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未完成の美学

こんばんは。

(竜)です。


今日、3ヶ月ぶりに髪を切りました。

小学生時代からズブズブに通うサロンが、コロナの影響で休業中。

覚悟を決めて行く初見の美容院で緊張気味でしたが、

伸びっぱなしでアフリカン系の癖っ毛に

ボブ・マーリーがふんだんにプリントされたアロハシャツを身に纏い

入店するや否や

「滅茶苦茶お洒落ですね〜!」

と、よいしょされて気持ち良い日になったので書きます_。


いつもどんな服装してるの?


よく聞かれますが答えはありません。

なぜ答えがないのか、ですが

完成されたものに魅力を感じないからです。

スーツ、モード、ストリート、ミリタリー等

確固たる答えがあると

そこで終わってしまう気がする。

未完成であることにシビれるんです。


では、未完成な服とはどんなものがあるのか。

少し前から愛用しているインポートブランド

CAMIEL FORTGENS(カミエル フォートへンス)

について少し話したいと思います。

ブランドは2014年にスタート。

アムステルダム出身のカミエルは、

移民が多く多国籍な文化が集うオランダという土地柄、

様々な文化や年代から得たインスピレーションを、

素材や形で遊びを効かせたデザインで表現しているのが特徴です。

何と言っても物事に対して常に懐疑的であることが彼のモットー。

その懐疑的な生き様にリンクされて作り出されるのが

僕の求める「未完成の美学」が見事に表現された服なんです。

例えばこのシャツ

見惚れるほど綺麗なストライプ。

実はこのシャツはよく見ると面白く

「断ち切り」「アンバランスなフォルム」「生地のズレ」総じて、

手の込んだ未完成品。

他にも

裾はカットオフ(断ち切り処理)が施されていて

着るたびに、解けて、崩れていく様がカッコいい。

ただ、服を雑に切り刻むことでは決してなく

拘り尽くされた生地選びから構成まで、すべてが計算されています。

着るとよく分かりますが、とても「上品」です。

カミエルに影響され、

お気に入りのバンドTシャツのコレクションも

自分で壊して愛用しています。

シザーハンズばりのでかいハサミでカットオフ。

スリットも入れて、裾が丸くなるまで洗いをかけました。

バンド「Have a Nice Day!」(通称:ハバナイ)の

ツアーTeeだからこそ、ハードに、そしてパンクに壊せました。


ん?


これは一度完成された物を、破壊したことになるのか。


いや待てよ。


ライブ会場で販売されている時点では生まれたばかりで

自分の手で育て、愛し、完成を追い求めているという解釈も・・・。

最早なんでもありじゃん、という言葉は

どうか言わないでください。


少しでも興味がある方はカミエルの服をチェックしてみてください。

価格は安くないですが、

今の時代にマッチしたブランドスタイルとルーツ。

細部に施された懐疑的な処理と上品な生地が

アンマッチを通り越して、

極上のコンビネーションを発揮しています。

シルエットも絶妙です。


長く語りすぎましたね。


あ、忘れかけていた僕の天然ヘアも

初見の美容師さんが大胆なカットオフを施してくれて

目を疑う懐疑的な様になりました。

決して失敗ではありません。

何度も言いますが未完成であることが美しいのです。


ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトも言っています。

ロックンロールは吐き出した瞬間と受け取る瞬間があって、受け取った瞬間に完成するものだとは思ってる。
僕の出すロックンロールは僕だけでは未完成なんだよ。
聴く人がいてその人の心の奥の中で完成する。


初めて見るほどの癖っ毛を前に果敢にチャレンジした美容師さん。


ええ仕事したで。ヤーマン。