無意識

凍えるほど寒い冬がすぎて、やっと気温がいい感じになってきた。
そうなれば俺たちはでかい公園で散歩をする。
飲み、買い物も楽しいが俺たちは散歩をする。

よく行く公園にはお気に入りのスポットがある。
そこは人がおらず木に囲まれた斜面の草原。
穴場だ。
そこではぼーっとしたり、喋ったりスローな時間を過ごせる。
人がいたことが無いがその日はじいさんが座って空を眺めてた。

友達「ここ気持ちいですよね。」
じいさん「俺はここが好きで毎日来てる」

友達が話しかけると、じいさんは毎日ここの場所に来てるという。
春、夏、秋、冬、季節によって変わる草木の表情を写真撮るのが日課らしい。

じいさん「この時間が好きなんだ。」

でも、そんな素敵なスローライフを過ごすじいさんにも悩みがあるらしい。

じいさん「夏になるとここは雑草がすごいんだ」

じいさんは夏になると雑草が伸びて地面に座れないと言った。
役所に雑草を刈ってくれと頼んだらしいができないと言われたみたい。

じいさん「だからなぁ」

そう言いながらじいさんがウエストポーチから何かを取り出す。

じいさん「これで雑草を切ってるんだ」

と見せてきたのがフツーのハサミ。

まじかよ、フツーのハサミで雑草刈ってんのかよ。
役所の方、どうか雑草切ってあげてよ。
俺は工具とか使ったことないし、チェーンソーで万が一キックバック発生したら、、、。
あ、そうなったら自民党の人に聞けばいいのか。

友達「じゃあまたここであったらよろしくね」

じいさんに別れを告げて、先頭をきった友達が2、3歩歩きながらズボンのポッケから携帯を取り出した。その際に鼻をかんだティッシュつまりはゴミがポッケから落ちていく。友達は気づいていない。
後ろを振り返るとじいさんの目には落ちるゴミが映っていた。

じいさんが熱く語ってくれた穴場スポット。
そこに、無意識でゴミを落としてく友達。 

俺も、無意識に失礼なことしてる時あるのかな。
なんて考えてしまうお話でした。
長くなりました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?