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ADHDの子にとって『かなしろにゃんこ。先生』の漫画は安全基地!

「発達障害」にまつわるテキストや書籍を読む中で、私の人生の指針となった考えがある。それは『「安全基地(居場所)」があればあるほど、心の平穏を保てる』という了見。
 
私が、フリーランスで、色々な人からお仕事をいただいて生活をしていることもあって、前田智行さん著「子どもの発達障害と二次障害の予防」に書かれてあった「安全基地を多くもつ子供は、レジリエンス(しなやかさ)が強くなる傾向があり、人生を生き抜く力を高めていく」という一文は、特に腹落ちした。
 
例えば、5つの基地(家庭・クラス・塾・オンライン仲間・習い事)で活動していたとする。そのうち、心の平穏を保てる安全基地が、家庭(大前提)ともう1つあれば、安全基地でない基地で自己肯定感が下がるような出来事にあっても、安全基地へ戻って肯定感を回復することができ、前へ進んでいくことができるというもの。苦手な基地だって、自分の考え方やスキルが磨かれていくなかで安全基地に変化していくことだってある。また、考え方が成長しても、変わらず苦手な基地のままならば、他に安全基地はあるので離れるという選択をとってもいいし、新たな基地を見つけることに取り掛かってもいいのだ。(もちろん親のサポートが大切)

 この学び以降、私は、上の子、下の子に、「いま安全基地はいくつあるだろうか?」ということを、頭の片隅に入れながら、ふたりの生活を見守っている。

そして、これは愚痴になってしまうが、いまの義務教育の内申点制度や速度重視などを、「安全基地」の考え方に賛同している身としては改正して欲しいと切に願っている。そもそも、大人だって毎日同じ場所に通っていたら、ギスギスするもの(部署間対立。社員同士のいざこざなど)。終身雇用制の時代は終わり、ウェルビーイングを謳う時代、毎日、何時間も同じ籠の中に放り込むことに疑問(違和感)を持ち、もう少し自由のある教育システムに変えるときが来たのではないでしょうか?(例えば、週1回、リモートで参加しても内申点に響かない制度など選択肢が増えるとか)

で!今回の本題。かなしろにゃんこ。先生の書籍が、下の子にとって安全基地のひとつという話。
 
特に、エッセイ漫画「発達障害 僕にはイラつく理由がある!」は下の子の愛読書。枕元に置いていて、ココロがつまずいたとき、貪るように読んでいる。

 かなしろにゃんこ。先生とADHDをもつ息子・リュウ太さんの日常を描いた漫画(専門家の監修付き)なのですが、下の子にっとて「おしゃべりが止まらない」「勉強に集中できない」「物をなくす」など、共感できるところがいっぱい。時には、自分とは違う点を笑いながら読んで、心を軽くしている。
 
このシリーズの魅力は、全て過去の話で、リュウ太さんが「当時どういう気持ちだったのか?」を、母親である、かなしろにゃんこ。先生が、リュウ太さんに聞いて、親の視点、子供の視点で検証している所。

ADHDの子供がぶつかる悩みに対して、親子で、どのようにして乗り越えてきたかを、ユーモアを交えながらわかりやすく描いていて、当事者である親子が勇気をもらえる構成になっている。(シンプルに面白い)

また、この作品が、下の子にとって安全基地となっている一番の理由は、リュウ太さんが、現在、夢だった車の整備士をされているというところ。

将来の夢がある下の子。好きな事を仕事に出来たリュウ太さんは最高の先輩!精神年齢が3分の2歳で、同級生との距離感に苦労している中、この本と出会えたことは、宝となりました。

かなしろにゃんこ。先生、編集担当の方、子供にとって【安全基地】となる素敵な本を作ってくださり、本当に有難うございます!


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