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10時間かけてうちの近所に行った話

現実から逃避するため、日ごろのストレスから解放されるため、
非日常に身をおきたい。
などなど旅には理由が必要なのかもしれないけれど私の場合は特にない。
ここが見たい!と思ったら見たい。
ただそれだけで旅にでます。
日常がストレスフリーなので、旅の方がストレスがあって
なにしに来たんだと思いがちだけど
「見たいとなったら見たい」「知りたいとなったら知りたい」
「欲しいと思ったら欲しい」なんだからしょうがない。

私の心の拠り所である映画「ロードオブザリング」。久しく見てなかったけれど、ふと思い出して「生きているうちにホビット村を見に行こう」と思いたったのが去年の春。
そういえば「見ないで死ぬかもしれん」と思って行った
サグラダファミリア。いまだに私が死ぬ気配はないから、ただ見に行っただけ。でも行ってほんとうによかった✨

3月末の1週間。大学生の長男と中2の長女と3人でNZに行ってきました。
行く前から「たぶん北海道に激似なんだろうな」「うちの周りの景色に
そっくり!!」って言ってそう・・・とは思いながら行きましたが・・・。
まさに「うちの周りの景色」そのまんまでした。

NZは北島と南島に分かれていて、北島のオークランド空港に到着後
南下するルートで旅をしました。
私が行きたかったのは北島にある「ホビット村」。
行きたいところの半分行ければいい、という気持ちで行くべし。と
旅行の達人である友人から言われたので「ホビットに行ければいいや」という気持ちで行きました。あとは子供らにそれぞれ行きたいところを言ってもらいその各所に寄りながらすすみました。
NZにいる間ほぼレンタカーで移動。
車に乗って景色を見るたびに「うちの近所にいるみたいなんだけど・・・」というセリフを何度呟いたかわかりません。
10時間かけて行った先が日ごろめっちゃ走っている道路と激似の、この
なんというかがっかり感というか「だよね・・・」感というか。
外国にいる感じゼロ。でした。
まあ、山が好きで、人がいない場所をより好む性質だから
今住んでいる場所に家を建てたぐらいで、NZは「自然がいっぱい!人より動物が多いかも?」みたいな国だって知ってて行ったわけですから
当然といえば当然か。

飛行機で南島に渡り、そこからはやっと外国情緒が漂い始めました。
あまりの車の運転のハードさ(総走行距離1400㎞)で、超心配性の長男と喧嘩して途中で口を聞かなくなったりしたけれどどうにか最終地のクイーンズタウンに到着。
クイーンズタウンは湖と山がある街でそれはそれは本当にステキな
街でした。
最後に着いた街でやっと「ここに来てよかった」とみんな言いました。
それほどうちの近所にいる感じが抜けなかった(笑)

その日、娘が選んだ食事メニューはラーメン・・・。
NZに来てまでラーメン???と思ったけれど
まあ気持ちはわかる。と、注文したらお店の女の子は日本人でした。
「旅行ですか?NZのごはん、めっちゃ高いですよねえ」と
話しかけてくれました。20歳ぐらいの若い女の子でした。
食事が終わった後「食器そのままでいいですよ」と言ってくれた
その女の子が、数年後の娘となんだか重なり
なんともかわいくなって、二言ぐらいしか言葉をかわさなかったけれど
手をぶんぶん振ってその場を後にしました。
年上のおばさんが手を振ったら、たいてい若い子は頭を下げるのだけど
その女の子は同じようにぶんぶん手を振ってくれました。

「ここに住みたい!」と思って帰ってきました。
でも当分車の運転はしたくないな・・・。


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