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せめて私は、それを大切にしたいんだ。

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2020年6月の記事一覧

愛想笑い

愛想笑い 何かを見つけたような気がして 僕は目を凝らした そうすればそうするほど また見失ってしまうのに 誰かの声が聞こえた気がして 僕は耳を澄ました そうすればそうするほど 空耳だったように思えてくるのに いつだって 手にしたそばからなくしてしまう 解りきった明日を描いた 僕自身を嘲笑うように 何度も何度も 軟らかな靴裏の感覚に戸惑って それでも 必死に浮かんでいるしかない このちっぽけな雲の上で 僕はどうやって立っているのか 空の飛び方も知らないのに それでも