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好きな人を苦しめる。特定の相手と付き合うのが怖い。

私は特定の相手と付き合うのが怖い。
自分が相手に依存することで相手を苦しめて、最終的には大好きな人から嫌われる。そんな自分を醜いと感じる。
この悩みを何年もの間抱えている。

以前、私は日常生活に支障を来すほど彼氏に依存し、自殺未遂で彼の気を引こうとするほど激しい衝動的行為を繰り返していた頃があった。
あまりに激しい感情を、私はコントロールできずに毎日彼にぶつけていたため、彼はひどく苦しみ、彼がなんとか逃げるような形で関係は崩壊した。

それからというもの、私は、付き合って相手に依存することを極端に恐れるようになった。
しかし、異性の存在が常に身の回りにないと、心の安定を保てない。
同性の友人には、自分の「いい子」な部分しか見せられないため、心を許せる異性の存在が必要だった。

以下は、特定の異性と付き合えなくなるまでの経緯である。

最初は、気になった異性とはとりあえず付き合い、「私のことをわかってくれないな」と少しでも感じた時点で、別れる選択をした。付き合ってから別れるまでの期間は、短いと1週間、長くても2ヶ月間だった。

自分の本音をぶつけたら、相手は逃げてしまうだろう。
本音をぶつけて、相手に受け入れてもらえないのが怖い。相手から拒否される前に、自分から別れを告げた。
次々に多くの異性と、付き合っては別れることを繰り返した。

次に、付き合ってはいないが肉体関係があるA氏とたまに会いながら、他に気になる異性が居れば会うという生活をするようになった。

A氏は趣味が少し近く、仕事の話や趣味の話をして、時々一緒に出かけて、一緒に食事をして、肉体関係を持った。
セックスでは、A氏は全てをさらけ出して甘える性格で、私もA氏と行為をする時は気を遣うことなく楽しむことができた。
ストレスが溜まった時にはA氏と会うことで気持ちを保つようになった。
時にはA氏が本能のままに求めてきて乱暴だと感じたり、コミュニケーションにおいて不快な思いをすることはあったが、「私だって、自分勝手なことをしているから、A氏を責めることはできないな。」と割りきることができた。

他の異性と会う時は、単純に楽しいと思えるし、もっと知りたいと思えば何度かデートを繰り返すこともあった。
しかし、気付いた時には「付き合う」関係に踏み込むことができなくなっていた。

気になる異性とデートする時、A氏の存在がある故に、常に心に余裕があった。
A氏との関係で性的な欲求は満たされており、気になる異性は自分のことを一人の女性として丁寧に扱ってくれる。
気になる異性に依存する心配もない。

男性は、自立していて、いつでも「私はあなたが居なくても1人でも楽しい」という様子の女性が好きなのだと学んだ。
ラインの返信は気まぐれで、しつこく「会いたい」「寂しい」と言わない女性は、男性からすると追いかけ甲斐がある。

「私のことをわかってよ。」と言う女性を、男性は知ろうとしない。
何を考えているかわからない、ミステリアスな女性に興味を引かれ、知りたがる。
男性は、追いかけられると逃げるが、手が届くか届かないかのぎりぎりの位置にいる女性を追いかける。
複数の異性と恋愛関係にある時、この絶妙な距離感を、意識せずとも自然と実現できた。
常に異性から求められている自分でいられた。承認欲求が満たされており、心は穏やかだった。

この曖昧な状況がずっと続くはずがないが、複数の異性と関わることで穏やかな状態が保てるなら、ずっとこの状況に逃げていたいと思った。

ある日、諦め半分で街コンに行き、そこで知り合ったB氏と意気投合した。
B氏の性格は自分と似た部分が多く、私は自分の弱い面も少しずつ彼に見せるようになった。
フットワークの軽いB氏と一緒に過ごすといつも楽しく、私は彼との関係を特別に感じるようになった。
不器用だが純粋で、誰に対しても優しく、行動的なB氏に私は強く惹かれた。

