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自転車で東京から名古屋まで旅してきた。

前置き

この記事は2019年8月11日にコミックマーケット96にて頒布したコピー本
「自転車で東京から名古屋まで旅してきた。」
の内容を再編集したものです。
本は400円で販売しておりましたので、今回noteでも実験的に有料公開いたします。(途中までは無料で読めます)



以前、私ノビタのAmebaブログにて「ママチャリで旅してきた」という内容の記事を2018年6月18日に書かせていただきました。

(↑ぜひこちらを先に読んでから読んでね)
タイトル通りママチャリに乗って東京から静岡県の駿河辺りまでの約150キロを旅したのですが、今回はその話の続きです。


その時もママチャリで東京から名古屋まで走破したかったのですが、残念ながら途中で断念してしまったのでそのリベンジといいますか、
「ママチャリでは正直キツかったけどロードバイクなら行けるっしょ!」
という安直な理由で2018年10月に自転車旅を再度行ったので、その時の事を思い出してレポートしたいと思います。



いざ、自転車旅へ~初日

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そもそもの話を最初からいたしますと…
2017年の夏頃から友達に薦められて始めたスマホアプリの位置情報を利用したゲーム「ステーションメモリーズ!(駅メモ!)」というゲームにハマってしまいまして、

(↑ステーションメモリーズ!公式サイト)

その後自身のバンドの解散などもあり、その傷心からの現実逃避や心のリハビリという意味も大いにあったと思うのですが、日本中を旅する事にのめり込み、あっちこっちと色んな場所をゲーム片手に巡っていたのです。

そんな折に駅メモの公式コミカライズの連載が始まりまして、その漫画にもとにかくハマっていたのですが、
その作者である漫画家のくみちょう先生が同人誌として出されていた「引きこもり漫画家一週間自転車旅日記」という漫画にも興味を引かれて読んでみたところ…これがまたとてつもなく面白かったのです。

(↑それがこちら。pixivのサイトで第一話が無料で読めますのでまずはそちらをぜひ!)

そんなきっかけで自分も「自転車で旅がしてみたい!」と強く思うようになりまして、それから一ヶ月も経たない内に無謀にもママチャリで旅に出てみたのでした。
が、この漫画内にも出てきた静岡の駿河健康ランド辺りまで到達したものの無念にもそこで断念。リベンジを誓った訳であります。


そしてそこから数ヶ月。
流石にママチャリでまた旅するのは無謀だと学習したので、とりあえずロードバイクを購入(とはいえケチって3万円くらいの安いやつ)
その他オプションで荷台を付けたりスピードメーターを付けたり色々買って5万円強を投資。
個人的には大枚はたいた!という高揚した気分でウキウキと準備を行い、夏が終わって少し涼しくなった10月に再び出発しました。
前回のママチャリ旅では一日に50キロくらいしか走れず、初日は東京の我が家から厚木までしか進めなかったのですが、今回はロードバイクなのでスピードがかなり違います。
初めて乗るロードバイク。まだ運転に慣れていなかったので最初はビビりビビりでしたが、慣れれば平らな道で時速20~25キロくらいは出せました(多分ちゃんとロードバイクに乗ってる人と比べたら遅いのだろうけど、まあ普段運動不足の引きこもりなので…)
それでもママチャリと比べれば圧倒的なスピードです。

前回は初日の夕方に到着していた神奈川県にも昼には到着。時間に余裕があったのでのんびりと昼飯を食べる事ができました。

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(通り道に叙々苑があったので、旅の成功を祈って優雅に焼肉とクッパでランチ。基本、旅では飯代をケチらないというスタンスです)

