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受動型ASDがわからずカサンドラに!叱るが怒るに変貌!

私は、知的な遅れはなく、ギフテッドでもないADHD+受動型ASDの子と、ADHD+LDの子を持つ2児の父です。子供達に【二次障害】が起きたとき、親として思考停止せず最善を尽くせるように、日々起こる事の整理も兼ねて書いています。

二次障害とは、うつ病、不登校、引きこもり、対人恐怖症、暴言・暴力など行動面の問題、頭痛、食欲不振、不眠など身体的な不調のようなものが挙げられます。また、自分の性格(特性)に合わない環境で過ごすことで発症しやすく、長期間、二次障害の状態が続くと社会復帰が困難になることもあります。

さて、今回は、ADHD+受動型ASDの特性がある上の子が、「ADHD」だけでなく、「ASD(自閉スペクトラム症)」も合併していたことに、私が気付くまでの話を書いていきます。

上の子の発達障害について、心療内科に通う前は、夫婦共々、「ADHD」のグレーゾーン(大人になれば困りごとも減る)だと思い込んでいました。

発達障害者支援法は2005年に施行されていましたが、コロナ渦ぐらいまでは、媒体で「発達障害」というと「ADHD」の「不注意」「多動性」「衝動性」の3つが中心でした。本屋さんへ行けば「ADHD」にまつわる本が並んでおり、ネット記事も「ADHD」や「グレーゾーン(ADHDっぽい)」にまつわる内容が多かった印象です。購入した本の中には「ASD」について書かれている本もありましたが、上の子の人見知り、受け身な姿勢、先送り癖は、年齢と躾で改善するものだと思っていました。あと、映画やドラマに出てくるASDを持った登場人物が、我が子に重ならなかったのもあります。

まず、上の子に「多動症」は見受けられませんでした。

「不注意」に関しては、小学校から手紙や水筒を持って帰らない日はあったものの、問題になるような大きな忘れ物はありませんでした。ただ、部屋の片づけが苦手で、お菓子の食べ終えた袋やオモチャなどが散らかりっぱなしは日常茶飯事で、叱ることが多々ありました。ちなみに、我が家は共働き。私が在宅ワークとなってからは、ガミガミ言う役割を私が担っています。(妻の「私が叱っても言う事を聞かない」というのが入口でしたが、今思えば、私でも難しかったのです)

で、「衝動性」なのですが、物欲が保育園に通うころから凄かったです!

欲しいものがあると、祖父母、私、妻へのおねだりが執拗でした。普段はおとなしいタイプなのに、こと「オモチャ」に関しては泣きわめくこともありました。共働きの妻がワンオペの頃は、私が上の子に好かれたい想いから、すぐ買い与えてしまうなんてこともありました。

小学生に上がると、どんなに不貞腐れても「うちは貧乏なの」などと言って逃げていました。が、小学3年時に、妻の財布から2万円ほどお金を抜いて内緒でオモチャを買うなんていう事件が。厳しく注意したことで反省の態度が見受けられたようにも思いましたが、数週間経つと、財布からお金を抜く事はないにしても、お小遣いをもらえば無計画にお金を使っていました。(お小遣い帳を書くことも続きませんでした)

また、私同様、孫に甘い祖父の家で留守番する日は、私たちに内緒でお金をもらっていました。きっと読まれている人の中には「祖父母からお小遣いをもらうのはよくある話」と思う人も多いはず。私も祖母からもらっていましたが、上の子のお金のだらしなさ(計画性のなさ)は、私達夫婦の「常識」を超えるだらしなさでした。
 
とはいえ、親としては、そんな症状に関しても、病院に行くほどではないと思っていました。なぜかというと、学校生活に問題がなかったのです。

学力が真ん中ぐらいで運動神経(DCD(発達性協調運動障害)を知っていました)も良かったのです。

あと、気の合う友人もずっといて、小学5年生の時に、やんちゃな子にからかわれた時期があっても大事には至りませんでした。そもそも保育園も小学校も先生からは、「大人しい子」として受け入れられていたのと、係など頼まれた事はきちんとするので、日頃の行動面で指摘・注意を受けることがなかったのです。

だから、家庭生活のみ困っていました。

私としては「衝動性」「片付け」に加え、躾として大事な「挨拶」が出来ないことにモヤモヤしていました。病院に行ったときや、親戚の集りなどで挨拶をしないなどコミュニケーションを疎かにすることが、何年も続き、頭ごなしに怒ってしまったことがありました。周りからは「人見知りなだけじゃない?」と言われて、自分にそう言い聞かせるのですが、先ほどの「お金のだらしなさ」同様、定型発達の子供の「人見知り」とはなにかが違って黒い感情が溜まるのでした。

そして、「学習面」のガミガミです。
私は「得意と思ったことを伸ばして欲しい」ということ以外、学習方針については何もプランがなかったので、学生時代、コツコツと勉強のできた妻の方針に乗って教育をしていました。で、宿題や中間・期末の勉強を見守るのですが、与えられた以上をやらないのです。

