マガジンのカバー画像

人生上等

59
「どうして期日前にならないと、制作できないのか」 自分に甘く他人に辛くを戒めるべく、日常のさめざめを呟きます。
運営しているクリエイター

記事一覧

英語に訳せない「恨む」

今日も、おばあさんは恨みをひとしきり話していた。 夏の間は、暑いなあとか日常の雑談が多く…

Chie_Matsui
10日前
10

タイフーン

 暑い暑いとうめいていた八月も最後の週になった。 夕方の公園では虫がちいちいと鳴いている…

Chie_Matsui
3週間前
8

海も山も

最近は、書きたいことが次から次へ浮かぶ。  絵ではなく、見聞きすることについて、きちんと…

Chie_Matsui
1か月前
12

夏至の間にメモ

 ここ数日で、最低気温が25度になり、真夏のような日が続いている。 朝、七時にゴミを出しに…

Chie_Matsui
2か月前
10

「青蓮丸西へ、その前のお話」

 風がヒューヒューという音から、ごうごうという音に、急に変わりました。「シロや、海の上の…

Chie_Matsui
2か月前
4

音像2

 先日、久しぶりにフェスティバルホールの演奏会へ足を運んだ。 読売日本交響楽団が、ワーグ…

Chie_Matsui
2か月前
6

はつうみ

友人の展覧会を観に、西へ西へ。海際にある木造の倉庫は、梅雨の狭間の夏日の陽射しからホッと一息、ひんやりと心地よい。 坂を少し降りると、そこはすぐ、海。瀬戸内海だ。 地元の子供たちがあそんでいる。 簡単な装備で海に入る。 何年ぶりだろう、もしかすると、10年くらい前か? 水温は暖かく、こんなに身体が浮くのが不思議だった。長い間忘れていた感覚。波打ち際で上を向いてずっと空を見る。少し曇ってきたがちょうどいい。 波の音と遠くの舟のエンジンの音。 暑い夏がこれから始まる。こと

日曜日

 少し蒸し暑い日曜日の夕方、ガク紫陽花の色は少し燻んでいる。  お昼間から、亡き友人のお…

Chie_Matsui
3か月前
8

「他の画家など気に留めないであろう雪舟」

 気になっていた、京都国立博物館の「雪舟伝説」=雪舟とその仲間たち展へ、最終日前日に観に…

Chie_Matsui
3か月前
20

ballet-tombé

 あれは、2012年だったと思う、彼女のバレエ教室のオープンクラスに初めて行ったのは。  …

Chie_Matsui
4か月前
11

「個展が終わり雑記」

作品を持ち帰って倉庫に入れる作業と掃除で、昨日は終わった。 いつも通り「浦島太郎症候群」…

Chie_Matsui
4か月前
12

あと四日

個展も残すところあと四日 始まった頃は寒くて雨が多い三月の終わり お客様もダウンコートを…

Chie_Matsui
5か月前
8

画廊のお店番の日々

個展が始まって、明日で二週間。 4月もどんどん日にちが過ぎて、すっかり桜が満開に近くなった…

Chie_Matsui
5か月前
13

「置き去られた鏡」展

明日から、いよいよ個展が始まります。  ほとんど展示が終わった会場に収まった作品は、今日までは私が独占して見ることができます。今は一番贅沢で、緊張が抜けてきた時間かもしれません。展覧会がいざ始まると、観客の視線に作品は耐えなければならないのです。  昨年の八月頃から、会場になるギャラリーノマルの工房で作り始めた、モノタイプの版画。最初は月に二回くらい通ってテストアンドエラーを繰り返しつつ、秋を過ぎて冬になった頃には、月に4回工房人入り、今年に入ってからは、週に二、三日工房