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FUJI ROCK FESTIVAL '23 Day2 感想

今更ですが行ってきました。メモ書き程度の備忘録です。
↓ Day1

しっかり天然のアラーム(太陽)で6時半に寝ていられなくなり起床。ソロキャンプ勢の宿命。雪ささの湯で汗を流してから神が与え給うた休憩スペースでゴロゴロする。GEZANを目指して這い出して会場へ向かった。

蜻蛉と一緒にGEZANを待つ

GEZAN with Million Wish Collective @GREEN STAGE

フジロックで彼らを観るのは2019のホワイト以来。DNA、東京、赤曜日など代表曲連発の総力戦なセトリで、本気でベストアクトを取りに来たんだという熱量が感じられてとても良かった。リンダリリンダが無かったのは残念ではあるが、迫力のままに走り抜ける今回のムードには合わなかったのかもしれない。
直前まで田舎へ行こう!の映像が流れていたグリーンステージで、「いつまで清志郎に頼ってるんだ?」と問いかけるマヒトの姿は最高にカッコよかった。ラストの絶叫からシームレスに東京に接続する流れは今日のハイライトの一つ。グリーンのデカいスクリーンにデカデカと映るNO WARの文字にも痺れた。
BODY ODDでゲストが乱入していく流れは毎回どこかノリきれない部分がある。バンドメンバーがリレーしていくところは良かったけど、乱入するゲストに対してスンと引いてしまう感覚。
このステージでGEZAN with MWCとしての活動を一区切りするらしく、今までの思い出を振り返りながら仲間への感謝を伝え、しかし別れるというナラティブを織り込んだパフォーマンスにもうるっときた。この夏にはバンドセットの彼らも観る予定もあるが、ここから何を持ち帰るのか楽しみ。

BENEE @GREEN STAGE

TikTok初のキュートなポップアイコン。Vaporwaveに影響を受けたレトロCGとサイケな色彩がモリモリのVJが印象的。Z世代への懐古主義の浸透を感じた。Billie Eilishほどではないが、ほんのりダークだったりメランコリックなトーンも見え隠れする楽曲。パフォーマンス自体はにこやかで天真爛漫な雰囲気だった。
謎の遊戯王Tシャツを着ていたのはなんだったんだ。そんなのどこで買ったの。途中で日本代表ユニに衣装チェンジ。

羊文学 @GREEN STAGE

地味に観たのは初かも?爽やかな風が吹き抜けるような楽曲はグリーンに映える。光るときのクリーンなギターなどまさに。金色の「満足してるよ、人生の大体の部分では でも少し、あと少しの安心が欲しい」という詞、わかる…。
Weyes Bloodまで間隔無かったため、早めに抜けて移動。

Weyes Blood @RED MARQUEE

これぞフジロックというブッキングで期待の高かったアクトの1つ。純白で絹のような質感のドレスがエンジェリックで素晴らしい。後半、アルバムのジャケットのように心臓に赤く光が灯るのも神秘的で美しかった。Andromedaは名曲。間奏のギターソロにときめきが止まらない。
VJにめちゃくちゃ力が入っていたのが印象的。特に印象に残っているのは名作映画のワンシーンがサブリミナル的に押し寄せるMoviesと、厳しい時代を生き抜く女性達の姿を映したGod Turn Me Into a Flower。Moviesにはドラマチックなヴァイオリンのフレーズから明確に静→動へのスイッチがあり、人類が積み上げた尊い瞬間のすべてを包み込んで歌い舞うWeyes Bloodの神々しさに完全にノックアウトされた。これで終わるショーはそりゃ最高でしょ。

Caroline Polachek @WHITE STAGE

現役バリバリの歌唱力ですべてをねじ伏せるストロングスタイル。バンドのキメに合わせて大きな手振りで魅せるのも上手く、ポップ・スター然とした凛としたパフォーマンスだった。ボーカルの高低やビブラートを手振りとシンクロさせるようなパフォーマンスが素敵。爆音ながらソリッドにまとまったサウンドも良かった。キックの音が重すぎて喉仏が震える。

中盤、プライベートでも友人関係であるWeyes Bloodがサプライズ登場して最新アルバムからButterfly Netを披露。2人がステージ上で見つめ合うようなシスターフッド的な絡みや美しいハーモニーも素晴らしく、凄いものを目撃してしまった。
ラスト付近のSo Hot You’re Hurting My Feelingsとか、シンプルにメロディーラインの強度が凄まじい。
初来日を告げるMCで涙ぐんで言葉に詰まったり、オーディエンスの声援に感じ入るような人間性の面でも心を掴まれた。ソロ転身前からのキャリアは結構長く、苦節の日々を思わせるような経歴でもあるのでグッと来た。トンボと戯れる姿にもほっこり。
総じてナマの素晴らしさとマジックが詰まった素晴らしいステージで一気にファンになってしまった。ホワイトまで遥々往復した価値あり。

