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【毎週ショートショートnote】「二重人格」「ごっこ」

私の中には二人いる。いることにしている。
イチカとフタバ。
二人の得意分野はそれぞれ異なり、イチカは文系で芸術に秀でている一方でフタバは理系で運動に秀でている。
「ここは私に任せてください」
「ここは僕に任せな」
タスクが降ってきてはその時々で得意な方に振り分ける。怒られたときも、感情的に泣き落とすならイチカに任せ、論理的に対抗するならフタバに任せてしまえばよい。どちらも結局私だけど主観と客観を交えることでストレスなく生きてきた。
ところがこの方法ではなんともし難い事態に直面した。
恋だ。
私は彼のことを好きになってしまったのだ。恋愛が得意なのはイチカだろうか。フタバだろうか。感情的に考えても論理的に考えてもわからなかった。そもそも二重人格のふりをしてしるなんて知られたら好いてもらえないかもしれない。
「二重人格はめましょう」
「二重人格はやめようぜ」
「ここはあたしが」
新しく恋愛特化のミツキを生み出し、三重人格ごっこが始まった。
(410字)


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前回のお題「違法の」「健康」

次回のお題「日本」「ダイエット」

以下、今回の本文作成に至るまでのアイディアめも。

アイディアの羅列
二重人格:乖離、トラウマ、合体、似た2人、似てない2人、
ごっこ:本番ではない、

アイディアの組み合わせ
最後に三重人格になる話:得意なことに合わせて人格を使い分ける二重人格ごっこ。それではどうしようもなくなる事態に直面。恋。二重人格ごっこをやめる。しかしひとつに統一されるのではなく新しい人格を生み出す。

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