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「シャドーハウス」は2人PCのTRPGでやってみたい世界観。

2021年春アニメの「シャドーハウス」が面白いという話です。以下、「シャドーハウス」の3話までのネタバレを含みますので、内容を知りたくない方は回れ右をしていただければと思います。

最新話のネタバレを含んでいない理由は、「アニメはニコニコ動画で木曜日の夜に見る」というマイルールにより最新回からざっくり1週間程度遅れているからと、私の筆が遅いからです。最新回を既に視聴している人が読むと今更感があるかもしれませんし、それはそれで面白いかもしれません。

「シャドーハウス」は2018年9月より「週刊ヤングジャンプ」で連載されている作品です。あらすじは以下の通り。

この館には秘密がある──
断崖に佇む大きな館「シャドーハウス」で貴族の真似事をする、
顔のない一族「シャドー」。
その“顔”としてシャドーに仕える世話係の「生き人形」。
ある日、“シャドー”一族の少女・ケイトのもとに一人の“生き人形”が訪れ、
“影”と“人形”の不思議な日常が始まる。

黒塗りの人型が当たり前のように暮らす常軌を逸した世界観に面くらいますが、視聴者が置いていかれてしまうかと言えばそんなことはなく、丁寧な描写により、むしろ引き込まれることになります。

明らかに人じゃないのに人のふるまいをするシャドーと呼ばれる黒い人影。明らかに人なのに生き人形と呼ばれる人間(仮)。彼女らを囲うテリトリー、シャドーハウス。謎に満ち溢れた世界での物語。シャドーと生き人形はニコイチの関係で、シャドーハウスには何セットかのシャドーと生き人形が暮らしていることが伺えます。正直、まだ全然展開が読めていません。恐らくですが、ダブル主人公であるシャドーのケイトと生き人形のエミリコが次第にシャドーハウスの存在を疑い、謎に迫り、反旗を翻すのではないかと想像しています。

シャドーと生き人形の関係が絶妙です。顔のないシャドーの顔の役割をするのが生き人形とされており、生き人形はシャドーのお世話を担当しています。つまりケイトとエミリコの2人は主従の関係と言えそうです。

シャドーであるケイトはシャドーハウスに関する表向きの知識は持っていそうなものの、全貌を知っているわけではなさそうです。シャドーは館の外に出たり他のシャドーと交流することをよく思われていないため、情報ソースが限られています。一方で、生き人形であるエミリコは館の掃除で他の生き人形と交流する機会がありますが、字の読み書きができず、知識全般が乏しい状態から始まります。二人は異なる立場で情報を収集、理解し、組み合わせることで、シャドーハウスの謎に迫ることができるのです。

先輩の生き人形から何かを隠している雰囲気がむんむんと漂っており、誰かに情報統制されていそうなシャドーハウスがそもそも何なのかというのは、視聴者としてとても気になるところ。作中でケイトとエミリコも気になり始めており、視聴者が主人公らと共にリアルタイムでシャドーハウスの謎に挑んでいるような緊張感を味わうことができるのです。一体何なんだシャドーハウス。一体何なんだシャドー。一体何なんだ生き人形。

数年前にテーブルトークロールプレイングゲーム(TRPG)を嗜んでいた私としては、シャドー役と生き人形役の2人のプレイヤーに秘密込みのハンドアウトを渡して遊びたくなるシナリオだなと思いました。プレイヤーの数だけ素敵な絆と物語が紡がれることでしょう。

そんな汎用性の高いシナリオフックが効いたゴシックなミステリーの「シャドーハウス」、そろそろ振り返り放送があるような気がするので、ご興味とご都合があえば是非。

余談

エンディングテーマはReoNaさんの「ないない」です。ReoNaさんの世界観が独特すぎて、正直、これまでいまひとつ好きになりきれていなかったのですが、「シャドーハウス」の独特の世界観にはドンピシャでハマっていて気に入っています。この作品のエンディングは、もう彼女以外、考えられない。ないない。

アニサマあたりで聴けるかしら。

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