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【死語現禁】291.口減らし

(日:口+減らし)家計が苦しいので、家族の者を他へ奉公にやるなどして、養うべき人数を減らすこと。( 広辞苑第七版)

<用法>
家が貧しく、四郎は口減らしのために呉服問屋に丁稚にだされた。妹のミツは女衒に連れていかれてしまった。

<解説・思い出>
昔は貧富の差が現在以上に激しく、しかも貧しい家でも多産だったので、貧乏で子沢山という家が沢山ありました。

子供を育てるのが大変なので、お金を貰って子供を手放していました。そんな行為を、食べる口を減らすという意味で「口減らし」と呼んでいました。

口減らしされるのは、家督を継ぐ長男以外がほとんどだったのではないでしょうか。

第二次大戦後しばらくまで現実に行われていたと考えられるので、その頃までは見聞された言葉だと考えられます。

子供の数が減り、家督制度も廃止され、児童の権利も重要視されるようになり、また経済的にも豊かになって来て、現在では口減らしという行為はまず無いと考えられます。

子供は大切に手をかけて育てるのが当たり前になり、養育の義務もあるので、この言葉は現実性を失っています。

子供を増やすことが推奨されていますので、復権することもない言葉だと思います。

死語ランク:☆☆
☆☆・・・当時を知る人は知っていて、言った人に「古い人」という印象を持つレベル

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