"燈"あかり
善意、という言葉、あんまり目にしないなと僕は思います。
善意からの言葉だから(悪気があるわけじゃないんだよ)、とか、少しマイナスの場面で目にすることがあるかな…程度です。
でも、ここでは善意、が選ばれていて、それがとても綺麗だなと思います。
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タイトルからお気づきの方もいるかもしれませんが、歌詞のお話です。今期放送中のアニメ『呪術廻戦懐玉・玉折/渋谷事変』の前半、"懐玉・玉折"の部分のエンディング曲です。
崎山蒼志『燈』
以下、アニメのネタバレを含みます。
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この曲は、とある登場人物の目線で描かれていると思います。親友と同じ(真っ当な)道を歩んでいたはずなのに、途中から何かが崩れるように独特な(歪んだ)正義を掲げるようになって親友とは道を違える人物です。
自分と、親友が、命をかけて戦ったこと。そのときに親友を失ったかと思ったこと。そうしたことが小さなヒビとなり積み重なって、やがて思考が暗く沈んでしまう。
アニメでは尺の問題もあるでしょうし結構すんなりと(彼の"善意"は)"壊れて"しまうのですが、この曲があることでその過程に思いを馳せることができるし、ひとりの人物の物語として深みが増す気がして好きです。
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善意、という歌詞は、正義、ではあり得なかった、と僕は思います。
歪んだ正義、という言い回しがあるように、正義にはいくつもの見方がある。自分が正しいと思うものが正義なのだから。
ーー僕の善意が壊れていく前に 君に全部告げるべきだったーー
世界のために、他人のために戦ってきた、その、本来疑うはずもなかった戦う意義を、命を賭ける意義を、彼は疑うことになってしまった。
僕は、一度失ってしまったとさえ思った、親友のその存在が脅かされた瞬間に、彼の"善意"は崩れ始めたのだろうと思います。彼にとって、親友はそれほど大きな存在だったのだろうと想像します(こういうところが2次創作に活かされるわけですね…)。
だからやはり、彼から親友へ向けた曲として憂いや後悔を帯びているように思います。その一方で、壊れてもなお信頼だけは残り続けているというひとつの安堵のような、どこか優しい曲調でとある気がしています。
なんだか言葉の選び方も面白く、歌っていて楽しい曲でした。
ということで。
崎山蒼志さんは、「う」の発音をしっかりされる印象があります。「ー」と伸ばし棒で発音する人の多いところをしっかり歌われるので、僕もそれにならいました。
低音が出ないので原曲より高いキーで歌っています。
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最後までお読みいただきありがとうございます。
今日から今年も後半ですね。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
穏やかな夜になりますように。
最後まで読んでくださりありがとうございます。読んでくださったあなたの夜を掬う、言葉や音楽が、この世界のどこかにありますように。明日に明るい色があることを願います。どうか、良い一日を。