元うつ病患者が語る、マインドフルネスのちから
私は10年近く前からうつ病を患っています。
今はそうでもないのですが、うつ病が発症したばかりの時は本当にしんどかったです。
働いていない自分、進学どころか受験会場にすらたどり着けなかった自分。
そんな自分を責める言葉が無限に沸いてきて、まるで頭の中に残酷な審問官が住んでいるみたいでした。
「お前はどうしようもない怠け者だ!」「同年代は進学や就職をしているのに、お前は取り残された落伍者だ!」なんて厳しい言葉を自分自身に浴びせ続けていました。
そんな私ですが、最近は人並みには活動ができるようになりました。
少ないながらも収入を得て、興味のあることにチャレンジしたり、周囲の人間を思いやる余裕も多少は持てるようになりました。
まだまだ落ち込みやすくて傷つきやすい私ですが、着実にうつ病から回復していっていると言えそうです。
私がうつ病から回復しつつある要因として、病気に理解のある家族や話をよく聞いてくれる主治医の先生の存在が大きいのですが、もう一つ、大きな要因として「マインドフルネス」の存在がありました。
マインドフルネスとは?瞑想とは違うの?
さも皆さんご存じのように「マインドフルネス」という言葉を使いましたが、そもそもマインドフルネスとは何のことでしょうか?
マインドフルネス とは(Wikipedea)
マインドフルネスと聞くと、暗い部屋にろうそくを立てて、瞑想に耽っている姿を思い浮かべるかもしれませんね。
それもマインドフルネスの1つだと思います。
ただそれらは「マインドフルネスな状態」に至るまでの手段であり、マインドフルネスそのものではないと私は考えています。
ではマインドフルネスな状態とは何か。
それは「今に集中している状態」だと、私は定義しています。
この「今に集中している状態」っていうのが、うつ病にはすごく効くんですよね~。
なぜうつ病にマインドフルネスが効いたのか
うつ病とは、強いストレスを受け続けたり、悩みすぎたりして、頭が疲弊してしまった状態と言われています。
「疲弊したなら休めばいいじゃない」
それは間違いなくその通りなのですが、頭(脳)というのは厄介でして、ずーっと横になって寝ていたとしても、なかなか休もうとしてはくれないんですよね。
むしろ、横になって何もしていない時間が続けば続くほど
「このままじゃいけない。何かしないと」と、頑張ろうとしてしまいます。
マインドフルネスでは、そんな頑張り屋な頭脳に考える以外のことをしてもらいます。
マインドフルネス中に自分がすることは「今の自分の体の感覚を感じる」のみ!
仕事とか、お金のこととか、社会情勢のことなんて考えない!それはマインドフルネス中は置いておきます。
「仕事を見つけなきゃいけない?それはともかく空気が鼻から出たり入ったりしてるね~」
「世の中どうなってしまうのかって?そんなことは知らないけど、今自分は呼吸して生きているよ~」
みたいに、一番優先すべきことが「今の感覚に集中する」ことなんです。
優先順位を「考えること<感じること」にすることで、考えっぱなしの頭脳がようやく休むことができます。
瞑想などをしてマインドフルネスな状態に入っているとき、私はよく「あっ、いま脳休んでるわ~」と感じることがあります。
言葉では説明しづらいのですが、脳のこわばりが解けて、じんわりと心地よさが頭中に広がっていく感覚です。
キャリアアップとか資産形成とか「考えるべき(と言われている)こと」でがんじがらめになりがちな現代人にとっても、マインドフルネスな時間は何にも代えがたいものだと思います。
駅まで歩く時間でもマインドフルネスな状態になれる!
「マインドフルネス」と聞くと難しい特別なことに思うかもしれませんが、まったくそんなことはありません!
それにマインドフルネスのために取る時間がなくても、日常生活の中でもマインドフルネスな状態にはなれるんです!
例えば「歩き禅」というものがあります。
この歩き禅は、通勤時の駅までのわずかな時間からでも行うことができます。
人は歩きながらもいろんなことを考えています。
「今日の発表うまくいくかなぁ...」「昼ごはん何にしよう」など。
これは「今の感覚に集中している」と言えませんよね。
そこで、歩くときの「足の裏と地面が触れる感覚」「体重を支える脚の感覚」など
「今、自分の身に起きている感覚」に集中することで、マインドフルネスな状態を味わうことができます。
マインドフルネスな日常を!
ほかにも日常的に取り入れられる「マインドフルネス状態になる手段」はたくさんあります。
人によって方法の合う合わないがあるので、自分に合う手段を見つけるのも楽しいんです。
うつ病の人もそうでない人も、ぜひ「マインドフルネスな時間」で頭や心をお休みさせてあげてください!
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