B氏から付き合って欲しいと言われ、私たちは恋人関係になった。幸せだった。
肉体関係があるA氏やその他の異性とは関係を切った。

付き合ってからすぐに、私はB氏に精神的に依存していった。
付き合う前は、B氏がどう思うかよりも、自分がどう思うかを軸に考え、自然に行動できていた。しかし、付き合ってからは、「B氏はこう思っているのではないか」という憶測や、時には「私を邪魔に思っているはずだ」という被害妄想がいつも頭の中を渦巻くようになり、私の心は不安定になった。

大好きなB氏を、遅い時間まで引き留めたり、自分の不安についての話に付き合わせて、困らせるようになった。
好きな人を困らせる醜い自分に再び直面してしまった。認めたくなかった。
精神科を受診したら、「境界性人格障害」の傾向にあると言われた。

B氏は私の問題について話を聴いてくれた。そして、「そんなにこの関係があなたを苦しめるなら」とB氏は言い、私たちは別れることになった。
B氏との関係を崩壊させた自分を憎んだ。
同時に、複数人と関係を持っていた時期の心の安定を取り戻したかった。

B氏は別れた後も、私をキャンプや釣りなどに誘い、肉体関係は持たずに一緒に過ごした。
その時は、なぜB氏が私と会ってくれるのか、考えもしなかった。

私はB氏と別れた後、肉体関係があったA氏に再び会った。その他の異性にも会った。
しかし、A氏と会っても、他の異性と会っても、もう自分の心には安定が戻らなかった。

B氏とはその間も、恋人関係という定義は無しで会っていた。
B氏はいつも私の話を受け止めてくれた。
私もB氏を知る度に、やはり好きだという気持ちを膨らませた。
B氏は私に、もう一度付き合って欲しいと言った。私は迷うことなく付き合いたいと返答した。

ある時、B氏との会話の最中で、ふと特定の相手と付き合うことの恐怖が再燃した。
その時、何故か私は、定義として「別れている」期間に、他の異性と会っていたことを暴露した。
肉体関係があったのかと彼に尋ねられ、私は嘘をつかずに「はい」と返答した。
B氏は、私が他の異性と肉体関係を持ったことについて、ショックを受けた。

定義として「別れている」期間も、私の悩みを理解した上で一緒に過ごすことで、私の気持ちが楽になればと考えていたという。
彼は「あなたがセックス依存傾向にあることは理解していたから、肉体関係無しでも、大事にされている実感を与えたかった。それが伝わっていなかったと思うと残念。」と言った。
また、「あなたを本当の意味で大事にしていない男と、簡単に関係を持つのだと知って、がっかりした。そんな弱い女性とは一緒に居たくない。」とも言った。

彼の言うことは全て正しく、私はその通りだと返答した。
彼は「正直、あなたへの気持ちがわからなくなった。でも大事に思っていたからこそ、思ったことを伝えた。」と話した。

その後、彼との関係はどうなるのか決まっていない。
彼を傷つけた罪悪感や、彼が私を想ってくれていたことへの感謝の気持ち、常に男性が居ないと生きていけない弱い自分への怒りで、頭が一杯だ。

私は彼のことが好きで、出来ることならばこれからも一緒に過ごしたい。
しかし彼は傷つき、私への気持ちがわからなくなった。彼がどう判断するかはわからない。
私にできることは、彼に懺悔をして、どうかこれからも一緒に居てくださいと懇願し、彼を縛ることではないと思う。
私はこれから、男性に頼るという手段を用いずに、自分の気持ちを自分で保つことができる方法を見つける必要がある。

自分で自分を満足させられること、
不安から逃げるために男性と関係を持つのをやめること、
寂しさや苦しさにどう対処するかを自分で考えること、
以上のことに取り組んでいこうと思う。

もしまた彼が私と一緒に過ごす選択をしてくれたならば、私は彼に依存しなくても、他の男性に頼らなくても、自分のことを大事にした上で、彼のことを思いきり大事にしたいと思う。

好きな人を苦しめる。
特定の相手と付き合うのが怖い。
そんな弱くて醜い私をまずは認識して、逃げずに自分と向き合うことが、やっとできそうだ。

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