暗記が不要な世界だからこそ新しく記憶術を身に着ける
暗記は苦手を通り越して苦痛だ。
学生時代は暗記が苦痛で勉強が進まなかった記憶がある。とにかくあきっぽいので同じことを何度も繰り返す行動がそもそも苦手だった。
例えば英語や古文は単語を覚えることが基礎。覚えないとそもそも一歩も前に進まない科目は特に顕著でなんとなくでやりくりしてこなしていた。その程度の暗記力だった。
記憶術の本を手にして実際に効果を実感した
そんな暗記とは程遠い今の生活の中で、ふと本書を手にした。
この本はひたすらトランプのカードを覚える話。いつの間にかコミュニティができて、気がつけば世界大会(メモリースポーツ)が開かれるようになった。その中心人物である著者のノウハウが詰め込まれている。
具体的な記憶力の鍛え方は前半にその手法が集約。後半は記憶力の実践の先を見せているので、メンタルや体力に食事なども気を使っている。最終的には睡眠とメンタルという結論も面白い。
本書で学んだのは記憶する行為自体が科学的に証明されてきていること。その手法は単純で紀元前の頃から覚える方法が根本的に変わらないのだそうだ。それがジャーニー法だ。
ジャーニー法(場所法)を使って記憶する
ジャーニー法を実践すると一発で長期記憶となり驚いた。
本書の最初のほうの設問に10個のランダムキーワードを順番に覚えるレッスンがある。解説の通りに自分の持つ記憶の場所にそれぞれを配置するだけで簡単に覚えることができた。しかも長期記憶として定着する。
そう、暗記は単なる技術だったのだ。
やったことはこれだけだがその効果に驚く。お手軽で効果が高く自分の体験から定着した記憶のストーリーに載せるだけなのが楽しい。散歩コースとかでもいいのだ。家の中の移動範囲と限定的でもいい。イメージが大事だ。
NHKでも記憶術の特集が組まれていた
ちょうどいいタイミングでNHKでもメモリースポーツ特集が組まれていた。
いま「記憶」の速さと正確さを競う「知の格闘技」が世界で人気だ。メモリースポーツという。番組では、選手がどのように記憶しているのかを徹底解説、極意に迫る。ポイントは「よく知っている場所」と「奇想天外な物語」を組み合わせること。引用:限界突破!全力記憶 芳根京子も笑顔になった記憶術 あなたも覚えられる!
番組を見たのだが、この話も具体的でわかりやすかった。
先ほどの場所法の具体的なやり方をスタジオで実践。参加者の記憶力がアップしているのがよくわかる。奇想天外とあるように、より大きいとかありえないシチュエーションといった表現で覚えるのがポイント。
番組では「ひまわり」と「鶏」という単語を覚えるとしたらを解説。
場所を玄関と見立てて、家に帰ってきたシチュエーションより「ドアを開けるとたくさんのひまわりがドア中に張り付いて、大きな鶏が顔を出していた」と言ったありえないシチュエーションを紹介していた。
そのまま、トイレに言って風呂を沸かしてと一連の行動を場所ごとに記憶させる。これは実践すればわかるが誰でもできる。今でも、その時の単語をシチュエーションという形で思い出せる。
トイレ・風呂・台所と進んでリビングに行く。それぞれにアイテムとなる単語をありえないイメージで配置する。台所の水を飲もうとしたら、大きなキリンが口を開けて構えて...と行った風にキリンという単語を覚える。
他には、リビングで「けん玉」と「象」を覚えるために、大きなけん玉に乗った象というイメージを使って、リビングという場所で覚える。
ポイントはニコイチが良さそうだ。2つ同時に覚えて「名詞+動詞」とすると覚えやすいことがわかった。メモリスポーツのトランプも基本この覚え方を実践している人がほとんどで何百という場所を保持している。
記憶術を学ぶノンフィクションドキュメンタリー
他にもこの手の話に興味のある方は本書もオススメ。
著者はメモリースポーツを取材をしていたら自分自身が記憶力チャンピオンになるお話だ。
本書を読むと記憶があればあるほど人間らしいのかもしれないと思わせる。記憶が外部化した現代だからこそ、記憶の魅力を本書から感じ取ることができる。タイトル通りのサクセスストーリーは物語調で読みやすい。
暗記が不要な世界だからこそ記憶術を身に着ける
先ほど紹介した本を読めば見えてくるのが、人間の記憶の外部化がテーマに浮かぶ。我々は電話番号すら覚えなくなった。しかし、記憶が少なければ少ないほど、人間らしさというのが失われるのではないか?
歳をとって覚えが悪くなる事は恐怖ではないだろうか。
そんなことを考えるようになると、より人間らしく生きたいと記憶術を使って様々な語彙や体験を覚えて日常に役立てて考えていく思考する生活が楽しいだろうなと想像している。
試しに学生時代の勉強のように何か単語を覚えるみたいなことにチャレンジして語彙の世界を増やして見たいと思うようになった。今なら覚えようとする行動がそもそも楽しいになっている。
暗記が苦手という人は記憶術で新しい世界が広がるかもしれない。今なら英単語だって覚えることに苦痛を感じることはなさそうだ。記憶するとは想像力を働かせて単語をアイテムのように配置する物語なのだから。
漫画ジョジョの奇妙な冒険 第6部 ストーンオーシャンのフーファイターズの言葉より。
生きるという事はきっと「思い出」を作ることなのだ・・・ (中略) それを失うこと・・・それだけが怖い
引用:フー・ファイターズ[ニコニコ大百科]
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