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陰キャラ、宙を舞う。

はじめに

 先日、上空4000mから飛び降りるという稀有な体験をしてきたので、記念としてnoteにその詳細を記しておきたいと思う。
 落下までの文章が長いため、落下後からの文章まで飛ばして読んでもらっても構わない。

決意

 まず、なぜスカイダイビングに挑戦しようと思ったのか。スカイダイビングはテレビでこそよく見かける光景であるものの、一般人でそれをやる人は中々いないため、話のネタになると思ったからである。
 何はともあれ下調べをしなければならない。試しにGoogleで「スカイダイビング」と入力してみると、サジェストに「事故」と出てきてこの時点でもう断念しようかと思った。試しにそのサジェストに従ってみると、以下の記事がヒットした。

 なんと「初挑戦」での死亡例が存在するのである。例に漏れず私も…なんてことにならないとも限らない。しかし、この記事には「2019年に行われた約330万回のジャンプのうち、死亡事故は15件のみ。タンデムでの事故はさらに少なく、過去10年で死亡した生徒は50万回当たり1人のみだった」とある。「50万分の1」というのは★5キャラが出にくいことで有名なFGOでも見ない数字である。きっとその天文学的な確率を引くことはないだろうという思いでスカイダイビングを決意したのである。
 また、以下のサイトには「スカイダイビング中の死亡率はダイビングよりも低い」という記述もあった。

 そんなこんなでスカイダイビングを決意した私であったが、問題はどこでやるかということである。私は運転免許を持っていないため、自宅から車移動を要する距離にあるところには行くことができない。色々調べているうちに「東京スカイダイビングクラブ」に行き着いた。「東京」と名乗っているが、住所は埼玉である。浦安にある某ネズミーランドと同じ手法だ。

 「都心から一番近いドロップゾーン」と謳っているように、このクラブは他よりもアクセスがしやすいように感じた。さすが「東京」を名乗ることだけのことはある。きっと、埼玉のTDLを名乗っても許されることだろう(は?)。ということで、家からアクセスがしやすい「東京スカイダイビングクラブ」でスカイダイビングを決行することにしたのである。

落下前

〜落下前日
 もともと独りでスカイダイビングをしようとしていたが、友人にその旨を話したところ彼もやってみたいということで二人で飛ぶことになった。彼は運転ができるので、電車でドロップゾーンまで向かう必要が無くなったので大変ありがたかった。
 寿命が尽きる日が近づくにつれて私の期待は大きくなっていた。同時に不安も大きくなっていった。極め付けは前日にYouTubeで見たスカイダイビング経験250回を超える自衛隊員が亡くなったニュースであった。これを見て大変な不安に駆られた。

 この不安を解消するために見たのが那須川天心のスカイダイビング動画である。普段ニコ生やそれに関連するYouTubeチャンネルしか見ない私はこういった陽気な人間が出演している動画を見る機会はほとんどないのだが、このときばかりはこのテンションに助けられた。大変感謝している。

〜セスナ離陸前 
 私はふざけた遺書と動画を残してから家を出発した。死ななかったのでその内容はここには書かないでおこうと思う。
 飛行場に到着した我々を待ち受けていたのは大量のセスナ機であった。あの中のどれかに乗って雲の上に行くんだ。やっと実感が湧いた。

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 受付で誓約書と¥41,000を払って自分たちの名前が呼ばれるまで受付付近で待機していた。思ったより単独参加の人も多く、驚いた。ホームページには所要時間3時間と書かれていたので、受付をしてから1時間くらい待たされるのかなーと思いながら、ベンチに座っていると20分もしない内に名前が呼ばれ、ハーネスが装着された。その後、3~4分程度落下時と着陸時の姿勢について簡単なレクチャーを受け、セスナ機へ向かうこととなった。
 気持ち的には1時間待つつもりでいたのだが、20分で呼ばれてしまい、心の準備をする間もなく、セスナ機に搭乗することとなった。(逆にこれはありがたかった。)

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搭乗前の写真

落下後

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 セスナ内はこんな感じ。人で埋め尽くされている。ソロダイバーが半分、タンデムがもう半分という感じである。離陸後、揺れる機内に若干の楽しさを感じた。ソロダイバーの方々が機内後方にある窓を開けて、外を見渡していたのが印象的だった。落ちないかどうかヒヤヒヤした。
 目標高度に達した後、勇敢なソロダイバーの方々が次々と降下していった。飛び降りるときにゴオッと音がして瞬く間にその姿が消えていく。その後、タンデム3組がバングラデシュの留学生→筆者→友人の順で降下していく。

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 セスナから降下する瞬間の筆者。かなり緊張しており、地上で教えられた落下姿勢を忠実に守ることだけが頭にあった。その後、インストラクターと共に落下する。

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落下!大変必死な顔になっている。

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パラシュートが開く前の写真。時速200kmの速度で落下しているため、顔が大変なことになっている。イロモネアに出演したら100万円貰える顔をしているが、今後の名誉のためにいらすとやで代替しておく。

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パラシュート展開。無事パラシュートが開いて安心すると共に、テンパっていて気づかなかった眼下に広がる景色を見て感激。

せっかくなので、動画リンク(一瞬)も貼っておく。改めて見てみても、絶景である。

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着陸。大変満足げな表情である。

おわりに

 今回のスカイダイビングで得たものは「生の実感」である。やはり、死に近づいたことが影響しているだろう。今後はより自分を大切にしていきたい。正直1回限りの体験にしようと思っていたが、実際にやってみると思いの外楽しく、お金の問題が無ければ、もう一度やりたいと思った。

おまけ:落下後の昼食

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