マーキーへの移動中にエルレをチラ見。彼らが元気そうで内なる中学生の自分も喜んでいた。

Slowdive @RED MARQUEE

エルレ被りながらもマーキーをみっちみちに埋めるSlowdiver達。ファン地盤の硬さを感じる。
彼らを観るのは2017年のセルフタイトルのリリースツアー以来。時が経つのは早い。Sugar for the Pillの衝撃だけを燃料に、過去作予習せずに臨んだ当時の自分は愚かだが凄くもある。今回もちゃんと目撃できたので良かった。
これが本当の極音だとばかりに圧倒的な密度とミスト的粒度の聴き心地の良い轟音でマーキーを満たしていく。ラストのGolden Hair (Syd Barrett cover)で完全優勝。轟音の奥から丸っこい太鼓の音が聴こえてくるのがなぜだかとても神秘的で美しかった。総じて抜けの良いスネアの音が完璧だったな。
当時や全盛期のライブ音源を知るような熱心なファンでないというのもあるけど、衰えなどはまったく感じない完成度に感じた。

ホワイトへの移動でFoo Fightersをチラ見。グリーン中がオールスタンディングでギチギチ。後方の通路が人混みで詰まっており、ホワイトへの移動にも苦労した。2日目の人の多さを肌で感じたシーン。

Louis Cole @WHITE STAGE

謎の木馬(ポニー)に跨り、骸骨コーラス隊の1人に運び込まれて入場し、コンニチハ~と投げかける激ユルの雰囲気に脱力する感じ。装いはお馴染みらしいマリオカートのパーカーとハット姿。
1曲目からF it Upでいきなりトップギアに乗せてくる。2日間のどのアクトよりも踊りまくるオーディエンス。2曲目のThinkingではコーラス隊とルイス・コールが並んで謎手品(袖から手を抜いて胸でボコッとするアレ)を披露するおふざけタイムで笑う。まずもってメロディーが超ポップだし、後半のオーディエンスと一体となってクラップを入れていくムードもとにかくご機嫌で素晴らしかった。原曲かなり短いけどソロ回しも挟んでロング・バージョンにチューンナップされていた。この曲に限らずルイス・コールの曲はスタートダッシュが強い曲が多いので結構長尺でやったように思えても意外とそんなことなく、たくさん聴けてお得感ある。
Quality Over Opinionを初めとした静かで美しい楽曲もしっかりやってくれたのが個人的に嬉しかった。ライブハウスではなく自然溢れるホワイトステージで観れたことの意味が確かにあったと思う。異常気象に警鐘を鳴らすような、高速で風景画が移り変わっていくVJも凄かったな。流石に人力で実現できるものと思えないのでAIが活用されていたのだろうか。

骸骨ガールズがあの手この手でステージ上を盛り上げまくるので終始楽しさが持続していたのが素敵。途中のビンタや蹴りを入れ合ってた振りはなんなの。ハンディカムを持ち歩いてVJにライブで映していくのもユニークで面白かったな。赤髪のお姉さんがピョコピョコジャンプしているのも可愛らしかったです。
Falling in a Cool Wayは中盤の山場としてベストな位置にいた。これのソロ回しが特にパワフルで印象深い。バリサクからホルン、トロンボーンまであらゆるブラスにスポットが当たっていくのがとにかく楽しい。各曲ごとにブラスバンドのメンバーにスポットを当ててソロを託していくのがアツい。
他にも中盤のバラード曲では観客にスマホのライトを掲げさせ、美しい光景の中で歌声を響かせていた。多分Nightかな?あとMy Buickもめちゃくちゃ楽しかったな。ソロ回しから重厚なブラスのリフレインに戻ってくるのが最高に気持ち良かった。
時間が余ったらしく、アンコールでまさかのThinkingおかわり。サービス精神まで完璧なクロージングアクトだった。ここで終わってもいい…!と思いながらタコ踊りしていたが、アドレナリンドバドバで披露を感じなかった。

総じてこれを拝めた自分の人生って決して捨てたものではないな…と人生レベルで前向きになれそうなくらい楽しい時間だった。

この後、マーキーの長谷川白紙へと連なるBrainfeaderバトンは見たかったが、ルイス・コールで心身ともに大満足したので今日も夜更かしはせず早寝。1日目はヨラテンゴとストロークスの2バンドが突出して楽しめたが、2日目はGEZAN, Weyes Blood, Caroline Polachek, Slowdive, Louis Coleと平均的に満足度が高く、総合力で1日目を越えてきたように思う。★5。

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