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01.隠者の全国区デビュー

当ページは、メンバーシップ限定コンテンツ「理事長、クビです」の配信です。 全国区

0.プロローグ|薮から仙人

注意当ページには、メンバーシップ会員限定(有料)コンテンツ「理事長、クビです」の配信です。 一部限定公開となっているため、公開中の別記事をお楽しみいただくか、当メンバーシップへのご加入を心よりお待ちしています。 初夏に訪れるゲリラ豪雨のように暦の上では初夏である。 だが、現実は残酷で、先行きを案ずるほどの猛暑に襲われ、心身共にゲッソリだ。 そのような筆者のもとに、1通のメールが届く。 差出人の名に見覚えはなかった。 淡々と読み進めていたところ、メールの後半に差し掛かり

【新連載】理事長、クビです

はじめに名前、肩書、その他諸々を大盤振る舞い大公開して活動している筆者にとって、ネット上での発信は特に気を遣う(これで?と感じる人もいるだろうが、これでも気を遣っているのである) ただ、経営理念に掲げる「Best Ally」を達成するには、自分のポンコツっぷりを晒してでも伝えたい物事が山ほどある。 早速話がそれるが、先日、弁護士から言われハッとした。 用件をひとしきり話した筆者が、「主観的な意見ばかりで申し訳ない」と詫びた際にかけられた言葉だ。 思えば、客観的な主張を

想像と現実の狭間で打ちひしがれ、喜ぶ初学者

華々しいレジンデビューと思いきや先日、レジン制作を始めたことをご報告した(参考記事:「生まれて初めてのレジンに挑戦した|沙奈はさんずい」) 処女作が思いの外うまくいき、喜んだ。 …のも束の間、諸先輩方の作品を各SNSで目の当たりにし、絶望した。 どの業界にも、上には上がいるのだ。 安物買いで銭を失う軽量人生 さっそく本題とはずれた話をする。 筆者がレジンを選んだ動機と、失敗と呼べる出来事の話だ。 筆者の場合、作りたいものをイメージし、レジンを選択するに至った。 し

弱ったインコに触れて感じる無力感

先日、セキセイインコの雛「藤(通称「ふうちゃん」)」を迎えたことを報告した。 このとき、ブリーダーのもとには数日後に生まれた雛たちもいた。 まだ羽根が生えそろわない雛たちだったが、そのうち1羽を購入した飼主と交流を持つ機会があった。 鳴かないあの子その雛は「まっちゃん」と名付けられたらしい。 飼主は小学生で、小さな手でしっかりと握りしめている様子は筆者を複雑な心境にさせた。 まっちゃんは、ほとんど鳴かない。 全く鳴かないわけではないが、時折聞こえる鳴き声はか細く、今に

40年超インコを見ているブリーダーからセキセイインコを迎えた話

遡ること、約1か月前。 40年超インコの世話をしてきたというブリーダーのもとから、生後1か月前後のセキセイインコを迎えた。 セキセイインコとは背黄青鸚哥は、体長約18~23cm、体重は約30~40gほどの小型種で、ジュウシマツ・文鳥と並ぶペットとして人気の高い種類である。 好奇心旺盛で人見知りをすることが少ない。 オスは声真似をすることを得意とする場合が多く、豊富なカラーバリエーションが特徴でもある。 平均寿命 一般的な寿命について、Wikipediaに下記の記載があ

【小田原/箱根】願い事のない人間が神前で思うこと

先日、箱根神社を訪れた。 去年も同じように足を運んだが、外国人観光客で溢れ、一部無法地帯のようだったことを考えると、今回は天国であった。 城下町ぶらり少し時を巻き戻す。 箱根神社参拝前、筆者は小田原市街にいた。 単に、通り道ということもあるが、城下の街並みが好みで、早朝の散歩にうってつけなのである。 小田原城の鬼門除けとして、小田原城の周囲には松原神社、居神神社、大稲荷神社があることも関係しているのだろうか(恐らく関係ないだろうが、そんな風に思いたくなるような日和だった

