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仕事を納めたその足で舌ピアスを開けた

とりあえず生きた。色々失ったけど。

私にはなにもない。あると思っていた「仕事がそこそこできる」というアイデンティティも失った。
それ以外にあるとしたら、ピアスだ。

蝕んでいく 記憶の破片 わたしを塞ぐピアスが足りない
忘れてしまう ぼやけてしまう あなたの聲が雑踏に消える

蝕んでいく 抜け落ちていく わたしを塞ぐピアスが足りない
跡形もなく 忘れてしまう あなたの聲が雑踏になる

天野月子『聲』

私の耳にはたくさん穴が開いている。はじめは単純な興味からだった。
でも、今は嫌なことや苦しいことが起きたときに突発的に穴を開ける。
しかしついに耳に開ける場所もなくなってきたので。
舌に開けることにしたのだ。

なぜ舌なのか

実は一度挑戦したことはある。そのときに地獄を見たのだ。
息をするだけで激痛。耐えきれずに外そうとしたら指が入らない。
ペンチやらピンセットでなんとか外して、ピアスを気にせず食べたご飯の美味しさよ。

復職したしたはいいものの、ろくな仕事ができている気がしない。
まず当日欠勤。もう有給がなくなるほどだ。

つまり、罰を与えたい。そこそこ高いお金を払って、苦しみを味わいたい。
私が行うピアッシングは自傷行為的なのだと思う。
身体に切り傷がつくようなこともしたけれど、同じ自称ならかわいいピアスが増えるほうが良くない?という単略的な愚かな思考。

舌にピアスが開いている私は可愛い。可愛いから生きてていい。

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