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ライブイベントの感染症対策で元に戻ってほしいものと戻らず続けてほしいもの。

未だ予断は許さないものの、感染者数が落ち着き、流行前の日常が戻りつつある今日この頃。一時は全面的に開催中止を余儀なくされたライブイベントも、たくさんの人たちの努力と工夫によって元に戻りつつあります。いや、ある部分においては進化を遂げたと言ってもいいんじゃないでしょうか。感染症流行と戦うためにとられた様々な対策のうち、元に戻ってほしいものと戻らずこのまま続けてほしいものをまとめてみました。

レギュレーションはライブイベントによって三者三様。今回あげた対策は私の体験に基づく私個人の感想である点はご承知おき頂ければと思います。

電子チケット導入:○
これまで普及が望まれながらも、なかなか実現されませんでしたが、密回避や非接触などを推奨するため一気に普及しました。コンビニで発券する手間も省けますし、入場もスムーズです。たまにハプニングも起きますが、顔認証と合わせるとチケットの転売対策にもなります。結果的に正攻法で行きたい人が行きやすい環境にもなったんじゃないでしょうか。反面、棚ぼたで行ける機会は減ったけど。たまに紙チケットの公演があると家に忘れそうになるのが玉に瑕。もうカラダはすっかり電子チケットに慣らされているんだ……ッ! リセール機能に対応してくれる公演が増えると尚よしだと思います。

有料生配信:○
観客数や移動の制限で会場に来れないファンがたくさんいるし、かといって映画館でのライブビューイングもできないし、で一気に普及しました。動機はライブビューイングの代替のように思いますが、提供される価値はライブビューイングと異なります。まず、家でダラダラと見ることができます。お酒も飲めます。最高。次に、だいたいはアーカイブ機能があるので、何度でも見直すことができます。会場参加した後に有料配信で見返すのもあり。さらに比較的安価でお出かけの必要がないので普段は馴染みのないコンテンツにも気軽に触れることができます。底なし沼はそこらにある。一方で、有料配信にはないライブビューイングの価値のひとつは「大画面で他の観客と一体感を味わえる」だと思っています。しかしこれだけでライブビューイングにより戻すかと言われるとそこは疑問で、両立させることはあっても有料生配信がなくなることはないんじゃないでしょうか。

という話をしている間にライブビューイング復活の試金石になるかもしれないし、ならないかもしれないイベントが発表されていました。思い出せ! 映画館でのライブ体験を……! これはライブビューイング云々より最新シリーズから入ったファンに同時展開されている他シリーズに触れてもらおうという色合いが強そうです。

規制入退場:○
入場時間を分散させたり、退場でエリアごとに呼び出したり。入退場が随分と楽になりました。規制退場は以前から推奨されていましたが、少しでも早く帰りたい多くの人が守らないのであまり機能していませんでした。それが感染対策という名目で強制されることに。エスカレーターなどを思い浮かべて頂ければわかるように、少しくらい早く出たところで、どこかがボトルネックになって止まります。溜まります。だったら会場内で余韻に浸っていてもいいじゃない。「ボトルネックで待つか会場内で待つかの違いでしかない場合が多い」ことを多くの人が経験的に学んだと思われるので今後も規制退場は定着するんじゃないかと思います。観客数の制限の影響も大きかったと思いますが、退場後のメットライフドーム前のガラガラの光景が未だに信じられません。

会場受取事前物販:○
物販待機の密回避策のひとつ。事前にウェブで注文と会計を済ませておいて会場では指定時間に受け取るだけ! 受け取るだけなのでほとんど待機する必要はありません。便利。また、事前物販だと600円くらい送料がかかてしまうので、そのぶんの節約もできます。と思っていたら2500円以上購入の罠があり、1800円の商品だけが欲しかった私は頭を抱えたのでした。

検温必須:○
熱が出てたら会場に来るなよと言うのは当たり前の話ですが、せっかく握ったチケットを無駄にしてしまうことを考えると葛藤する気持ちはわからなくもありません。でも来るなよ。世界的な感染症の流行以前からインフルエンザのイベント会場パンデミック問題がありました。検温があれば葛藤する必要もなく潔く諦めがつき、正しい判断ができるのではと思います。日頃から健康には気をつけましょう。

トロッコのアクリル板:〇
会場のアリーナを駆け巡るトロッコ。飛沫防止の観点からアクリル板が設置されるようになりました。透明とはいえ照明などの反射がちらついて気が散ってしまうのは難点です。一方で、不可侵の壁ができたことでファンとキャストがうっかり接触してしまうリスクが限りなくゼロになったからか、スタンド最前列が手を伸ばせば触れられてしまうんじゃないかという近距離をトロッコが走ってくれて、ある公演ではとてもいい思いをすることができました。メインステージとアリーナ最前列の距離より近かったのでは?? メリットとデメリットを天秤にかけると、メリットのほうが大きいように思います。なぜか滅多にアリーナを引けない私は特にね!

