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一貫校がいい理由は…

さあ、明日は2月1日

 東京の中学入試の解禁日です。今年は、一段と中学受験者が増えているようです。それは、今回のコロナに対しての対処が私学において適切な動きをした学校が多くみられたと判断されたことが要因でしょう。しかし、実際には、今回のコロナへの対処は学校によって大きく差があったことは確認しておく必要があるでしょう。そこで……第一志望は1日に受験するものと一般的に考えられていますので、ある意味「明日が勝負」ということかもしれません。ところで、「中学受験をする」ということはどのような意味があるのでしょうか。そこを改めて考えてみたいと思います。とは、言いましても、「早いうちから学び始めていた方が有利だから」「エスカレーターに早く乗せた方が気持ち的に楽になれるから」…というような世間で言われていることではなく、他の視点から見ていきたいと思います。

「高校入試がない」

 これが、最も大きい効果だと思われます。「そんなの当り前じゃないか」と言われそうですが、ちょっと待ってください。この中身は……「高校は中学と違って入試に落ちたら行くところがないので、プレッシャーが強くてかわいそうだから」なんて回答は答えになっていないと考えています。そのような表面上のことではなく、ここを考えるヒントは、今回の大学入試改革にヒントがあります。

入試によって…

 高校の教育現場の方がよく言われてきたのは、「大学入試が変わらないと高校の教育は変わらない(変えられない)」ということでした。本当にそうなのだろうか(そんな言い訳をして変わろうとしないのは…)…というところを突っ込むことはできるのですが、そこへ進むと話がややこしくなるので、今回はこれを認めた上で、議論をすすめたいと思います。センター試験は「暗記中心」「テクニックで解ける」と言われてきましたが、高校入試はどうでしょうか。

高校入試は結果を出しやすい!

 もともと、公立の高校受験を中心とした塾で(教室責任者として、あるいは運営者として)教えてきた時から、どのように対処すればいいのか、最もわかりやすく効果(=合格実績)を出しやすいのが高校入試だとわかっていました。出題がそれぞれの都道府県ごとにパターン化していて、ポイントを絞って頻出事項と解き方の暗記をすることを指示、それが行き届きさえすれば、第一志望に全員合格するという状況でした。これは何を意味するのでしょうか。

「暗記することが勉強だ」

 そう、高校入試こそが、「暗記することが最も大切なことだ」と洗脳する機能を果たしてきたのです。中学1年生2年生の時は、まだじっくり考えたり熱心に話し合ってみたりする形で取り組んでいるのに、3年生になると…「何が出るのですか」「どこを覚えればいいのですか」という質問が当たり前になってしまいます。「ポイントを教えてください」これもよく聞く生徒の言葉です。教える側がポイントを教える…これは当たり前のように思うかもしれませんが、それを繰り返していくとどうなるでしょうか。ポイントのつかみ方を自分で身につけようとせず、つまり自分で何が大切なのかを自分で考えようとせずに、考える力がつかない人を育ててしまうことになるでしょう。このようなことを中学校や高校受験塾で行っているとしたら…子どもたちはどのように育つのでしょうか。さらに、そのような「勉強法」で合格すれば、当然その子たちは成功体験(高校合格)者として、その方法が「正しい方法」として、自分の身につくことになるでしょう。そして、それではこれからはダメだよ、と言っても(言われても)改善が難しいことは間違いありません。そして、それが何を意味しているのかは…

「真正の学び」をすすめるために…

 主体的な学び、対話的な学び、深い学び…をすすめるためには、そしてこれからの時代を生き抜く力をつけていくためには、上記にあるような「勉強」では難しいことはわかりきっていることです。そこで、そのような誤った「指向性」をもたないで済むように、これから求められる「力」を育むために、高校入試のない「中高一貫校」「中等教育学校」等へ志向するのは当然の流れと考えます。しかも、実際に、6年間を連続した教育期間として利用できるので、そこを考えて教育課程を創っている学校は優れた教育効果が期待できるということになります。いま、すでに本質的に新しい取り組みを始めている学校がいくつかあります。そのそれぞれが、途中で「従来型の勉強圧力」に屈することなく、生徒の可能性をじっくりと伸ばしていくことを期待するとともに、自分自身がそのような場で教育実践ができることを望んでいます。

次回は…

 「中学受験を目指す自分に合った塾選び」についてお話ししたいと思います。




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