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RubyKaigi2023のスポンサーブースで「工場長」と呼ばれた人の舞台裏

RubyKaigi2023でスポンサーブースの中の人を担当していました。

このとき「工場長」と呼ばれていたのは、ひたすらSNSアイコン用のステッカーを印刷していたからです。途中、同じDevRelチームのメンバーに手伝ってもらいましたが、それでも二人で100枚以上印刷とけっこう大変でした。

でも、その分めちゃくちゃ喜びの声を会場で直接聞けたり、Twitterのハッシュタグで見かけたりしたので、うれしかったです。やってよかった!

オンデマンド印刷にあたって、事前にトラブルもあったり、作成時間が取れない心配もあったりしたのですが、なんとかやりきれたのでその舞台裏の感想をまとめてみます。

イベントブースでアイコンステッカーを配りたい

RubyKaigi 2023でスポンサーとなった弊社も、イベントを盛り上げるためにノベルティの作成や企画に取り組みました。本件の発案は今年の3月頭に話が具体化したと記憶しています。

このとき、去年のRubyKaigi 2022の他社さんのブースを参考にしていたところ、アイコンステッカー作るのはめちゃくちゃいいなとDevRelチームのメンバーと話が盛り上がりました。これが、今回の発案のきっかけとなります。

プリメーラジャパン LX610 スターターセットをレンタルする

そこで、プリメーラージャパンさんのLX610が候補にあがりました。

オリジナルデザインのシール、ステッカー、ラベルが作れる
世界初!カッター付きインクジェットラベルプリンター

引用:https://shop.primera-japan.com/

現地でオンデマンド印刷して、その場でシールを作ることができれば、楽しい体験ができるのではと想像しました。Twitterのアイコン画像を印刷して、プラカードに貼ることで自己紹介になり交流しやすいと考えました。

そこで、プリメーラサポート様に連絡して、見積もりより二週間レンタルが可能なことを確認。実際に私がオフィスにお邪魔して印刷テストとセッティング方法を体験して、やりたいことが実現可能なことを確認しました。

LX610 ロール紙を付けるとそこそこの幅をとる

レンタルセットはロール紙つき。種類が選べたので試作品の手触りや出来具合からマット紙を選択しました。量もデフォルトのサイズなら500枚の印刷は可能とのことで会場規模より安心です。

現地で印刷するにあたっての懸念点

専用のソフトウェアPTCreate Proも必要(スターターセットに付属)だったので、その使い方もレクチャーしてもらいました。レイヤー分け管理でカッティング位置を決めるのが新鮮でした。

これで、現地で印刷する方法の最低限の準備が整いました。

ただ、その場で印刷するには、自動化の術がないと大変です。しかし、カット方法を専用のソフトウェアで指定するので結局は慣れが必要だと判断しました。レンタル期間も二週間なのであまり試す時間もなかったです。

また、イベント準備にこんなに時間がかかるとは思わなかったのが正直な本音です。過去ノウハウをベースにしたとはいえ、他のノベルティ作成やイベント開催にあたってやることが満載でこちらに時間が割けませんでした。

一応、画像を当てはめるテンプレートはデザイナーさんに依頼して用意してもらい、デフォルトの文字列とカッティングを組み合わせることで、その場で印刷する枠は用意できました。

事前のテスト印刷では、一回あたりのプロセスを単純計算をすると最大5分かかります。この結果より、実際はあまり印刷できないので宣伝が難しいという気持ちを抱えたままイベント日を迎えることとなりました。

色が出ないトラブルに遭遇

イベント前日のがらんとしたブース空間

イベント前日の15:30からブースの準備時間が用意されていたので、前日から松本入りしました。ブースのセッティングはたくさんの人に手伝ってもらったのでプリンターの準備に私は途中から集中することができました。

このとき、私はプリンターの動作の再現性をとっていたのですが、写真のとおりで、一部印刷の色が出ずにカスれるトラブルに遭遇しました。

上が出したい色味なのに、下のようにイエローが特に出ない

印刷テストをしてみたところ、マゼンダ(赤色)とイエローが微妙に出ておらず、その場で電話でサポートの方に連絡しながら調整をすることになりました。

事前のテスト印刷のときに部品が外れてもいたので、不安がよぎりましたが、想像できる箇所を個別に対処。掃除が必要とマニュアルを片手に周囲の助けもあってトライしたところ望む色の印刷が出るようになりました。

トナーを裏返して湿った紙で吸着しつつ汚れを取っているところ

インフラ系の経験より障害対応の経験があったので、冷静にと行きたいところですが、こればっかりは本当にあせりました。

口コミで広がるステッカーの輪

当日。どれくらいの人が印刷したいのか皆目検討もつかなかったので、まずは、同じ会社のメンバーに良さを伝えて実際に使ってもらうところから始めました。

事前に「欲しい人がいたら言ってね」と呼びかけはしましたが、実物を見るまではその良さに気づけないものです。ブースで実演をすると、私も欲しい!と次々と声があがり、まずは数人用意するところからスタートです。

その後、実際にプラカードにステッカーをはって自己紹介に活用。また、弊社のブースに行けばステッカーができるよと口コミで広げて頂き、ステッカー目的でどんどんブースに訪れる人が増えました。

気がつけば、お昼のピーク時はずっと印刷していたことになり、冒頭の「工場長」の話につながります。そして、より多くの要望を受けたい気持ちが高まり、その場の判断でチームアイデアを盛り込むのでした。

二日目はMicrosoft Formsを準備して大量受付

二日目。徐々に口コミとTwitterで広がり、チームメンバーの元々のアイデア想定でMicrosoft Formsを用意して備えます。

そのフォームをTwitter上でも拡散。その場で文字列を考えてもらって対応する仕様にもしたので、毎日やろうとしていることを変化させながら工場長としても要望に応えていきました。

二日目は同じDevRelチームのメンバーも操作できるようになったので、交代体制もとれてありがたかったです。フォントが選べるので、その場で雰囲気に合うフォントに変えてもらったりと更なるアイデアを盛り込みました。

あとは、emojiが使えないフォントだったので、無理やり画像変換したりと臨機応変な対応をしていきました。文字列のコピペもソフトの仕様を認識しつつの対応で最終日の三日目まで慣れとコツが必要でした。

ただ、そのあたりの工夫を重ねたことでその場の要望に答えて画像と好きな文字列をステッカーにするという理想を達成することができました。

エンジニアの文化祭で焼きそばを焼いていた

結果的には、100人以上の方にステッカーをお届けすることができてよかったです。アフターイベントや会場での交流の助けになればと始めたことですが、うれしい声が多くてやりがいがありました。

また、参考にしたステッカー作りの方とも直接お話することができ、やりたいと思っていたアイデアとのお声もいただけてうれしかったです。本当にやってよかった。

エンジニアな文化祭にふさわしく、私は焼きそばを作っているようだとの感想を持ちました。その場で動きがあるのを見ている姿から、その人のワクワクが伝わり、渡した時の喜びの声とあわせて感動が積み重なりました。

工場長として最後まで対応することができてよかったです。

次回は、もうちょっと自動化とかもうちょっと準備時間とか、そもそも「準備が全て派」としては力不足を感じました。それでも、この経験を次回は活かしたいなと思います。

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