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「Tick Tock: A Tale for Two」を遊んでみた〜ひとりで過ごすふたりの時間〜

以下、内容についてのネタバレは含んでいないつもりですが「それすら聞きたくなかった……!」と言われても困るので自己責任で読み進めて頂ければと思います。

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本項で紹介する「Tick Tock: A Tale for Two」は2019年12月5日に日本語版がリリースされた謎解きゲームです。Nintendo Switch、Steamで620円、App Storeで370円、Google Playで430円になります。

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それが何故リリースから少しばかり経った今になってちょっとした話題になり、私自身も手に取ってしまったのかと言えば、本作の特徴が、今、私たちの置かれている環境にマッチしているからです。

その特徴とは「ふたりで別々の画面を見ながらひとつの物語に挑む」ことであり、通話さえできれば、ステイホームしながらそれぞれの端末でプレイすることができるのです。足並み揃えて進めていくことになりますが「同時に押せ!」という類の仕掛けがあるわけではないので接続を同期させる必要はありません。

プレイヤーはゲーム開始時に、プレイヤー1とプレイヤー2のどちらかを選択します。当然ですが、ふたりが同じプレイヤーになっても誰も得をしないので、おとなしく別々のプレイヤーを選択しましょう。

片側だけで進めると、どうしても情報が足りずに行き詰まります。例えばプレイヤー1担当の画面に金庫が置いてあり、いかにも金庫を開ければ中から何かが出てきそうなのに開ける方法がわからないといった状況です。そこでプレイヤー2担当に「何か金庫あるんだけど?」と聞いてみると「金庫はないけど何か番号が書いた紙切れがあるよ」と金庫を開けるための手掛かりを得ることができたりします。このように双方の状況と情報を逐一共有することで物語が進んでいくのです。

通話のみでのプレイは謎解きの技量と共に、音声コミュニケーションの技量も試されます。感覚としては電話で道案内をしている状況に近いと思いました。謎が解けたときの喜びと共に、言いたいことが伝わったときの喜びも味わうことができます。

プレイ時間は2〜3時間といったところでしょうか。謎解きに対する慣れ不慣れでプレイ時間は大きく変わると思われます。もしも時間が許すのであれば、クリア後に自分がプレイヤーとして選択しなかった側で再プレイすることを強くオススメします。両方をプレイすることにより、相手が自分に頑張って言葉で伝えてくれようとしていた場面の全貌を知ることができ、また、物語に対する理解も深めることができます。再プレイはすでに謎解きの答えがわかっているので10〜30分でサクサク進めることができました。

ゲームの評価を見てみると物語の細部が不明瞭であることをマイナス点として挙げている方をちらほら見受けましたが、私としては行間に対する考察や妄想の捗るプラス点でしかなく、個々の好みの問題と言えそうです。

(スマホなら)ワンコイン以下で手軽に遊べる謎解きゲームとして、とてもよく出来た作品だと思います。まだまだ迂闊に人に会えない日々が続いている今だからこそ、ひとりでふたりの時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。

そういえば最近、リアル脱出ゲームでお馴染みのSCRAPから似たようなコンセプトのリモート通信脱出ゲーム「ある2つの通信基地からの脱出」が発売されました。これもキニナル。

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初めてオンラインリアル脱出ゲームで遊んだ話。

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