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上映会と対談を終えて

 「桃源郷通行許可証」展関連イベントが無事に終わりました。
たくさんの方々に今まで日が当たらなかった作品も含めてご覧いただく機会になりました。遠いところから埼玉近美までおいでいただき、ありがとうございました。

 対談のお相手を引き受けていただいた橋本梓さん、高橋信也さん、建畠晢さん。御三方とは、昨年末から少しづつ打ち合わせをさせていただきました。各々なさっている活動や表現に沿った見地から豊富なお話をされ、且つ私の言葉も引き出していただきました。御三方の話は一つの出発点からそれぞれ別の見地へ私たちが降り立つ契機を与えてくださったと思います。

 三つの対談を全て聞くと、それらの契機の先に共通するものとして、今の私たちが抱く胸の奥に潜む「寂しさや哀しみ」がすでに「桃源郷」に含まれていること。そして今回の展覧会の「桃源郷通行許可証」という言葉によって「寂しさや哀しみ」と「明るみ」の間で往復ができるのだということ。感情が往還する日常に想いを馳せることができるのだと、気づきました。
それが芸術作品と私たちとの出会いと時間、記憶や再訪を可能にすることが、許可されていることなのだと。

 上映会は、私自身、記録を取ることもあまりせず、ずっと見届ける役目をしていました。14、15日の映像全作品上映会と豪華対談御三方まつり。こんなに大盛りにして大丈夫かと、心配の中進めてきた昨年からの半年。緊張感が今、まだ抜けないうちに書き留めておかないと、浦島太郎のように忘れてしまいそうです。

 ほぼボランティアで作業してくださった信頼できる編集協力者の鈴木さんと小川さん。担当学芸員の皆さんはじめ今回の企画の発案者の梅津さんに感謝いたします。

このところ、出張続きでご機嫌斜めの第三アーティストを撫でて誤魔化しつつ。

©️松井智惠          2023年1月16日筆

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