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アンバサ飲むかい?

次男を出産したとき、夫の立ち会いは元々イヤだったし長男を預ける人もいなかったので夫にみてもらい、私は一人で陣痛室に入りました。陣痛の合間に本を読んでいたのでその姿を見た看護師さんが「本読んでる余裕があるならまだ大丈夫だね」と言い、本を読まなくなった私をみて「そろそろかな?」と判断していました。陣痛室には本だけ持って入り、他に飲み物など一切なく、夫も来ないし親は遠いし差し入れてくれる人もいない、私も特に何も感じていませんでした。

 いよいよ陣痛が本気になってきて、汗だくになってきたころ「飲み物ぐらい持ってくるべきだったなあ・・・・めっちゃ喉渇いた・・」と悶絶していました。

 ところで、カーテン越しのお隣の妊婦さんは初産らしく、お姑さんや旦那さんが甲斐甲斐しくお世話しているようでした。あれいるかい?これいるかい?と言ってもらっている中に「アンバサ飲むかい?」という一言が聞こえてきました。

 もう本当に喉が渇いてとにかくなんでもいいから飲みたい!と思っているさなか「アンバサ」の単語はしみました・・・アンバサ飲みたい・・・お隣の妊婦さんはお断りしていたので、ちょっとカーテン開けて「あなた飲む?」と言ってくれないかなあ・・と思ったりしている間に出産に至りました。

 元から好きだったけれど、その時から「アンバサ」を見かけると、当時の切実に飲みたい!欲が蘇ってきて、必ず購入します。

 後日談。次男にその時の話をしたので母がアンバサを切実に求めていることを知っています。それが、お隣の妊婦さんがらみの話だと言うことも。次男を出産した翌日にお隣の妊婦さんもご出産されたようで(1日がかり!)、要はうちの子とお隣のお子さんは同級生というわけです。

それから13年経ち、次男が中学生になったときに最初にお友達になった子がそのお隣で産まれたお子さんだということが判明しました。「あの!アンバサの子だよ!!!!」と興奮したことは言うまでもありません。

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