ゴジラ　現る

新作映画のゴジラ

　ゴジラー１．０を観てきました。
前回の朝ドラで主人公を演じた神木隆之介と浜辺美波が主人公のこの映画。
観る人のハートを揺さぶる人間ドラマになっていたので、驚きました。

　すべてのゴジラ映画を観てきた私。

　古くは、僕が生まれる前の１９５４年に封切られた初代ゴジラでは、原爆で巨大化した謎の巨大生物として、人間の身勝手な行為で自然界を変えてしまったことへの反省が描かれていました。
その後は、モスラやキングギドラなどの怪獣たちが登場して、子供向けの娯楽映画になっていました。
　ハリウッドのゴジラシリーズでは、色々な怪獣ありきで、それらをゴジラがやっつけるか服従させるかを描いた、スペクタクルでした。
渡辺謙が主演をしたり、それぞれに人間模様を織り込んでいましたので、それなりの感動を得ました。

破壊の追い打ち？

　そして今回の舞台は、終戦直後の日本にゴジラが現れた、という時代背景でした。
終戦で焼け野原になった東京に、追い打ちをかけるゴジラの脅威、、、
ゼロになった上に破壊が進むことを「ー１．０」と題したのでしょう。
終戦直後に、ようやく生活を取り戻そうとしたときに突然現れた巨大怪獣の破壊行為に、日本人が心を折られたことは間違いなかったでしょう。

描かれた想い

　しかし、その裏に描かれていた人間模様は、戦争を戦ってきた男たちが心に刻んだ後悔や懺悔の想いを払拭するために、考え、作戦を練り、必死になってゴジラと戦うものでした。
　大戦での戦い、怪獣との戦い、背景は違えども、背後に残してきた家族を守るために死を覚悟しながら心を奮い立たせている姿が描かれていたのでした。　

誰一人として悪者がいない

　そんな映画を初めて観ました。
人間は弱いのですが、だからこそ助け合って生き抜くことをあきらめないのだと、しっかりとメッセージを受け取りました。
　怖いだけの怪獣映画だと観られない人もいますが、人間ドラマとしても秀作であることは、やがて高く評価されるでしょう。