見出し画像

ヘレンケラーいわく:世界は動く。1人1人の小さなひと押しで(ベターアイデア? v3-32)

ある会議で、こんなことがあった。

お客様からソフトにある改修をして欲しい。必要経費は払う、と言われた、けど、この改修はどう思うか、との提起。

ボクは、お、これはラッキーでは、と思った。この改修、やるべきと思ったのだ。他のお客様も確認すればニーズあるだろうし、便利になる。しかも開発費を多少は払うと言っている。

で、「この改修で、他の潜在客が一気に買う!となるなら、やろう。どう思うか。」とのTOPからの質問。

あちゃ、ボクの嫌いな質問が来た。むむ、TOPはやりたくないということを示唆しているのか? ならそう言えばいいのに。だって、この一つの改修で、潜在客が一気に買いまーす!なんて通常はありえないもの。

「横からすいません。ジム・コリンズの弾み車の小話知っていますか?」って、誰も反応無いから、続けて:

「そもそも、この改修があれば多数の潜在客が ”はーい!買いまーす” になるような機能なんてあるの? あるならやればいいし。色んな機能やサービスが一つ一つ積み上がって製品・サービスになっていて、総合的な魅力で、この1つが追加されるから買うぜ!とか、って、無いかと。すべてのお客様のためにの積み重ねでしょ。打ち出の小槌なんてないでしょ。」。

「合格ラインが80点で、それ超える最後の1点で80点になるけど、その1点だけじゃなくて、それ迄の全ての点数が等しく重要。かなり本質的な機能なら話は別だけど。例えば、車から走る機能が無くなる、みたいな」。

「色んなお客様からの、要望を一つ一つ追加して、それによる弊害が無いようには当然アレンジして、それがやるべきことじゃないの? もちろん要望の程度やふざけたものは困るし、このソフトでやるべきかは検討課題だけど、お客様がいつも使っていての気づきなんだから、どうやってそのニーズを反映できるかを、ひとつひとつをありがたく受け取って、考えるべきじゃないの。。。答えは現場でしょ。で、これらの積み上げが気づいたら良い製品・サービスになっている、かなと。」

で、TOPは逆のご意見・ご判断で。「つまり、この改修で客が増える可能性は直感的でも無い、ということね。他も一緒かな。じゃぁ、止めましょう。今日は議題多数だから、はい、次の課題ですが。。。」となった。

ありゃ、残念。ボクはやるべきと思ったし、一定の客にアンケート・調査したら背中押す結果になったと確信したけど。。。ま、管掌範囲ではないし。。。

ジム・コリンズの弾み車の小話:

「巨大で重い弾み車を思い浮かべよう。~。必死になって押すと、弾み車が何センチか動く。動いているかどうか、分らないほどゆっくりした回転だ。それでも押しつづけると、二時間か三時間がたって、ようやく弾み車が一回転する。

押し続ける。回転が少し速くなる。~。ようやく二回転目が終る。~。三回転、~、六回転。徐々に回転速度が速くなっていく。~。勢いがついてくる。~、十二回転、どんどん速くなる。~、百回転。

そしてどこかで突破段階に入る。勢いが勢いを呼ぶようになり、回転がどんどん速くなる。~、十万回転になり、重量のある弾み車が飛ぶように回って、止めようがないほどの勢いになる。」

「ここでだれかがやってきて、こう質問したとしよう。「どんな一押しで、ここまで回転を速めたのか教えてくれないか。」この質問には答えようがない。意味をなさない質問なのだ。~。どれかひとつの押しが重要だったわけではない。重要なのは、これまで、のすべての押しであり、同じ方向への押しを積みかさねてきたことである。」(「ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則」(ジェームズ・コリンズ著、山岡洋一訳、日経BP))

その通りですね、「強く大きなひと押し」なんてありません。小さな一つ一つの積み重ねです。

「世界を動かすのは、英雄の強く大きなひと押しだけではありません。誠実に仕事をするひとりひとりの小さなひと押しが集まることでも、世界は動くのです」 (ヘレン・ケラー)。

今日のベターアイデア:
同じ方向へ、一歩一歩、小さなことでも、あせらず、丁寧に、一生懸命に、努力を、継続的に、積み重ねる。これしかないような、ビジネスも、趣味も、人間関係も。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?