見出し画像

TVアニメ「リコリス・リコイル」~千束とたきなの「ただいま」の場所は~

2022年夏アニメの「リコリス・リコイル」が面白いという話です。以下、「リコリス・リコイル」の第10話までのネタバレを含みますので、内容を知りたくない方は回れ右をしていただければと思います。

最新話のネタバレを含んでいない理由は、「アニメはニコニコ動画で木曜日の夜に見る」というマイルールにより最新回からざっくり1週間程度遅れているからと、私の筆が遅いからです。最新回を既に視聴している人が読むと今更感があるかもしれませんし、それはそれで面白いかもしれません。


PVの第3弾がきました。カッコいい。第1弾のほんわかPVはなんだったのか……! 物語もいよいよ佳境です。錦木千束と井ノ上たきなのそれぞれの「いってきます」は何を意味するのでしょうか。それぞれが「ただいま」する物語になるのでしょうか。なってくれ。二人とも帰ってきてくれ(切実)。

第4話から第6話までがどんな話だったかといえば、井ノ上たきながすっかり丸くなり、喫茶リコリコでの楽しい生活が描かれながらも、敵が出現し、不穏の足音が聞こえてきたくらいの展開でした。

第7話から第10話は、喫茶リコリコが閉店してそれぞれがそれぞれの道を歩き始めるお話。つらい。めちゃくちゃつらい。楽しいシーンもたくさんあったけれど結局つらい。キーアイテムは錦木千束の機械仕掛けの心臓。成人になれないくらいの耐久性しかなかったものが、心臓の提供元であるアラン機関の襲撃により残り2ヶ月に。余命数年だったものが2ヶ月に。錦木千束以上に井ノ上たきなと視聴者がショックを受けたように思います。私もだよ! 錦木千束の「やりたいこと最優先」の理由はコレ。残り数年の限られた人生を謳歌するため。どこかの誰かを助けるため。残り2ヶ月を錦木千束は何のために使うのか。どんな花を咲かせるのか。

最終決戦の構図がよく出来ています。基本的には「テロリスト真島 vs 謎の組織リコリス」があり、真島は錦木千束に邪魔をされたくないかつ彼女に興味があることから、錦木千束の恩人であるアラン機関のエージェントを人質に取っているのです。第9話で井ノ上たきなは真島経由でアラン機関から心臓に関する情報を引き出すためリコリスに戻り、第10話で錦木千束は人質のエージェントにもう一度会うため罠だとわかっていても真島の元へ向かいます。これがそれぞれの「いってきます」です。最終的にはどこかで合流して真島を追い詰めることになるのでしょうか。なってくれ(切実)。

で、何らかの形で錦木千束&井ノ上たきなが勝利を収めたとして、錦木千束の心臓はどうなるのか。アラン機関が好む「神からのギフト」こと人智を越えた才能の結晶である人工心臓に替えはないといいます。今のところポッと出でアンパンマンの新しい顔のようなテンションで「新しい心臓」が出てくる見込みがないんだよなぁ。出てきたところで錦木千束にそこまでの生への執着があるのかどうか。もう1人心臓で困っている人がいたら喜んで差し出してしまいそうです。錦木千束とはそういう人。

ふと、移植するのが機械の心臓である必要はないのでは……と思ったところでよろしくない展開が思い浮かんだので一旦この点を考えるのはやめにして。物語の落としどころはよくわかりませんが、錦木千束と井ノ上たきながそれぞれ幸せな最終回を迎えられるといいなと思っていいます。願わくば、喫茶リコリコで2人揃って「ただいま」を。

余談
何となく私のnoteでは錦木千束と井ノ上たきなに焦点を当てていますが、他のキャラクターもそれぞれ魅力的です。第7話から第10話までだとやっぱり保護者枠のミカかなぁ。「お前のギフトの使い道は殺しだよ」と言えないまま愛娘のように育ててしまったが故に訪れた突然の錦木千束の余命2ヶ月。どうするのが正解だったのかと錦木千束に涙する姿に心揺さぶられました。もう迎えられないだろう成人式用にミカが準備していた晴れ着に袖を通して「これでよかった」と返す錦木千束がね……もうね……2人は血が繋がっていなくても親子だよ。

関連記事

第6話までの感想。

この記事が参加している募集

#アニメ感想文

12,450件

頂いたサポートは、美味しいものを経て、私の血となり肉となる。