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異世界魔王ライフ、第19話。魔王城、地下迷宮探索(中編)

(前回までのあらすじ)

女神の策略により、異世界転生魔王な俺。
色々あって、(1~18話参照)
魔王城に帰還した。魔王様御一行。

しかし、長旅の疲れからか、
アルファ(以下α)と、ベータ(以下β)が、
魔王病という、今では、治療出来ない病気に、
かかってしまった。

シグマ(以下∑)の提案により、
魔王城の地下迷宮に、ひとりで、
伝説の野草、マンドラゴラを、探す事になった。

待ってろよ!アルファ、ベータ。
必ず、助けてやるからな!!

…………魔王城、地下迷宮入口…………

∑「では、これより、地下迷宮の封印をとく!
特殊能力、『消え去る者』!!」

シグマの消え去る者が、
地下迷宮の封印を解いた。

∑「これで良し。……キール殿。」

キール(以下俺)『なんだ?シグマ?。』

∑「前回、話しした通り、
魔王様一人だけの、探索になりますんじゃ。
それに、約束事が、3つあるんじゃ。」

俺『3つ?なんだ?』

∑「ひとつ、地下迷宮の内容は、他言無用で。」

俺『まぁ、魔王以外、未開の迷宮だから、
それは仕方ないか。』

∑「ふたつ、己の力のみで、地下迷宮をクリアする事。」

俺『まぁ俺、一人で行くんだからな。
そりゃあ、そうなるだろうな。』

∑「みっつ、汝(なんじ)、
力に溺(おぼ)れるなかれ。困ったら、頭を使え」

俺『力に頼らず、知恵とか使って、突破しろって事か。むしろ、そっちの方が得意だ。』

∑「以上じゃ。何か、質問あるかの?」

俺『んじゃ、マンドラゴラの、生息予想地。
それと、俺の特殊能力や、チートスキルは、
俺の力、って事で、大丈夫って事だよな?』

∑「ふむ。マンドラゴラの生息地は、
おそらく、地下迷宮の最奥部じゃろう。
地下に、行けば行くほど、
濃密な、カルマが溜まるからのぅ。」

∑「それと、キール様の、
特殊能力や、チートスキルは、
魔王様の力なので、問題無しじゃ。」

俺『分かった。
とにかく地下に、向かえば、良いんだな。』

∑「その通りですじゃ。
寄り道せず、
ひたすら、最奥部に向かえば、よろしいかと。」

俺『俺が、最奥部に、たどり着いたとして、
帰りに、力尽きたら、どうする?』

∑「帰ってくるまでが、遠足……。
と、言いたい所じゃが、
ここは、魔王様の、試練の迷宮。
これを、持って行くと良い。」

シグマは、丸い玉を、俺に渡した。

∑「コレは、命の玉。
もし、力尽きた時は、コレが割れて、
この場所に、戻ってくるんじゃ。」

俺『なるほど、便利な道具だな。
一応、貰っとくよ。』

俺は、丸い玉を、懐(ふところ)に閉まった。

俺『んじゃ、行ってくるよ。(ง •̀_•́)ง
アルファと、ベータの、看病をよろしくな。』

∑「アルファと、ベータは、
ガンマ(以下γ)と、レディ殿(以下女神)が、
見ておる。安心して、行ってくるがよい!!」

俺『分かった。後は、頼むな。』

俺は一人、魔王城の地下迷宮に、入って行った。


…………魔王城、地下迷宮。1F………………

俺『やっぱり暗いかぁ……。
いかにも、迷宮って感じだな。』

そこは、ジメジメムシムシした、
真っ暗な、所だった。

俺『昔の俺なら、行かなかっただろうなぁ。
でも、今は違う!チートスキル『暗視』
『オートマッピング』『気配消し』『危機察知』』

これまで暗かった迷宮が、見える様になった。
さらに、オートマッピングで、現在地が分かり、
気配消しで、敵から襲われる事は、ほぼ無い。
しかも、危機察知で、ワナを手前で見抜ける。

俺『本来なら、
敵を、倒しながら、進むんだろうけど……。
そんなヒマ無いんだよね。最深部を目指そう。』

俺は、自分に、気合いを入れると、

俺『んじゃ、サクサク行きますか……。』

俺は、ひたすら階段を降り、最奥部に向かった。

…………地下迷宮。階段。…………

俺は、ひたすら、階段を降りていた。
が、なかなか、次の階につかない。

俺『うん?なんか、おかしいな?
オートマッピングで、確認してみるか。』

すると、俺は、まだ1Fにいる事になっている。

俺『って事は……。
この階段が、ループしてるか、ワナって事だな。
よし、戻ってみるか。』

俺は、階段を登った。
そして、何やら、広い場所にたどり着いた。

オートマッピング上でも、2Fになってる。

なるほどな。幼稚(ようち)なトラップだったな。
深層心理で、
最深部=地下深く。って思い込むからな。
普通なら。ただ、今回は、相手が悪かったな。

……さて2Fは、っと。
なんか、宝箱が、目の前をズラッと並んで、
奥まで続いてる道と、何も無い道に別れてる。

俺の目的は、マンドラゴラの、採集のみ。
他の宝箱には、興味が無い。
おそらく、コレは、宝箱を欲しがる人への、
トラップだろう。過ぎた欲は、身を滅ぼす。

俺は、何も無い道を、ひたすら進んだ。


…………地下迷宮。3F………………

どうやら、さっきのは、正解だったみたいだな。
次の問題は……。
どうやら、土で作った、複雑な迷路のようだ。
しかも、次の階段まで近いのに、迷路のせいで、遠回りか……。

