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TVアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」は無印やサンシャインと比べて構成しやすいのかもしれない。

第1話に引き続き第2話も面白かったし、話の展開の「お約束」が見えてきましたねという話。あと、かすみん可愛い。

以下、アニメを見た前提で話が進んでいくのでネタバレその他諸々含めてご承知おきください。

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世界でいちばんのワンダーランド。そんな場所に、いけると思ってたのに――

中須かすみのモノローグによって物語の幕は開けました。第1話に引き続いてのモノローグ。今回は「前回の、ラブライブ――」から始まる恒例のアバンではないことがわかりました。これまでの慣例を打ち破りたかったのかもしれませんし、単純に「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」と口にするには長すぎてハマりが悪かっただけかもしれません(とかいって第3話で「前回の――」から始まったら笑うしかない)。

そしてついにOP解禁! いつの日も新シリーズのOPはワクワクします。改めて振り返ると無印1期の「僕らは今のなかで」以外はイントロがなく、静寂の中でいきなり歌い始めるパターンなんですね。「むーぶおんむーぶおん」と「りーちふぉーふぁーぶるーすかい」のところの謎スーツカットは何なんですか! 宮下愛さんイケメンすぎやしませんか。

第2話の魅力をひとことで表せば「中須かすみがとにかく可愛い」に尽きます。表情に動きに、とにかくアニメーションが映える映える。再三申しあげていますが、虹ヶ咲メンバーで最もアニメ向きなのは彼女だと思っていました。期待を裏切ることなく、画面の中で活き活きと生きていました。無印の矢澤にこ、サンシャインの津島善子からサングラス&マスクを継承し、4つ足の軽快な動きで生徒会室に忍び込む姿が特にお気に入りです。軽快に忍び込むってなんだよ。

ストーリーは第1話以上に知らない世界。もうアニメオリジナルといっていいでしょう。中須かすみが憧れていた「可愛い」がいちばんのワンダーランド。それを「大好き」のために拒んだあの子の言葉。かすみに芽生えた嫌なキモチ。上原歩夢と高咲侑に出会って交流していく中で、自分の「可愛い」のために歩夢の「ありのまま」を拒んでしまっていることに、自分がやられて嫌だと思ったことを今まさに自分がしてしまっていることに、自ら気がつき頭を抱えます。かすみん意外と空気が読める……! 何だかんだあって、「可愛い」も「大好き」も「ありのまま」も共存可能で、そんな多様性が認められる世界こそがいちばんのワンダーランドなのでは、と彼女が悟る物語。

先輩、見ててください!

突然走り出し、高台に上ります。この脈絡のないミュージカルのような展開はまさかまさか……!

新曲だー! 作詞は上原歩夢ソロに引き続きAyaka Miyakeさん。OPもこの方が書かれていたので、ED以外は全部書かれているのではという気がしてきました。これまでのどのソロ曲とも異なるテイストの楽曲で、また新しい中須かすみの魅力を見つけたような気がします。イメージカラーの黄色に水玉ワンポイントのレトロワンピが超かわいい。ライブでこの曲を披露するときは担当キャストの相良茉優お嬢様がこのお衣装を着てくれることでしょう。モノローグにも活用された2曲目「☆ワンダーランド☆」に引き続き、大漁旗級の巨大フラッグが似合います。

本題です。

そんな第2話を見て改めて思ったのは、ラブライブ!にしては無駄がなくストーリーが丁寧に作り込まれているなということでした。これまでの作品は「ラブライブ!サンシャイン!!」の劇場版の感想でも書いた通り、「ラブライブ!に興味がある」ことをいくらか前提にしなければならず「ラブライブ!」を知らない人に「面白いから見て見て!」と引きずり込むにはそれなりの勇気が必要でした。新規映像と新規楽曲の大洪水でファンの満足度を高めることには成功していますが、ストーリー自体を冷静に紐解くと「ん? どうしてそうなった???」となる箇所が随所に見られ、作品の流れとしては素直に楽しんでもらえない可能性があるのです(尚、ライブ幕間に挟まれるダイジェスト映像になると「ん? どうしてそうなった???」が全面的にカットされるので万人に勧めやすい無駄のない名作に生まれ変わります)。

一方で、この「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」には「ラブライブ!」を知らない人を沼に引きずり込めるだけのポテンシャルがあるように感じます。思わず「ラブライブ!」には詳しくないけど「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」を見てくれている友人らに「ズブズブの私には判断しかねるけどこれ「ラブライブ!」であること抜きにしても面白いよね??」と聞いてしまいました。反応は(私に気を遣っていなければ)概ね好感触。何だか我が子のことのように嬉しいです。

