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セット販売はお得に違いないと信じてやまない私が損した話。

これから私が経験した社会勉強の話をします。皆様におかれては同じ轍を踏まぬよう、慌てず落ち着いてよく計算して人生を歩んでいただきたい。

ずいぶんと前にとある数理モデルの研究者のお寿司に関する呟きがバズりました。

生うに軍艦が2つで480円、いくら軍艦が2つで480円、生うに軍艦といくら軍艦とネギトロ軍艦が1つずつで480円。生うに軍艦をX、いくら軍艦をY、ネギトロ軍艦をZとすると以下の連立方程式が成り立ちます。

2X = 480
2Y = 480
X + Y + Z = 480

中学生数学の力をフル活用して解きますと以下の解が求められます。

X = Y = 240
Z = 0

なんとネギトロ軍艦は0円なのです!! そんなバカな。もちろんネギトロ軍艦を単品で注文しようとすればタダであるわけがありません。生うにといくらが好きではないという好みの問題を差し置けば、生うに軍艦といくら軍艦とネギトロ軍艦をバラで1つずつ注文するくらいなら、軍艦トリオセット2つのほうが、ネギトロ分だけお得にお寿司を食べることができます。

セットはお得!

これが私のなかの常識でした。話は変わってつい最近、とあるイベントのために北海道に遊びに行く機会がありまして。ひとりでぶらついているとついつい安定のマクドナルドでてりやきマックセットを選びがちな私ですが、近頃は折角の遠征を最大限に楽しもうと知らないお店を開拓することに努めています。

訪れたのはクラフトビールのお店の#サカノバクラフトさん。注文形態もわからぬお店にひとりで突撃するのは私にとってたいへん恐ろしいもので。おっかなびっくり案内されるがままにカウンター席に着きました。メニュー表にずらりと並ぶビールの数々。

クラフトビールのお店で困ったときは飲み比べセットがオススメです。量は少し減るかもしれませんがお得に複数種類のビールを楽しむことができます。このお店も200 mLが150 mLになりますが2000円で3種類を選べる飲み比べられるセットがあったので注文することにしました。

では、どの3種類を選ぶのか。実は事前にリサーチしていて、北海道で作られたクラフトビールが飲めるということでこのお店をチョイスしています。優柔不断な私にしては珍しく即決でその3種を飲み比べることにしました。

旅行先で、牛のたたきもつけちゃってハイ乾杯。ご機嫌です。クラフトビールは種類によって色も匂いも違うので飲み比べる甲斐があります。

ひとりで飲むときは450 mLでも十分なのでおかわりするつもりはありませんでしたが、ひとりで飲むと喋る相手もいなくて手持ち無沙汰なので、他にどんなビールがあるのか改めてメニュー表を見てみることにしました。

ここであることに気がつきます。

650 × 3 = 1950

あれ、3種頼んでも2000円いかないな? あれ、セットにすることで各ビール50 mLずつ量が減っているのに単品3種頼むより高い値段払ってるな??

これに気がついた瞬間、自身の愚かさに笑ってしまいました。お店の人や常連の人に「あぁやっちゃってるなぁ」と笑われていたらどうしよう。セットで値段を見ずに即決でビール選んだ私のバカバカバカ! ビールのような苦い経験です。ま、まぁ単品3種頼んで50円安く150 mL多く飲んでいたら料理追加して結局、お会計増えてた気がするし??? と半ば無理やり自分を納得させることにしました。あとnoteのネタができた(これ大事)。

断っておくと下に単品で700円や800円のビールもあるので単に私の選び方の問題であってお店に悪意があるわけではないと思われます、念のため。セットの値段が固定で中身が任意選択ならば、なるべく単価の高いものを詰め込むべし。便のいい宿の近くにあるので、また北海道案件があれば訪れて今度は賢い注文をしたいと思います。

今回の教訓はふたつ。
・セットだからといってお得だと思うな
・メニュー表はちゃんと見ろ

社会はまだまだ知らないことがいっぱいで、上手なひとり外食は難しいなぁ。

余談
感染症流行時の際、ひとりホテル打ち上げで500 mL缶を買うと多いと感じてしまう自分に気がつきました。誰かと飲むときはジョッキで何杯も飲むのにね。ひとり贅沢と同じく、たぶん私は飲むこと自体が好きなのではなく、飲むことを口実に誰かと喋るのが好きなんだろうな。

頂いたサポートは、美味しいものを経て、私の血となり肉となる。