……なるほどね。そういう事か。
俺は、次の階段に行った。

…………地下迷宮。4F…………

ここまでは、ほぼ順調か……。
さっきの迷宮の攻略?簡単な事だよ。
俺は、土壁を掘って、ショートカットした。
ただ、それだけだよ。

ズルい?そんな事は、無い。
頭を使って、攻略しただけ、だからな。
無駄な時間と、労力を、使いたくない。
これが、めんどくさい(´ε`;)の極(きわ)みよ。

さて、そんな事を、考えながら歩いてると、
4Fの最奥まで来たみたいだ。

扉の手前では、
どっかで、見た事がある像が、
鎮座(ちんざ)していた。

その像は、口を開いた。

像「知恵ある者よ。汝(なんじ)に問う。
朝は、四本足。
昼は、二本足。
夕方は、三本足。
この生き物と、理由を述べよ。」

なるほどな。
やっぱりコイツは、スフィンクスか。
で、この質問は、有名な奴だ。

俺は、速攻で答えた。

像「正解だ。知恵ある者よ。奥に進むがよい。」

俺は、難なく、次の階に進んだ。


…………地下迷宮。5F………………

さて、次は、なんだろうな?
ん?さっきの問題の答えと、理由か?
それは簡単だよ。

答えは「人間」。
理由は、1日を一生と考え、
朝は、赤ちゃんだから、四本足。
昼は、成人だから、二本足。
夕方は、老人が杖ついて、三本足。
って理由だ。

誰だよ。怪我すれば、三本足になるとか、
車椅子なら、ゼロ本足とか言ってる奴は。
コレは、かな~り、昔に作られた有名な、
謎かけだから、俺に文句言っても、仕方ないぞ。


次の門番は、
小さい子供を人質にして、
俺に、威嚇(いかく)しているな。

なんつーか……。さっきの問題といい、
ベタベタな展開ばかりだなぁ。
作者のボキャブラリーのなさだな。こりゃあ。

きぃえぁ『(`Д´)´,·.·`ハックション!!!』

門番「これ以上進んだら、この子供を殺す!!」

なんつー。ベタな敵キャラだ。
特殊能力で、やっつけるか……。
いや。子供に、被害がくるな。
ここは、相手を、なだめるか。

俺『分かった分かった。これ以上は、進まない。
だから、子供を離せよ。』

門番「うるせー!俺に指図するんじゃねぇ!!
特殊能力『バインド』!!」

しまった!!身動きが取れなくなった!!
ただ、かろうじて、下半身は動く。
まだ一応、立っては、居られるな。

門番「おいおい、
さっきまでの、威勢はどうした?
なぁ、兄さんよォ~。」

門番が、俺に近づいて来た。
どうする?蹴り上げるか?
いや、相手は鎧を着ている。蹴りは通用しない。
と、なると、無防備なのは、頭かぁ……。
かかと落としとか、使えないしなぁ……。
となると、最終手段は、コレしか無いかぁ……。
本当に、やりたくないなぁ……。

門番「なんだ兄さん、
この状態で、俺とやれんのか、あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ん!」

門番の顔が、俺のスグ近くまで来た。
勝負は1回。避けられたら負けだ。

門番「どうなんだよ!ア゙ア゙ア゙……。」

俺『喰らえ!!!』

俺は、下半身に力を入れ、しゃがみ……。
そして、門番の顔面に、ヘッドバットした!!

門番「( ゚∀゚)・∵. グハッ!!」

よし、門番に、クリティカルヒットした!!
そのスキに、子供は逃げて。
俺は、ひたすら、その場で、
のたうち回っていた。

俺『いっで~~~~!!!
頭を使え、って言ってたけど、
意味が違うだろ!意味が!!』

物理的に、頭を使うなんて、聞いてないゾ!!

俺が、頭の痛みに、涙が出そうになってる時、
門番が立ち上がった。

やばい。このままだと、やられる。

そう思ってたんだが、門番は、口を開いて、

門番「よく分かりましたね。勇気のある者よ。
あなたの、子供を助ける勇気。
最後まで、諦めない勇気。
あなたを、認めましょう。
さぁ、最終の間に行きなさい。」

そう言うと、俺は、光に包まれ、
地下迷宮の、最深部に、到達した。

後編に続く……。


19話 終 制作・著作  ━━━━━    きぃえぁ

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