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10文字ホラー大賞〜落ちた私の言の葉たち〜

ある日、こんなnoteに出会いました。

超楽しそう。私が大好きだった書き出し小説に似ています。10文字でいかにインパクトを出すか。10文字でいかに世界を想像させるか。説明しすぎるのもしなさすぎるのもよくありません。1文字あたり、1単語あたりのパフォーマンスをいかにして整えるかが求められます。たかが10文字。されど10文字。作ろうとしてみるとこれがなかなか難しい。難しいけれど、とにかく生み出さなければ始まらない。思いつく限り投稿しました。

結果はこちら。選ばれた作品たちは納得の出来。どれもこれも10文字の使い方が秀逸です。一方で私の作品たちはDMを受け取っていないので残念ながら書籍掲載含めて引っかからなかったようです。ということはもう公開しても問題ないでしょう。せっかく作った作品たちをここに供養します。10文字に10文字以上のコメントを添えて。第1回だけで10万件寄せられているらしいので誰かの作品と重複している可能性もありますがパクったつもりはありません。その点はご理解ください。

ホラーというテーマの特性上、軽率に人が死んだりしますのでニガテな方は回れ右して頂ければと思います。

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タイムリープものを想定。自分だったら何ループくらいで気がついて何ループくらいで気が狂って何ループくらいで諦めるんだろうなぁ。

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街でばったりドッペルゲンガー。何の心の準備もなく振り返って、そこに自分がいたら何を思うでしょう。私は自分が自分であるかを確かめてしまうでしょう。

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受賞作にタイムマシンの扉が半開きのものがあって、コンセプトとしては似ているのだけれど、ワードセンスで完敗。開いてちゃいけないものが開いてると起きちゃいけないことが起きる予感。

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鼻歌のリズムは「はっぴーばーすでーとぅーゆー」とかそのあたりの陽気なもので。見つかったら最後。見つかったら殺される。ネコの鳴き真似で誤魔化して「なんだネコか」の直後に「なんてな!」って見つかるやつ。

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毎日自分が使っている階段の段数なんて覚えていないので、習慣的に右足から登り始めて右足で登り終わるはずなのに何故か左足で登り終わったときの感覚的な気持ち悪さで気がつくやつ。一度視線を足元に落として戻すとそこはもう知っているようで知らない世界。

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狭い部屋に閉じ込められて育った少女は、真っ赤なお花畑の描かれた絵本に憧れていて。最初はびっくりしたけれど、楽しかったので何度も何度も撃ちました。

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凶器も。動機も。死体も。

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いえ。捨てたのは普通の首です。あらあら正直なアナタにはこの金の首と銀の首も差し上げましょう。捨てたはずの普通の首の顔を持つ女神はにっこりと笑いました。

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トイレだけだと思うなよ。いやしかしこれはホラーというよりラブコメの波動を感じる。

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ひとつだけ異質な場合は間違いなくソレが異質なのだけれどひとつだけ異質じゃない場合は果たして何が異質なのか。普通の人形に怯えてしまうシチュエーション。

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絵的に綺麗だと思う。うん、ホラーではない。

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身体は朽ちた。もう見ることも聞くことも話すこともできない。時間と共に欠落する情報に怯えながら、残された情報の海の中を泳ぐことしかできない。すべてを忘れてしまったそのときに、やっと私は死ねるだろうか。

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試しに刺してみた。ダメだった。嘘つき。

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たまにありません? 今の1秒なんか遅かったな。みたいな。ちなみに腕時計の秒針が2秒ごとに進むようになったらそれは電池交換のサイン。

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そんなジョジョのスタンドがあった気がする。

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分解が趣味なのはナイショだよって言ったのに。

以上です。個人的には最初と最後のがお気に入り。第3回とか別テーマとかがあれば、また挑戦してみたいと思います。こういう制限ガチガチの創作好きなのよね。

大賞の他にどんな作品が採用されているのか気になるので書籍も買ってみようかなぁ。

余談
書き出し小説は回を増すごとに掲載作品に対する主催者コメントが雑になっていった印象があったのですが、今回たかだか十数作品にコメントをつけてみてわかりました。思いつかないものは思いつかないし、数十とかになると飽きてくる自信があります。

関連

「第12回 54字の文学賞」の話。

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