どういうことかというと、自分で予習・復習をしません。学校の授業で使うノートを開いているところを見たこともありません。中間・期末でいえば、私達がテスト範囲の教材をコピーし、その日に勉強して欲しい範囲をクリアファイルにいれて渡します。で、上の子は、その用意した範囲以上は絶対に勉強をしないのです。

母には「過保護すぎる」とも言われましたが、私達が指示を出さなければ動かないし、努力は皆無。スポーツに関しても先生に「体操に関して素質があり、他の生徒の見本となっています」と褒められたことがあったのですが、特に頑張る様子もなく…。「やればできる」「努力は報われる」なんて言葉はいくつになっても届きません。

中学の中間・期末テストで、試しに、私達が何も準備をしないで挑ませたことがあったのですが、先延ばし癖が凄いので、私達が「勉強したら?」を繰り返し、語気が強くなるまで、重い腰をあげないのです。で、学校と塾から出された宿題のみをして終われば部屋に閉じこもりゲームかアニメに夢中(リビングで勉強をさせています)。自分で工夫することは皆無。学年順位はきちんと下がりました。

ただ、私達が用意して中間・期末に挑むときは、学年順位が真ん中ぐらいになるので、妻も私も「自主的に勉強するようになれば、もっと伸びるはず」と期待してしまうのでした。

あと、発達障害で勉強のできる知人を知っていたので、努力しない、計画性がない、先延ばし癖が酷いなどは、どうしても怠慢なんじゃないかと思ってしまうのでした。ちなみに、私も妻も夏休みの宿題を早めに終わらせるタイプだったことも、上の子の特性を理解するのに時間がかかった一因だと思っています。

そして、頭ごなしに怒ってしまうことが、中間・期末テストの度にあったので、私は、自分の感情を疑い始めるようになります。

⓵更年期障害になってしまったのではないか?

⓶親の介護の手伝いと子供2人の育児が重なり心身面に負担がかかっているのではないか?

⓷勉強に関してはパートナーの教育方法に乗っかっているだけで、私に信念がないから怒りっぽくなっているのかもしれない?

上の子に対する違和感と、この3つがぐるぐると頭の中をめぐり続ける中、ある時、下の子の場合、叱ることはあっても怒ったことがない自分に気付くのです。

上の子の場合、情緒的な関係を築くのが難しく、反省しているのかわからず、叱る時間が長引いていたのでした。毎回、黙り、こちらの問いに返さないことに腹を立てていたのです。上の子の気持ちを知りたい。会話のラリーがしたい。なんなら、笑いあいたい。(下の子は叱った後、大体、笑いあっています)なのに、それが出来た試しがない。表情も乏しく胸の内がわからない。その上、同じことを繰り返すので負のガスが溜まっていたのだと。

で、下の子が集団無視にあったことをきっかけに、中学生になっていた上の子も連れて心療内科へ行くことになります。(初診まで3か月待ちでした)2か月に1回ぐらいのペースでの通院を続けていく中で、問診やWISC-Ⅳなどの検査をすると、上の子も下の子も「ADHD」と診断されたのです。

親として申し訳ない気持ちになりました。

そして診断から数か月後、上の子が「人間関係に疲れたから、部活を辞めたい」と言ってきたときに、私自身、知識も増えていたこともあり「ASDを合併しているのでは?」と疑い始めます。私は、ASDに特化した本やYOUTUBEで学ぶようになり、心療内科でASDの診断をしてもらうと、先生から「障害と断定はできないが傾向がある」と言われました。けれども、まだ「ASDの傾向がある」だけでは、上の子の内面を理解するには、物足りない時期が続きました。

しばらくして、枝ちゃんねる、さなえ様の動画『ASD(受動型)の私の苦手な事』と『夫がカサンドラになった話』を観たとき、上の子の特性と似ていると思ったのです。「従順で大人しい」「自分の気持ちを言語化することが苦手」「興味関心がないことは努力することができない」など。上の子にも観てもらうと、「この気持ちわかる」と。上の子が自己主張できない理由、努力しない理由がやっとわかったのです。これまで怒ってしまったことを深く反省し平謝りしました。(受動型ASDは、ASDの中でも特殊で、周りが気づきにくいそうです)

上の子の取り扱い説明書を手に入れたようで、心が楽になりました。枝ちゃんねる、さなえ様、有難うございます!なんと言っても、それ以降、上の子との関係が柔らかくなったことが嬉しかったです。

それにしても、私達夫婦が、上の子のグレーゾーンを疑い、心療内科に通うまで7年、発達障害と診断されるまで8年もかかってしまいました。そして、サポートをする方法はまだまだ勉強が必要です。

私達夫婦にとって、上の子がはじめての子育て。

子供時代の自分達との比較や、学校で問題がなければいいという「普通」に囚われていた私たちにとって難易度が高かったです。

いま読んでくださっている親御さんの中にも、私達のように時間がかかってしまう方いらっしゃると思います。こんな言葉しか投げかけられませんが、本当に本当にお疲れ様です。


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