虐待により児童相談所に通報された場合に起きること

戻らない弟、異常な日常中学生の頃、小学校に登校した弟が帰って来ることはなかった。 大まかな理由は、児童虐待だった。 当ページでは、児童虐待による通報対象となった家族がどうなるのか、自宅に残された者の視点からご紹介する。 だがその前に、あなたの周囲に被害者と思われる人がいる場合は、下記の記事(当事務所公式ページ)を参考に、然るべき先に相談・通告を行って欲しい。 機能不全家族

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○○は損で、自分は

毎年、健康診断を受けている。 健康診断遍歴会社に勤めている間は会社が面倒を見てくれたが、行政書士業一本となって初めての年、商工会議所に面倒を見てもらった。会員と従業員が対象のようだったので、今後、独立開業を検討されている方は1つの選択肢として知っておくと良いだろう。 翌年には商工会議所を脱会し、結局、自分で自分の面倒を見ることになった。1度、社外で健診を体験しているお陰で、「自分で段取り」のプロセスに対する抵抗感が薄れたことは感謝している。 良好の後、かれこれ10年近い期

通っていた店の店主が2週間で亡くなった話

先日、通っていた珈琲豆専門店が臨時休業を発表した。 その翌日、「当分の間」休業する旨が発表されたと思ったら、翌週には「閉店する」との発表があった。 突然の知らせに驚き、困惑し、身勝手な心配を胸に、世話になった店主とご家族の幸せを願っているところへ、訃報が入った。 臨時休業の知らせから、たった2週間後の出来事だった。 オススメの店去年、11月。友人が言い出した。 ラーメンをこよなく愛する友人。その友人の口から珈琲の話題が出ようとは夢にも思わなかったが、ハンドドリップを

同じ釜の(ご)飯を食べるようになった

筆者には、今年10歳を迎える愛犬がいる。 ペットショップから迎えた彼女がうちに来て数ヶ月後、「先天性右心室不全」と診断された。それから紆余曲折を経て、現在はたいへん健やかな人生(犬生の方が適切だろうか)を送る彼女だが、1つ気がかりなことがある。 食が細く、なかなか太らない。 スレンダーボディ先天性疾患に伴う腹水により消化器が圧迫されていた彼女は、子犬の頃から食が細い。誕生日のご馳走だけでなく、普段の食事も食いつきは良いが、量を食べてくれないので、回数を増やしてみたりした

1+1=2である

他人に頭を下げ、反対に下げられることがある。 筆者は内罰的思考の持ち主で、過剰に謝っていた時期もあれば、まったく謝らない時期もあった。前者は自己満足の謝罪、後者は自責に疲弊し、自分に言い訳しなければ生きていられなかったことから、他者にまで気を遣う余裕がなかったことが要因だったのだと思う。 いずれにせよ、自分勝手な理由で出た行動であることに変わりはない。 健康な思考力を培う目的で始めたランニングは、必ず、早朝に出走する。小雨程度なら気にせず走るが、陽光降り注ぐ時間帯になると

咳払いで思い出した横顔も

改札に定期をかざし、同じ路線、同じ駅を行き来する毎日から離れ、2年が過ぎた。はじめこそ自由に怯え、かえって規則正しい毎日を送った筆者。今の生活に馴染むまで1年以上を要し、自分の不器用さを情けなく思う。 会社という組織は窮屈だが、良いところが沢山ある(筆者が語るまでもないだろうが) 定期に会社員の頃は、毎日同じことと少しだけ違うことを繰り返した。勤続年数が重なる度、同じことは積み重なった。そのうち、違うことを探す方が難しくなった。 いっぽう、自営業になった途端、毎日同じこと

生きている限り止まらないもの

日曜日、いつものように開いたwebページに「母の日」がテーマの記事が並んでいた。「もうすぐ母の日か」とすぐにスクロールした数時間後、この日が当日であることを知る。自らに関係のないイベントだと、完全に気を抜いていた筆者なのである。 人は誰しも筆者の母は変わっている。「自分以外はみんな変人」の世の中において、筆者の人生で群を抜いて変わっている。 彼女と出かける際、偶然会った知人から私を指し、「娘さん?」と尋ねられると必ず「こんな子、産んだ覚えはない」と言い切る。その一方で、自