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意味は後からついてくる

幼少から、色々な意味を考えてきた。いま思えば、私は暇だったのだろう。 得手不得手物心ついたときにはもう、他人と自分を比べてばかりいた。数値化できるものはわかりやすくてよかった。勝敗も、相手との差も目に見えるから気楽だった。 面倒なのは数値化が難しく、評価基準が主観に依るもの。教科でいうなら、国語や道徳。作者(筆者)の気持ちや登場人物の気持ちをいくら想像したところで、正解など本人にしかわからない。それを第三者である我々がピーチクパーチク話し合い、いったい何になるのか。 しか

無理なものを無理というまで

青臭く、厳粛なこの言葉を思い出すのは、いつも、何かをやり遂げた後だ。 無理なもの人間を34年やってきた。厳密には、もう少し長い期間を霊長類ヒト科に分類される形状・組織で生存しているはずだが、好きに呼び出せる記憶はもう少し、短い。そして、脆い。 砂の城みたいな記憶が「無理だ」と叫ぶ事象がいくつかあるが、私はそれらに「本当にそう?」と問いかけてきた。

カメラを持たず出かけた日

連日の雨にうんざりした。その翌日、快晴。 これを逃すまいと、外出することにした。 しかし、行先が浮かばない。 いや、違う。思い浮かばないわけではない。 複数浮かんだ先に疑念を抱いている。 「私は本当に、そこに行きたいのか。」 考える時間が惜しくなった私は、行先を決めず、パソコン、スマホ、手帳を持ち、家を出た。カメラを置いて。 わたしのカメラ遍歴私がデジタル一眼レフカメラを購入したのは2年前。 きっかけは、当時使用していたコンパクトデジタルカメラの電源が入らなくなった

花粉症とスイカ

2年前の2月。下記の症状が表出した。 目の刺激感(涙目、かすみ目) 鼻水 咽頭痛 頻発するくしゃみ 周囲から聞いている季節性アレルギー性鼻炎(俗に言う「花粉症」)の諸症状と似ていると感じたため、耳鼻咽喉科を受診し、アレルギー検査を受けた。受診時には主治医も「これはほぼ花粉症で間違いなさそうですね」と笑い、事前にススメられていたクスリを処方してもらい、結果を待った。 しかし、結果は予想に反した。私がアレルギー反応を示している対象は「カビ」だった。 幸い、初診で希望

「noteをやる意味がわからん」の意味がわかるようでわからない3年目

開業時、相談ができる開業者は周りに1人しかおらず、彼はアフィリエイターだった。 アフィリエイターとは、企業・個人が提供する商品・サービスを販売するため、広告主と提携し、広告宣伝活動の対価として報酬を受け取る業態のことをいい、メイン業務はウェブサイト、ブログ、SNS等の運営で、経営者というより職人色の強い業種。 今なら、彼らの得意分野(マーケティングに関しては一流でも、経営には疎い人が多い)が理解できるが、当時の自分は経営とマーケティングを混同していたように思う。そのため、開

「先生」と呼ばれ、涙したのは

先日、顧客から「先生」と呼ばれた。 行政書士として活動をはじめ、先生と呼ばれる機会は多いが、今回の先生はいつもと異なる。 私にとっては開業して間もない頃、何をどうすればいいのかわからず、思いつくことを片っ端から試し、その度に失敗を重ねた。数年ぶりの「新人」ポジション。思う事は多かったし、できれば逃げ出したい場面も山ほどあったが、「最高の味方に」という経営理念達成のためだけにヲタク行政書士®を名乗り、SNS上に存在している自分に、傷付いている暇などない。 開業後、沢山の人に

些細な約束が冬のささくれのようで

仕事で桜木町駅で降りることがある。横浜といえばの「みなとみらい」がある町、桜木町。多くの観光客を抱えるこの街も、コロナ禍には大人しかったが、賑わいを取り戻したようだ。 唐突だが、私は寄り道が下手くそだ。みなとみらい近辺を訪れるとき、私はいつも仕事を抱え、寄り道をしたいと思いながら電車に乗り込む。こんな胸の内を、他人に話すのすら悪い気がして言えなかった。 そんな私に、このような言葉をかけてくれた人がいる。 胸と首の当たりがトクンと鳴った。スマホを握る手が強ばり、脳内はものす

推しの誕生日

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