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【小田原/箱根】願い事のない人間が神前で思うこと

先日、箱根神社を訪れた。
去年も同じように足を運んだが、外国人観光客で溢れ、一部無法地帯のようだったことを考えると、今回は天国であった。

城下町ぶらり

少し時を巻き戻す。

箱根神社参拝前、筆者は小田原市街にいた。
単に、通り道ということもあるが、城下の街並みが好みで、早朝の散歩にうってつけなのである。

菓子屋の幟

小田原城の鬼門除けとして、小田原城の周囲には松原神社、居神神社、大稲荷神社があることも関係しているのだろうか(恐らく関係ないだろうが、そんな風に思いたくなるような日和だったのだ)

松原神社拝殿

このようなことを書いては叱られるかも知れないが、筆者はいずれの宗教も興味関心がなく、反対に、すべての宗教にフラットともいえる。
そのわりに足繁く通い、信者からすれば「あなたも立派な信者だよ」と呆れられるかもしれないが、本当に宗教そのものに関心はない。

大稲荷神社 鳥居

散歩中、のんびり過ごす人々に、胸中で「楽しんでいるね」と声を掛ける。

1号線沿いの石標

複数で楽しげに歩く人達もそうだろうが、ひとりで黙々と歩く筆者だって、胸中ではスキップし、鼻歌を歌っているのだ。

時計の針

箱根には、コンビニが点在している。
観光地なので、街中と看板のカラーリングは異なる。いずれも落ち着いた色味(ほぼブラウンで統一)だが、店内も市中の店舗と異なる。

特に、ローソンは良い。

ローソンの壁面ディスプレイ

敢えて固有名詞を記述しないが、筆者の好きなアニメ作品のヴィジュアルがあちこちに見受けられる。
映画公開時に比べれば落ち着いているが、完結から数年が経つ今でも、こうしてディスプレイを継続してくれていることに感謝である。

ローソンの壁面ディスプレイ

ただ、公開時から変化しない点については、本当に終わってしまったのだと寂しさを覚えることもある。

アイスケース

作品関連の土産物、グッズ等も販売されているため、箱根にお越しの際はぜひご覧いただきたい。

店内ポップ

道の駅

箱根を訪れる度に立ち寄る場所がある。道の駅「箱根峠」だ。

道の駅 箱根峠

当該店舗ここでもアニメグッズを販売しているが、年々売られるグッズの種類・数量は減り、目新しさがなく、筆者は胸を痛めている。

急速充電スポット

想像だけ

観光地では、意図せず土産物に触れる。その度に思うことがある。

「これを渡したら、喜んでくれるだろうか。」

興味散漫な筆者にとり、特定の人を思い出す時間は短い。
しかし、この土地で土産物を見ると、これに呼応し、思い出す顔は変わらない。

ただ、記憶の中の相手はもちろん、今の相手が喜んでくれる姿さえうまく想像できず、店舗を後にするのである。

新緑と願い事

寄り道を経て、箱根神社に到着。
観光バスが何台か停まっていたが、参拝客の数はまばらだった。

手水舎で手と口を清め、参道を見上げる。

箱根神社 参道

石段の途中、左手の曾我神社に挨拶をする。

曾我神社

神様など信じないと言いながら、何となく、そこに何者かがいる気はするのだ。

曾我神社
曾我神社狛犬
箱根神社 鳥居
疲労感からか、斜めになった鳥居の写真

石段を昇りきると、狛犬が出迎えてくれる。

箱根神社 狛犬

回廊の朱色、苔生した狛犬の存在だけで胸いっぱいになるが、せっかく来たので、形だけでもと挨拶へ向かう。

箱根神社 狛犬
箱根神社
箱根神社

拝殿前において、いつも願い事が浮かばない。
だから、「お久しぶりです」「初めまして」等と他愛ない挨拶しかできない筆者に、御利益の有無をはかることはできない。

そんな筆者の横では、熱心に手を合わせ、何かを願う人々がおり、いつだって恐縮してしまう。

ちなみに、九頭龍神社は金運アップの御利益があるらしい。

九頭龍神社 手水桶

他の参拝客が話しているのが聞いたに過ぎぬため、真偽は定かではないが、神頼みするほど金銭を欲しているという姿勢が、自ずと金銭を引き寄せるのではないか等と面白みのないことを考えて歩いた。

九頭龍神社

ここでもまた「お久しぶりです」と挨拶するにとどまった。

天井の龍

念のために記すが、筆者は無欲なわけではない。
単に、「人(神様含む)に頼みたいこと」がないだけで、しっかり煩悩にまみれているよ。だって、人間だもの。

御朱印の列

ご挨拶を終え、御朱印をいただいた。
御朱印の待ち時間も以前に比べると短く、信仰心の強そうな人ばかりが列を成していた(もちろん、筆者を除いて)

箱根神社、九頭龍神社の御朱印

茶屋の抹茶氷

御朱印をいただいた後は、傍の茶屋にてかき氷で涼んだ。

茶屋

当該茶屋の目玉は、箱根神社奉納品だという神社声援ジンジャエールらしいが、何となく辛みが強そうな気がしたので今回は遠慮した。

目玉商品「神社声援(ジンジャエール)」
茶屋

スタッフが丁寧に氷を削り、形を整え、合間にシロップをかけ、また氷を削りと繰り返すのを眺める。

かき氷を作ってくれる女性

スタッフは彼女しかおらず、数組の客が待っていたが、誰も文句を言わず、和やかな時間が流れており、この良き日に来られたことを静かに喜んだ筆者であった。

かき氷を作ってくれる女性

仕上がったかき氷を受け取る際、「シロップが足りなければおっしゃってくださいね」とにこやかに言われたが、これでもかというくらいかけてくれたので、最後はシロップばかりが余るほどだった。

抹茶のかき氷

お茶の香り高く、すっきりとした青空を思わせる後味が、筆者の中にあった雑味を取り除いてくれた気がした。

抹茶のかき氷

こぼれ話

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