テックブログ支援ワークショップはインナーブランディング強化の一環
「これをがんばった!」と自負できる昨年のDevRel活動は、テックブログ支援ワークショップの実施かもしれない。
こちらの一年間の活動をふりかえったときに、テックブログ支援のワークショップはチャレンジングな出来事だったことを思い出す。なお、現在も不定期に開催しており、来週もオンラインでの実施を予定している。
今回は、そのプロセスと成果、さらに参考になった書籍をいくつか紹介したい。
テックブログ執筆支援をインナーブランディングの軸に置く
インナーブランディングの強化を目指し、昨年7月からテックブログ執筆のサポートを本格化した。
そもそもアウトプットそのものを推奨している文化の中にいる。普段の開発者活動において、テックブログ(専門的知識の具体と抽象の往復先)を据え置くことで、知識共有文化の促進につながっている。
ワークショップ実施の背景には、より多くのテックブログを書くための環境をどう整えるか、という課題があった。まず、データに基づいてターゲットを明確に定めることから始めた。
その結果、テックブログを未経験の方、一人での執筆経験がない方、入社直後のオンボーディングの機会を迎えている方々を対象とするのがよさそうだと判断し、施策案としてワークショップの開催を目指した。
同期的な集まりの後、Slackチャンネルでの非同期のサポート環境を整え、参加者同士の助け合いを促した。これらの方々を中心に周囲を巻き込むことで、テックブログ執筆継続のムーブメントを生み出すことを目標とした。
初めて書く人が増えることで、まずは量が増える。
そして、量が増えるとレビューやサポートする人の中から自ら書こうとする人も増える。テックブログ執筆への積極的な参加者が継続的に増え、質の向上にもつながることを期待した。
ワークショップ開催でテックブログを始めて書く人が増えた
結果、ワークショップ参加後にテックブログを初めて書いた人が増えた。また、また、ワークショップ直後のふりかえりアンケートと、1ヶ月以上経過後のアンケートの両方で、成果が概ね良好なことも見えた。
特に、継続的にテックブログを意識しながら日々の業務活動に活かすことができている人が増えたことで、インナーブランディングを常に意識できていることにも繋がったと言える。
DevRelとして技術広報として、ワークショップの開催は効果的だと実感する出来事だった。この同期的な集まりのためには、各部署連携や、時間確保が必要でこれも様々な関係者と協力して実現したことだ。ありがたい。
オンラインとオフラインの両方のワークショップのノウハウもたまった。ワークショップでは対話を通じて共感と創発を目指しており、この横のつながりが、参加者間のコミュニケーションパスの強化にも寄与した。
DeveloperRelationsの名の通りで、開発者通しの関係性構築をテックブログを通じて実現しすることができた。いわゆる「DevRelらしい活動」をワークショップは実現する力があるなと感じた。
ワークショップ開催のために学習したこと
準備には1ヶ月ほどかけて壁打ちをお願いしながら、一人DevRelとして対応した。ファシリーテーターもアンケート設計も、ワークショップ設計も、スライド資料作りも、全部一人で担当した。
その際に役立ったワークショップの本をいくつか厳選して紹介したい。
研修講師が注意しているオープニングトークのデザイン
まず、先人のノウハウを参考にする。このスライドの4ページ目がポイント。アイスブレイクだけでなく、エナジャイズやディ・インヒビタイズやウォームアップも必要。ワークショップのスライドには必ずこの項目を追加した。
演劇ワークショップのレッスン:よりよい表現とコミュニケーションのために
演劇の世界から学ぶ身体ベースのインプロ術。チーム内でコミュニケーション力を上げる方法が満載で、演劇ワークショップよりエンパシーを高めるノウハウを学ぶことができる。
ファシリテーターのあり方やワークショップの考え方が学べて新鮮な内容だった。なお、他己紹介がめちゃくちゃ使えそうで実践したら、オンラインオフライン問わず効果的だった。
ちなみに、レッスンの中には、あの、タケノコニョッキッキも出てくる。
研修アクティビティハンドブック
ボブの研修シリーズ。一冊を選べと言われれば間違いなくこれ。感想はこちらの2023年の読書ダイエット失敗:300冊超の中から選ぶ、私のイチオシ本10選のとおり。ここで、時間割とエナジャイザーとクロージングを学んだ。
オンライン研修ハンドブック
これまでの本は主にオフラインを想定したワークショップ。オンライン特化ならこちら。オフラインのデザインとの違いが参考になる。例えば、聞き手の集中力を考慮した講義時間は8分から4分と違いを述べている。
参加グループの割り振りも5、6人より3、4人と細かいノウハウが頼もしい。カメラオフの良さが見えたのも目から鱗で、手元に集中する時間を常に意識して設計することができた。カメラオフも時には効果的なのだ。
非常に学びの多い研修設計となっている。
なお、このあたりのお話はこちらの記事にもまとめております。
2023年度に「これをがんばった!」と言える活動をした
そういえば、一人DevRelになったばかりの時期に、イベントのスポンサーシップ支援のプロジェクトを手伝った後だったのでけっこう大変だったことを思い出す。3日連続でイベントに出た次の月に温めて実施した施策だ。
これは、2023年度に、技術広報に関する取り組みで「これをがんばった!」と思うものに該当するんじゃないだろうか。こちらで発表したいと思う。
参考情報
採用広報と技術広報の違い
※ DevRelの範囲が広いこともあるが、私の活動の一つに採用広報もある。技術広報については、こちらの定義を参考とする。
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