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3年前は啓蟄に、ことしは雨水に思うこと。
昔の人はすごいなあって、よく思う。
突然そう思ったのは、今日が二十四節気でいうところの「雨水」に当たると気付いたから。
雨水
降る雪が雨に変わり、雪解けが始まる時期
昨日の朝、起きると庭は白くなっていた。
夜の間に雪が降ったようだったが先月までの雪とは質感が違って、柔らかいよりはちょっと硬めで、うすーくそれぞれに”まく”を張ったようなつもり方だった。
バス停までの道のり、アスファルト、それも白くなっていたのでわざとその上を歩いてみたけど、踏みしめるような感触はなく、ただ足跡だけが残っていた。
一転して、今日。
いま、とあるスターバックスで一服しているのだが、ガラス窓の向こうを右から左へ、左から右へと行き交う人々は傘を差している。
1~2時間前くらいから降り始めたもんだから、あいにく傘を持っていない人も多いようでちょっと小走りでかけていく人もそこそこいるみたい。
つめたい雨だ。
自動ドアが開くたびに雨に冷やされた空気が入り込んできて顔や首にあたって、肌がキュッとなる。さすがはスターバックス、店内をとても温めてくれているので、むしろその空気がちょっと心地良い。
・
「雨水」を思い出す。今日の雨はまさしく、氷が水になったばかりのようである。
同時に、いまの自分の状況を連想する。半年…見方によってはおよそ1年かけて、調整してきた自分の生活が一つの区切りを迎えた。雪解けという単語が近いかもしれない。
会社員であることを手放す。
ちょうど3年前も手放したし、なんならフリーにもなった。ただ、その時は消極的選択であったのに対して、今回はきっかけこそ消極的ではあったけれど、文字通り自分でえらんだ。
健康保険は全部自分で支払うし、
雇用保険はなくなっちゃうし、
厚生年金もなくなっちゃうし、
なんか他にもきっといろいろなくなっちゃうけど。
こういうものがなくなっちゃうことが怖いのは否定できないけれど。
手放したから、掴めるものや舞い込んでくるものがある。
わたしはわたしのひだのような、産毛のような、微細な感覚を殺さないで生きていきたい。
とかいって、所詮人間だからだらだらすることも忘れず、
毎日ぼちぼちいくだけなのであります。
奇しくも、スターバックスのカップにはもう桜が咲き始めていました。
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