大きな要因のひとつにシリーズ構成がこれまでの花田十輝さんから田中仁さんに変わったことが挙げられます。というと話が終わってしまうので、シリーズ構成が同じだとしても「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」は脚本が組み立てやすいのではないかという視点で話をしたいと思います。

「だいたい2話に1曲のペースで挿入歌が含まれる1クールの物語を書いてください」

この手の作品は挿入歌を売ることを前提に組み立てられますから、このオーダーの段階で結構キツいです。しかも複数人曲。歌う理由をこじつけるためには大会出場なりイベント参加なり、作中で歌う場を提供するしかありません。単に歌うだけでは芸がないので、歌う場で歌うための動機と障壁を設定し、それを解決するための物語を描くことになります。1クールの大枠の中でこれらをざっくり4、5回繰り返しているのが無印やサンシャインです。書き方にもよりますが、見せ場である歌う場から固めて構成していくと、ふたつの見せ場の間に溝ができ、その隙間から「ん? どうしてそうなった???」が生まれます。何を隠そう私がそのタイプ。私が書いても生まれます、たぶん。

「9人分のソロ曲と(たぶんある)全員曲1曲が含まれる1クールの物語を書いてください」

こちらはどうでしょう。深く考えることなく1話ずつ9人それぞれに焦点をあてた物語を書けばよさそうです。シリーズを踏襲すると1期は部員集めに奔走しそうなので、自然とひとりひとりに焦点をあてることが可能です。さらに制限を緩くしているのが「歌う場で歌う必要がない」工夫がされていること。第1話も第2話も決心したメインキャラクターが「生まれ変わった私を見て」という旨の宣言と共に突然、日常世界で高いところに向かって走り出し、非日常世界の固有結界を張りながら新曲を歌い始めます。あまりの脈絡のなさに一瞬「ん? どうしてそうなった???」と戸惑いますが、「少女革命ウテナ」の「決闘広場」や「STAR DRIVER 輝きのタクト」の「ゼロ時間」のように各話終盤で必ず起こる「お約束」の超展開(つ、通じるのか?)としての統一感があれば「ん? どうしてそうなった???」「待ってました! よくわからんがまぁそうなるよな!」に変わります。残り7人も何かしら自分の中で決心がついて、物語終盤、突然、侑のために走り出して歌い出すのではないでしょうか。部員を揃えても3話ほど余るので、ひと悶着あってから満を持して「歌う場で歌う」全体曲が披露されるのかなと想像しています。ひとりひとりに焦点をあてながらもその裏で確実に大枠のストーリーが動いている群像劇的な見せ方は今のところかなりうまくやっているなと感心しながら見ています。旧部員でもなく今はニコイチで行動を共にしているモブに近しい宮下愛と天王寺璃奈を、どういう形で話に絡ませ膨らませ加入させる構成にしているのか。このあたりも丁寧に納得感のある形で描いてくれるんじゃないかと期待しています。あとは今のところめちゃくちゃ頭よさそうな朝香果林パイセンが果たしてこのまま外面を保てるのか……!

とりあえず今夜は第3話。ゲーム内では最後まで正体がバレずに最後に自らバラすスタイルだった優木せつ菜に焦点が当たります。アニメでは第2話Cパートで早々にバレてしまったので展開が微塵も読めません。彼女は一体何を考え、何を決心し、どこに向かって走り出し、どんな新曲を歌うのでしょうか。楽しみにしています(とかいって走り出さなかったら笑うしかない)。

そういえば、TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』オープニング&エンディング主題歌発売記念ステージのトーク&ライブ「トキメキらんらんるんるんGo!」が12月26日にオンライン配信で開催されるそうです。参加方法はOPとEDを買って応募するだけ!! チケット戦争する必要なし! まだ買ってないよ! という方は是非。あ、はい、私です。

余談
スクスタでは、アニメと連動して関連ストーリーを読むだけでURがもらえるスペシャルなキャンペーンが実施されています。そして以前まとめているとおり、虹ヶ咲の初期UR(1枚目から9枚目)はに通常URと通常より強いフェス限定URが混在します。第1話、第2話の歩夢、かすみは通常URでしたが、第3話でスポットが当たるだろうせつ菜の初期URはぶっ壊れ性能と名高い優秀フェス限URです。これを運営が気前よくポンと配布してくれるのか否か。今宵の私のもうひとつのお楽しみ。

※してくれませんでした。

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