昼飯を食べた後は座間や海老名、相模川をサーっと通り抜け、ママチャリ旅では初日に泊まった厚木も昼過ぎには通り過ぎ、そのまま伊勢原方面へ。

ちなみに、前回はGooGle Mapsのアプリのみを頼って運転していたのですが、自転車の旅向けにはもちろん作られていないので、めちゃくちゃな坂道を登らされたり山道を通ったり…など酷い目に遭いました。
なので今回は自転車ナビというアプリを導入。これは自転車用の地図アプリなので、目的地まで自転車が走りやすい道を選んでくれるのです(自転車屋さんがアプリを教えてくれた)。
おかげで前回通った、よみうりランドの横のとてつもなく急勾配な山道を迂回するコースを選んでくれたり、初日からとても役に立ってくれました。

そして伊勢原方面から、御殿場方面へ向かう246号線へ。伊勢原~秦野辺りの道はどう頑張ってもゆるやかな上り坂です。ママチャリじゃなくてロードバイクなんだから少しは坂道も楽だろう…と高を括ってましたが、そんなことはなく坂道は相変わらずのしんどさ。仕方なく自転車を降りて押して進みました。

静岡方面へは1号線を使う海沿いのルートもあるのですが、前回ママチャリでつらかったルートがロードバイクだとどれくらい楽になるのか、能力差を試してみたかったのと(結局は上記の通り大差なかった…)、山北町辺りの美しい景色をもう一度見たかったのと、あと、まあこれが一番の理由でしたが、丁度この時、駅メモの神奈川県足柄地域のデジタルスタンプラリーイベントをやっていたので、この辺りを通れば合わせてチェックインもできると思いこの道を選びました(笑)。

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(そのイベントのポスター。ちゃんと駅に掲示してあったのを見つけた時は感動!)

そんなこんなでチェックポイントの一つである、中井町の「なかい里町まちCAFE」へ向かう為に246号線を左折。元々この辺りはよく知らない場所ですが、さらに訳のわからない道へと入っていきます。
そして続く続く山道…そうです、なかい里町まちCAFEは大きな公園内にあるカフェなのですが、ここは元々自転車で来る人なんて想定していないのでしょう、上り坂の連続で初日にしてすでに筋肉は悲鳴をあげ始めました…。
さらに、目的地に着いたのはいいとしてすでに周りは薄暗くなっており、17時を過ぎて店もすでに閉店しており休憩もできません。
そして次なる最寄のチェックイン施設であるBIOTOPIAという場所へ向かうも、もはや回りは山、山、山。
街灯もほとんど付いていない道はもう暗黒世界と言って良いほど暗く、ひたすらの上り坂も相まって、正直この時ばかりは心が折れそうになりました…
そんな中自分を励まし励ましなんとかBIOTOPIAに到着したものの、もちろんお店はやっておらず駐車場の明かりだけがポツンと灯っていました。
そしてこのタイミングでまさかの雨。
泣きたいのはこっちだよ!と叫びそうになるのを必死にこらえながら時計を見るとすでに18時半。
と、ここであることに気が付きます。
「やばい、今夜の宿を取ってない」
と。
都会ならともかく、こんな山の中で宿無しになってしまったら死ぬかもしれない…という恐怖が頭をよぎり、雨が降る中必死にスマホで検索をかけ、宿を探しました。
そしてようやく予約できたのが秦野駅の近くにある、宿泊もできるスーパー銭湯の様な施設「はだの・湯河原温泉万葉の湯」。
よかったよかったと思いつつも、ここ、今の場所から数駅も戻らないといけない割と遠い場所だったのです…
流石に今から自転車でそこへ向かうのは肉体的にも精神的にもキツいと思ったので一番最寄の駅まで自転車で向かい、そこに自転車を置いて電車で向かうことにしました。
BIOTOPIA前から真っ暗な山道を今度は下り、ようやく最寄の相模金子駅に着いたのが20時過ぎ。運よく駅前に駐輪場があったので、そこで荷台に括りつけていた大きな荷物を下ろし、両手で抱えながら電車に乗りました。
「電車ってなんて頼もしいんだろう…」
と文明の利器に感謝しながら秦野駅に辿り着き、予約した万葉の湯へ。
温泉につかって癒され、食堂でカツ丼の美味さに感動し、泥に飲み込まれていくように初日の夜は眠りました。

画像4(この看板の明るさに泣いた)




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