【読書日記】『バットゥータ先生のグルメンアンナイト』感想
なんだか見たことある表紙のデザインだな?(笑)
素晴らしいセンスですね。
もちろん漫画も、亀先生節全開という感じで面白かったです。
イブン・バットゥータについては、「なんか昔の旅行家?」程度の知識しかありませんでしたので、今回知ることができたのもよかったです。
この時代の中東の文化背景も描かれているし、毎回紹介される食べ物はおいしそうだし(何せ”グルメ”アンナイトなので)、キャラも好き。
主人公のリタちゃんは面白可愛く、バットゥータ先生は面白かっこよく(死に場所を選べる自由を照れながら自慢する先生は可愛かった)、何気にリタと同じく奴隷のアリくんのブレないラクダ愛が一番かっこいい。
堅苦しくない歴史漫画として当時の中東の文化を知ることができ、くすっと笑えるユーモアもあり、しかしそれだけではなく、当時の奴隷や孤児が生きていく厳しさをさらりと描いてもいます。
医者を目指す孤児の少女に、笑顔で淡々と「医学を学ぶために、”自分”を医師の男性に売ることに決めた」と言わせてしまうあたり、さすが亀先生だなあと感じました。
とても悲しくてつらいシーンであるはずなのに、読み手に不必要な心の痛みを与えない。これが当時の生き方、そういう時代であり、それ以上でもそれ以下でもない。同情するなんておこがましい、現代の倫理観を持ち込むなんてナンセンス、と思わせてくれます。
次巻はいよいよインド? インドの文化、食も楽しみです。
ちなみに別の本で、イブン・バットゥータは世界各地で女奴隷を妻にして多くの子を作ったという記述を読んだんですけど、どうなるんでしょうね(笑)
ローマ帝国と神聖ローマ帝国の違いもわからない世界史音痴だった私が、世界史を自分なりに勉強しようと思ったのは、亀先生の作品に出会ったからです。
先生のサイトの漫画を読み(サイト全部書籍化してほしい・・・)、気になる時代や国の本を読んで、必死こいてやっとぼんやり世界史の全体像をつかんできたところです。
まだまだ世界史初心者、レベル1といった感じですが、数年前の自分は「マムルーク・・・?(聞いたこともない)」だったので、レベル1に至るまでの長い道のりもいつか語りたい・・・。
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