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小さな一歩

娘は3学期から登校すると言っていたものの、せいぜい週に1回、いや2週間に1回か?くらいの、しかも1,2時間ほどの登校で、まだまだ先は見えません。
長い目で見ると、真っ暗闇の自傷時期からゆっくり回復し、明るくなり、友達とも外出しているし、たまにではあるものの登校しているんだし、いいペースできているんじゃないかと自分に言い聞かせる毎日です。
そして娘とは、毎日の日課を一緒にチェックし、出られそうな授業やイベントなどを探っています。
私の仕事は、毎日「明日の日課を確認した?」と娘に聞くことです。
もし本人が出られるかもしれない教科があるなら、準備だけしておくようにそれとなく促し、送迎が必要か、可能な範囲で協力体制を整えます。
堪えるのは、不登校あるあるの「行く」と言って行かないパターンです。
いくら想定していても、期待しないようにしていても、行くと言っている以上、やっぱり気持ちが乱れます。
私は夫に愚痴って娘の前では平常心を保つよう心掛けました。

ほどなくして担任から電話がかかってきました。
進級へ向けて、1度校長先生と面談をするとのこと。

なるほどなるほど。
中学生では基本的に進級も卒業もできると聞いておりますが
一応手順を踏まねばならぬということでしょうか。

案の定娘は嫌そうな顔をしましたが、仕方ないと割り切ったようでした。
そこで、近々受けるカウンセリングの日に面談を設定してもらうことにしました。

当日娘はぶつぶつ言いながらも、着替えて一緒にでかけることが出来ました。
まずはカウンセリングです。
カウンセラーさんにはちょっとずつ慣れてきているように思います。
相変わらずほとんどしゃべりませんが、カウンセリングではプレッシャーを与えられることがないので、娘もそれほど嫌がりません。
今回は少し私が席を外す場面があったのですが、その間カウンセラーさんの質問に応答していたようです。一時は私の袖をつかみ、背中に隠れ、後追いが激しく(笑)それを思うと成長著しいです。

問題は校長先生との面談です。

校長先生や担任の先生の、「なるべく毎日出れたらいいね」というやさしいプレッシャーは、娘にはメガトンパンチ。日々、「小さな一歩」を探り探り歩む娘にとっては、それは一歩を諦め、うずくまってしまうに十分なプレッシャーです。

しかし、ではまったくプレッシャーをかけないのが正解なのか?
「明日は学校にくる?」という友達の一言だってプレッシャーになります。
楽しく学校生活を送っているシーンをテレビなどで見てしまうのだって、プレッシャーです。
親が心配したり、不安そうにしたり、送迎の為に会社に遅刻したり早退したりするのもプレッシャーです。

ではどうしたらいいのか?

娘は不安に陥りやすい特性で、刺激に敏感で、考えすぎ、気にしすぎ、おまけに思春期。
これは、いい年をしたおばさんになった自分を顧みれば明らか。

経験を積むしかありません。

結局娘に一番プレッシャーをかけているのは、娘自身なのだと思います。
そうです! 私じゃないぞ! たぶん。

私は今、何度目かの本気で、学校には行かなくていい。と思っています。
かわいい娘をやさしく強く育てるために、たくさんの経験が必要で、たくさんの人との出会いが必要で、たくさんの勉強が必要で、そしてそれは別に学校でなくてもいいのだと強く強く感じているからです。
娘が娘の特性を持って、社会の一員として助け合いながら生きていくための知識や技術を学べるなら、どこだっていい!

どこだっていいんだけど!!

どこ??


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