声出し禁止:△
一緒に歌ったり声を出して応援したい時もありますが、声を出さない応援にも慣れてきたので、どちらでもいいというのが正直なところです。声を出せていた時のTPOを弁えない奇声が苦手だったので、それらがないのは心地よいとすら思っています。無音を楽しむ空間を正しく無音で楽しめるのもよき……あれ、私、どちらかと言えば声出せなくてもいい派なのでは?

銀テープ発射自重:△
アンコールのラスサビあたりでバーン! と飛び出す銀テープの発射音を聞かなくなって久しいです。ライブイベントに通っていると、ある楽曲を聞いているだけで銀テ音の空耳が聞こえる経験があるんじゃないでしょうか。私が主に参加しているコンテンツだと、銀テープにキャストメッセージが印字されているため、かつては銀テープが発射されるとファンが席を離れて駆け寄って取り合うなどの問題が起こっていました。密です。そのまま大切にしてくれればまだしも、フリマサイトでの取引もありました。私は悲しい。銀テ演出自体は盛り上がって大好きなので、発射するのは取引価値のない(現地で発射されたものか証明できない)無地にして、メッセージはグッズの購入特典にするとか、これを機にもう少し健全な方向にシフトしてもいいんじゃないかなと思っています。

プレゼントボックス廃止:△
キャストさんへのプレゼントやお手紙を入れる箱。私自身がお手紙メインということもあり、事務所に送るなどの代替手段が取りやすく、なくても別にという感じです。送料がかからないし、ハコ推し的には一括で全員に送れるのでラクではあるのだけれど。世の中が物騒になるにつれ、プレゼントに問題がないかの確認コストが一層高くなっているだろうことから、これを機に自然消滅するケースもあるんじゃないかと思います。

ソーシャルディスタンス確保:×
座席の間隔を空けるので前後と両隣が空いています。超・快・適! 最近は自治体のルールに従いながら詰めるケースも増えてきましたが、やっぱり狭いなと感じます。隣の方の体格がご立派だと特に。デメリットは入れられる客が減ると単価があがるのでチケット代があがること。これはまだいい。それくらいの価値はあると思います。ただ当選倍率が上がるのがダメ。致命的にダメ。

着席指定:×
最近は着席指定のほうが少ない気がします。声出し禁止に加えて着席していると気分がいまひとつ乗り切れません。まるで本物が目の前にいるような(いる)リアルな生配信だなと思いました(リアル)。強いてよかった点をあげるとすれば、双眼鏡での鑑賞がしやすかったことくらいでしょうか。

フェイスシールド必須:×
イベント再開初期の頃に1回か2回くらい体験しました。透明とはいえ(以下略)。マスクと重ねることによる効果の上乗せがよくわからなかったので、ここからフェイスシールドが主流になることはないと思います。

フラワースタンド禁止:×
現状もうフラスタ自体を禁止する必要はないのかなと思っています。最近参加したライブイベントでは撮影禁止でフラスタが飾られていました。なるほど、フラスタの問題点をあげるとすれば撮影で人が集まること。それを回避したのでしょう。「フラスタ送った本人も会場でフラスタの写真が撮れないんじゃ……」となるんですが、そのライブイベントでは運営側がひとつひとつ写真を撮って公式ページにアップロードしていました。イベントによってはキャストとフラスタのツーショットになっていることも。手厚い。キャストの負担は増えますが、個人イベントなどでファンとキャストのエンゲージを高めたいのであれば、今後もこういう形にすることで送り手と受け手がwin-winになるんじゃないかなと思います。

これくらいでしょうか。今のレギュレーションにすっかり慣れてしまい、かつての当たり前を思い出すのに意外と時間がかかりました。昨年の冬場を思い出すとこれからのイベントの先行きに不安がなくもないですが、レギュレーションを微調整しながら無事に行われることを願うばかりです。

余談
芸能人などがしているマウスシールドも何度か見た覚えがあるのですが、明らかに意味がなくて本編に加える気にもなりませんでした。普通のメガネで花粉大幅カットと言っているようなものでしょ。「た、対策してるんだからね!」という姿勢を見せる以外の効果ないでしょ。

頂いたサポートは、美味しいものを経て、私の血となり肉となり次の作品となる。