「先生になりたいっていう生徒」は…

 今の公立中等教育学校に来て1年と少しになりました。

いつにない”緊張感”

 ここで、「今までと最も異なることは何なのだろう」と考えていることがよくあります。それは、今までになく、緊張感を覚えているからです。これは、一つに、高校で改定された学習指導要領が本格的に導入されることになったからかもしれません。
 ずっと今までも、毎年4月は、人が入れ替わって、新しい学年が始まって、業務も入れ替わったりして、「大丈夫かなぁ」「何が起きるかなぁ」と不安でいっぱいなので「桜の季節はキライ」と思ってきました。とはいえ、今年は桜はほぼ終わっていましたが…今年は、昨年から勤務している学校の2年目、それなのに、昨年以上に緊張感をいうか何というか、抑圧感と言った方があっているような、そんな感覚になっています(この5月中旬の今でも同じ状況です)。

「先生になりたい」生徒は…

 3年前まで勤めていた私立の学校では、指導させていただいた生徒の希望を尋ねると、「先生になりたいんです」という声をよく聴きました。特に、担任や学年主任、長く教科指導に携わった学年では、そのような声をよく聴きました(20年前までには塾で教えてきた子どもたちにもたくさんいました)。そこで、なんでかな、と思って訊いてみると、「先生(ぼくだけではなく)をみていて」という返答がきたものでした。
 今の公立校では、「先生になりたい」という声は全く聞こえてきません。むしろ、その逆の声が聞こえてきます。これは哀しいことです。逆に言えば、それだけ、この勤務校でのこの業務がキツイということに生徒が気づいているということです。先生がそれだけのことをやってくれているということに、多くの生徒が気づいているということなのでしょう。先生方が、休みなく長時間にわたって働いていること、時間的な余裕がない、それだけではないでしょう。さまざまなプレッシャー、いろいろな業務、時間的制約、多くのことを同時に考え同時に処置していかなければならないこと、制度の変更、そしていわれなき要求(多方面から)……まだまだあります。その様子をよく観察しているということなのだと思います。そのような環境をそのままにしておいていいのでしょうか。

本当に…

 これは、学校内ですべてを処理できるものではありません。ぜひとも、もっと上の方で本気で考えてほしと思うところです。保護者の方や地域社会全体としても本気で考えてほしいと感じています。(ぼくは別にして)こんなに真摯に生徒と地域のために働いている先生が、ココにはたくさんいるのだから…


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