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大晦日

 昨年は、29日まで展覧会の展示作業で遠方にいた。そう思うと、今年は12月中旬までに二つのグループ展が始まり、気が抜けたようで、その後の制作は「今日の一枚さん」だけになっている。なんとムラのある生活なんだろうと、思っていたがどうやらこれは自分の性分なのだと、干支の5周目を目の前にして気づいたことが本年の収穫か。

 11月は突然のカンファレンスに参加のために、作品について言葉で多国籍の人々に、伝える機会があった。

 同時通訳できる日本語に置き換えることを前提に映像作品を見せつつ、当時と現在でも共通のテーマ、内容を20分以内で話す。久しぶりに自分の作品について責任を持たないといけない緊張感がある日々を過ごした。話は、一点に集約してそこから私が何を考えているのか広げてもらおうとしたが、それは大変難しいことだった。キーセンテンスだけ述べても、つまらないし制作のエピソードがあまり入っても、中心からずれてしまう。上手なプレゼンテーションを目指したわけではない。願望に過ぎなくとも、伝え、理解してもらうということについてどのように表現すれば良いのか。11月は制作とその発表の用意でかなり朝の目覚めが胸苦しい日が続いた。未知の絵を描くことと、すでに作ったものを再確認して言葉にしていくこと。

 おかげで、12月に入ってからぼーっとしたまま大晦日になってしまった。今年は年始からの仕事がないので、正月はフラ〜フラ〜と銭湯巡り。

 道後おんせんが懐かしい。

©️松井智惠          2019年12月31日筆 HPのブログに掲載

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