キミさえいなければ

同じような時間を何度も過ごした
秋の夜風に打たれながら
金木犀の匂いに満たされ
キミの話をしながら
ボクの話をしながら
ただ歩いた
一緒に丸い月を見て
その光に照らされるキミを見て
心が温まるのを感じながら
ただ歩いた
そんな時間も突然消えた

キミと歩いたあの道も
おれを満たしたあの匂いも
たくさん聞いた君の話も
明るく照らされた君の顔も
全てが
全てが
キミさえいなければ

初めて2人で遊びに行った
計画をしっかり立てて
キミが喜ぶ顔をただ見たくて
美味しいものを食べて
知らない場所を歩いて
手を繋いだ
カフェでくつろいで
公園でくつろいで
観覧車に乗って
キスをした
そんなことが痛みになった

キミとの思い出の場所も
キミと繋いだ手の感覚も
キミのはしゃいだあの顔も
唇に残った深い感触も
全てが
全てが
キミさえいなければ

キミさえいなければ
こんな苦しみも
こんな痛みも感じなかった
でも
キミがいなければ
こんな温もりも
輝くような時間も
全部を
全部を
僕は知らなかった

キミがくれた全ての光が
キミがくれた全ての言葉が
キミがくれた全ての出来事が
キミがくれた全ての感覚が
新しく
そして強い何かを
生んでくれたよ
こうやって
キミが僕の中にいるように
僕がキミの中にいたらいいのに