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何度目かの断酒

もう酒はいらない。何度目かの決意。あの二日酔いの気持ち悪さがいけない。なぜ深酒したのか反省と後悔しかない。身動きの取れない自由のない休日の惨めさ。馬鹿だとしか言いようがない。愚か。そう言いながらあと何度酒を飲めば気が済むのだろうか。もう酒はいらない。一時的な躁状態の高揚感を得るための飲酒はもういらない。日記を書くようにコツコツと積み上げていく日々を送りたい。酒で分断された記憶消失の時間はもういらない。酒はいらない。もう今はない今出川烏丸の古い中華屋を思い出した。一度も入ったことはなかったけど。なぜか思い出した。酒の味がする風景だったのか。あの中華屋が俺の酒のイメージなのか。あの中華屋に入って酒が飲みたかったのか。なぜだかはわからないけど。あの中華屋は今出川通に路面電車が走っていたころからあったのだろうな。それぐらい年季が入っていたな。酒から追想されることもあるけど、でももう酒はいらない。焼けつく胃と吐き気、全身の倦怠感を味わいたくはない。適度な飲酒など俺にはできない。もう酒はいらない。常用しない。祝いの日や宴会だけにしよう。孤独に沈み込む酒はもういらない。早起きして毎日を楽しもう。軽やかな寝起きを邪魔する酒はもういらない。

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