの、いつでも、どこでも、どれだけでも眠れる体質だっただけに、中途覚醒は不快でしかなく。
ベッドに戻ってからも、なかなか寝付けませんでした。

それでも朝になれば、簿記や株式、他にも新しくできた趣味や、継続するべき言動をしたがるのだから・・・・・・。
私は、簡単に諦められない生き物なんだと思います。

と、自分で自分を不思議な生き物だと推測しつつ、つづきます。

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