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朗読しながら謎を解くSCRAPの「時間旅行と7つの謎」が楽しいぞ。

傑作ですよこれは……!

本項は内容に関する重大なネタバレを含んでいませんが、公式サイトの情報から容易に類推できる程度の事項やプレイのチュートリアル的な部分を含むため、真っさらな状態で遊ぶ予定がある方はご注意ください。やろうかどうか悩んでいる人の背中を蹴っ飛ばすためのnoteです。

そもそもリアル脱出ゲームとは……という話はこちら。

私はSCRAPが作るリアル脱出ゲームが大好きで、そんなSCPAPが送る新規のオンラインで遊べるリアル脱出ゲームが「時間旅行と7つの謎」です。

公式サイトによれば

過去と現在を行き来して、迷宮入りしていた同級生失踪事件の真相を突き止めよう。

https://realdgame.jp/timetravel7/

ということで、タイムリープを扱う作品であることがわかります。オンラインリアル脱出ゲームでタイムリープといえば、かつて「STEINS;GATE」とのコラボがありました。

こちらはこちらでオススメです。タイトルからもわかるように、この手のタイムリープを扱う作品は過去に飛んで何かしら行動を変えて幸せな未来を掴み取ることを目指します。

本作の最大の特徴は、何と言っても朗読劇形式で進行することです。プレイヤー4人の配役を決め、自分のセリフの番になったら画面表示されたセリフを声に出して読んだり選択肢を選んだりして、先に進むボタンを押します。面白いのは4人の見ている画面が連動していること。表示されるのは自分のセリフのみで、他のプレイヤーについては「発言中」や「選択中」のみが表示されます。つまり、自分の画面では自分の台本しか見ることができず、他のプレイヤーのセリフは文を読むのではなく声を聞くことになるのです(一度通過すれば他の人のセリフ含めてログを読み返すことはできます)。

「STEINS;GATE」とのコラボはどちらかといえば第三者視点で、一緒に遊んでいる仲間と「どういう選択をすれば助けられるんだ……!」と相談しながら進めていきます。一方で「時間旅行と7つの謎」は、まずは誰にも相談することなく登場人物のひとりとして単独で選択することが推奨されています。もちろんいきなり失踪事件が解決するわけはないので序盤は「私の選択ではダメだった……!」と各プレイヤーが頭を抱えることになるのです。

この没入感がとてもよい。他のリアル脱出ゲームとはまた違った感覚が味わえます。プレイヤーとしてはもちろん、キャラクターとしても感情を動かすことができるんですね。ハンドアウトのようなものにちょっとした秘密と使命のようなものが記載されており、TRPGやマーダーミステリーに馴染みのある人はすんなり楽しめるんじゃないでしょうか。かくいう私はTRPG仲間と挑戦し、私含めてノリノリでロールしていました。その場でパッと配役を決めましたが、結果的にみんなハマり役だったように思います。配役が違えばそれはそれでまた別の空気感が生まれていたのかしら。もちろん無理にロールする必要はなく、淡々と読み上げるだけでも十分に楽しめます。

すでに開始からひと月以上が経過しており、公式からガイドラインさえ守ればネタバレ含めてYoutubeなどで配信することが許されています。自分が体験した後は配信されている他の人の体験を覗いてみるのもまた面白そうです。そもそも脚本としての質が高く、謎解き関係なく朗読劇としてよくできているので、役者さんや役者志望さんが4人集まって体裁整えて配信すれば、それだけでひとつのコンテンツになり得ます。ついでに自身の作品ポートフォリオにも出来るんじゃないでしょうか。

プレイ時間は休憩挟んで5時間くらい。これで6000円なので4人で遊べば1人1500円です。え!? このワクワク体験が、1500円で!? その価値は十分にありました。4人集められなくても1人複数役で2人から遊べます。2でも3でも4でも綺麗に割れる6000という数字は美しい。

リアル脱出ゲームはSCRAP信者である私でもテーマによってオススメ度がわりと違うのですが、この作品はオンライン作品の中でも非常に満足度が高く、超オススメしたくて筆を取りました。同級生を助けるためにタイムリープする体験をしてみたい人はご都合があえば是非。

好評につき第2弾とかに発展するといいなぁ。

余談
数年前のホテル脱出のときに、ノリノリのスタッフに乗り切れず「わりと淡々と回答してしまったのだけれどせっかくなので乗っておけばよかったなぁ」というちょっとしたしこりのようなものが私の中にあったので、今回ノリノリで楽しむことができて嬉しかったりもしました。また新しいホテル脱出があるらしいので次こそは。尚、チケット(以下略)。

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