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第1回共通テストを受けてきた…

 この16日、17日と初めての「大学入学者に係る大学入学共通テスト」(いわゆる共通テスト)を最大限受けられる形で全て受験してきました。

 昨年まで、10年以上センター試験を受けてきました。今までのセンター試験と比べてみて、タイムスケジュールも教科科目の設定の仕方も、そのセンター試験とほぼ同じ(数学①の時間が10分長くなったところだけが異なるだけ)でした。そのため、「また、あの苦痛な二日間が始まるのか」という暗い気持ちで初日の1教科(1科目)目が始まりました。ところが、ところが…

 一日目は、地理歴史、公民(世界史Bと現代社会)、国語、英語(筆記とリスニング)を受験しました。また、二日目は、理科①(物理基礎、化学基礎)、数学①(数学Ⅰ・数学A)、数学②(数学Ⅱ・数学B)、理科②(生物)と受験しました。

 1教科、1科目ごとの詳細の説明及び解説は、各科目の専門の先生方や予備校さんにお任せしたいと思います。ここでは、全体的に見えたことを書かせていただきます。

 どの教科も科目も、どの問いも、とても工夫された出題であり、問題文を読んでいて、問いを解いていて、愉しく感じられるものが多かったという印象をもちました。この気分は、昨年までの「センター試験」では全く感じられなかったものです。
 特に、暗記科目と思われてしまいがちな教科科目は、よく考えて作られているなぁと感じました。それほど細かい知識まで暗記していることは求められていないかわりに、しっかりと学んできたことじっくりと考えることを求めていることがよくわかります。普段からの学び方が重要であることを再確認できます(もっと考えられる時間があったらいいのだけれど…とも思うことがありましたが…)。そう、予想通り、英語の変化は大きかったです。しかし、それよりも、他教科科目、例えば…世界史は、初めの問題から、んん、と考えさせられる問題でした。生物はどれも……。最も変化を感じなかったのは、化学です。

 この変化は、よくありがちな「『どこが試験に出るのですか』『どこがポイントですか』のようなことを聞いて、それを覚えるような【勉強】方法は、全く方向違いである」ということを、出題者が示そうとしている、と感じました。
 このことは、当に、大学で学ぶためにどのような学び(方)が必要なのかを提示しようとしていると判断できます。すなわち、このテストは、「高校ので学習確認テスト(いわゆる卒業テスト)」ではなく、「大学で学ぶための試験である」ということを明示しているものなのでしょう。当にそれこそが、高大接続システム改革会議のなかで議論されてきたことであったと結びつきました。
 これからの社会で、これから(今)の世界で求められている力をこれから社会に出ていく若者たちに示そうとしているものと強く感じました。そして、この出題者の気概を感じ……同時にまた、これだけの問題を作成するのはとても苦労されたのではないかとも思いました。

 今回は、受験していて、今までになく受けている自分自身が、とてもいい学びになったと感じています。この気持ち、この肌感覚を、これからの教育実践の場で指導に活かしていきたいと思います。

 これまでは、周りの先生方に、「あなたのような人がふざけて受験しているのは受験生に迷惑だ」などと試験前や終了後に非難され笑われてきたものでした。それに比して、今回は、そのような反応は全くありませんでした。逆に、多くの方から激励をいただきました。現役の受験生といっしょに受験するという意義をわかっていただけるようになってきたものと感じます。ご理解いただき、ありがとうございます。

 次回は「なぜ受験をし続けてきたのか」あたりについてお伝えしたいと思います。

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