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ロマ人自立支援NGOでのインターン経験1 #19歳僕のギリシャ2ヶ月放浪記9

前回までの記事でなぜロマ人に興味を持ったかの話は書いた。そこからギリシャでどうインターンを行うことになったかの経緯について書いていきたい。

イン活(求インターン活動)

結論からいうと、アテネにあるロマ人関連のNGOにメールを送りまくった。50団体くらいに送った記憶がある。初めは大学にアテネでロマ人関連のNGOでのインターンシップ制度があるか問い合わせたが、もちろんあるわけがない。だからインターネットで「Roma NGO Athena」と検索し、関連のありそうな団体を見つけてはコンタクトを取っていた。

結果的に50団体ほどにメールを送ったが、返信があったのは3件だけだった。その内2件は、当時19歳だった僕の身の安全や保険の契約ができないという理由で丁重に断られた。ただAntirroponという団体だけは了承してくれた。しかも、他の団体のように保険などについては聞いてこず、「Okay, call me when you arrive in Athens」の一言だけだった。

実際に返ってきたメール内容

少し怪しくも思ったが、唯一受け入れる姿勢を示してくれた団体であったが故に、インターンすることを決意した。バックパッカー旅を始める前までに何度か連絡を取り、最終的にアテネ2日目の朝に、僕の宿泊先の目の前の道で会うことになった。

iPhoneの罪を誰に擦り付けるか問題

話をアテネ1日目夜に戻すと、僕はロマ人に携帯をスられていた。しかも、携帯には今後の宿泊先や航空券などの情報が入っており、当時はもうそこにアクセスできず日本にも帰れないのかなと思い途方に暮れていた。正直その時はロマ人に対して若干の嫌悪感を抱いていたが、1ヶ月強を旅行のみで過ごすにも暇であるため、約束した場所で時間通りに待つことにした。

携帯もないため風景をボーっと眺めながら待っていると、道端に大型バイクを止めた白髪交じりのギリシャ人男性(Sotiris)が近づいてきて、「Hi! Let's talk over coffee」と言われたため、とりあえず向かいのカフェに入ることにした。

Sotirisの愛車であるBMWの大型バイク

ロマ人インターン始動

カフェに入ると、とりあえずアテネに来てどうだといった会話から始まった。この際正直に全部話そうと思い、到着早々に携帯をスられて困っている話をした。すると、ギリシャでは日常茶飯事なのか、Sotirisはすぐに状況を理解し「さっき携帯変えてきたところだから、前の携帯あげるよ」と言ってくれた。訳が分からずAndroidを受け取ると、「とりあえずSimの契約しにいこう」と言われ、彼のバイクの後部座席にまたがり、携帯ショップに向かった。

10分ほど走ると、道端でSimカードを販売しているショップを見つけ、降車するなりSotirisがギリシャ語で全ての交渉を行ってくれ、1ヶ月10ユーロ程でSimの契約をしてくれた。インターネットに接続された携帯で、とりあえずLINEやAirbnbなどの必要なアプリをダウンロードした。そうして僕はインターネットの世界に戻ることができた。家族や友人からのLINEメッセージを確認でき安心していると、Sotirisは「携帯も戻ったことだし、アテネ郊外にあるロマ人のキャンプに行こう」と言い、後部座席に乗るよう促してきた。

こうして僕のギリシャでのロマ人インターンシップが始まった。

つづく。

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